僕達はどうしても美少女を仲間にしたい

はたつば

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第二十三話 美少女が集まらない理由

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  颯馬とトロルさんが王国へと旅立った。

  僕の仕事はキアラと共にこの屋敷を魔改造すること。日本にいた時のように素材が頼めばすぐに舞い込んでくる場所ではない分苦労しそうだけど、魔法の力で何とかならないものか。
  当分は原始的な罠になりそうだ。

「白金さん、どのような罠を作ります?」

  定番でいえば落とし穴とか棘や有刺鉄線か・・・。トラバサミみたいな捕獲アイテムもありか。電気罠、粘着罠、ワイヤートラップ、地雷も使えるかも。考えればたくさんあるが、作るための材料が問題だよね・・・。

「罠は材料次第かな~。どんなものなら手に入りそうかな?」

「お金は(どこで得たものなのかは怖くて聞けませんが)沢山ありますし・・・オリハルコンとかは無理ですが、鉄なら沢山、金もそこそこ、ミスリルは少量手に入ると思います」

「基本は鉄重視かな~罠に金とかミスリル使っても意味無いんだよね。価格、質量、加工のしやすさ、強度、鉄って結構優秀なんだよね。やり方を変えれば超万能なのさ!」

「では、鉄を中心に集めますか?」

「うん。・・・ダマスカス鋼とかってあるの?」

  アレがあれば結構優秀な刀剣が作れるんだけど。包丁にすると食材がよく切れるってじっちゃんが言ってた。

「ダマス・・・?なんですかそれ」

  ・・・そう言えばダマスカス鋼って製鋼だっけ?その変の知識はあんまり無いから作れないな。話では聞いたはずなんだけど・・・だめだ、思い出せない。諦めよう。なにごとも、諦めが肝心。

「まぁいいや。鉄を中心にお願いします」

「はい!」

  ・・・多分鉄って鉱山から取れるんだよね?キアラにその伝があるのだろうか。

「私もルシウスさんも元々王城勤務でしたから。伝手はたくさんありますよ?冒険者への伝手は皆無でしたけど!」

  ・・・嫉妬に狂った冒険者に仲間はずれにされたんだっけか。
  強いのに勿体ないよね。僕と颯馬はもうキアラを離すつもりが全くない。百合属性は個性だから仕方ないが、見た目は超美人だしね。今更王都の人に帰ってこい命令を出されても僕と颯馬は全力で阻止するよ。颯馬は颯馬でキアラのことを大切にしてるみたいだし。

  鉱石のことはキアラに頼み、僕は僕で別の仕事を始める。

  たいして出来ることもないんだけど、まずは地下の増設かな。地面から迎撃装置を出現させて、敵をボコボコにしようと思うんだよね。地下シェルターを作れば、いざとなった時に隠れられるっていうのもある。地下の中身はまだまだ決めてないけど、颯馬に相談すればなにかしら思い浮かぶでしょ。

「さて、じゃぁまずは地面に鉄板やら柱やらを埋めていこうかね」

  地下室作りました、颯馬帰ってきました、地面に落ちました。なんて洒落にならないからね。さすがの僕でも殺されてしまうよHAHAHA。


◇◆◇◆


  感情を消して掘り続け、トロルさんが暴れ回っても地面が陥没しないように細工して、その上に土を被せる。外見は今まで通り。土を被せてから、街で買ってきた、タイルを置いて見栄え良くします。普通の土を被せただけではぶしょったいんで。

「うん、これでいい・・・かな?」

  異世界に来て作業スピード上がったのかな?日本にいた頃なら相当時間をかけないとここまではならないから・・・。

「キアラたちはまだ帰ってこないか・・・」

  そろそろ日が沈む頃だけど・・・大丈夫だろうか?颯馬とトロルさんは野郎だし、ランルカにはルシウスとシアンがいるけど・・・キアラ一人で行っちゃったからなぁ・・・。帰ってきた颯馬に怒られたりしないだろうか・・・。

  ・・・っと、噂をすれば

  トロルさんと颯馬が帰ってきたみたいだ。
  早かった。二人が全力で走ればこんなものなのかな?

「うっす、帰った。・・・ほかのヤツらは?」

「キアラは僕のお使い、ルシウス達はまだ狩りから帰ってきてないよ」

「そうか・・・」

「・・・・・・それで・・・さ。それ、なに?」

  颯馬さんとトロルさんが帰ってきたのだが・・・・・・

「ん?あぁ、コレ?魔王」

  ・・・魔王をお持ち帰りになっていた。



  ・・・・・・・・・




「・・・何してんのぉぉ!?」

  馬鹿かお前らはっ!
  頭おかしいマンかよっ!なになに?君たちは王様に呼ばれて王都に行ってきたんだよね!?なんで魔王様をお持ち帰りしてるんですか!?魔王ってあれだよね!?魔物達の王ですよね?人類の命を脅かす存在のォ!ボロボロだぞ!そこかしこに痛々しい打撲のあとが!それになんか白目剥いてるんですけど・・・!それ一度間違いなく痛めつけたパータンでしょぉ!何してんのよ・・・恨まれたりしない?魔物達に恨まれたりしない?ってか、ちょくちょく手足が痙攣してるってことはまだ息してるんだよね?早く殺してよ・・・

「通りかかった森のところで集会してた魔王をしょっぴいて連れてきた。ミアの街を襲おうとしてたみてぇでな。しゃーないしゃーない」

  しゃーない、じゃないよぉ!
  バカタレェ!
  せめて、せめて殺そうよ・・・。復讐とかに巻き込まれたくないんですけど。颯馬さんのお土産まじ迷惑なんですけど!

「まぁ安心しろ。こいつのための仕事もある」

  そういうことじゃねぇよ。
  その魔王の仕事なんてどうでもいいよ!

「実はな、キアラが野菜を育てたいと言っていたのを思い出してな。いっその事畑でも作っちまえば?と考えたわけだ」

「・・・・・・まさか?」

「そう、このオークに畑の世話をさせようと思う!」

  こいつ、僕よりも知能が低下している・・・だと!?
  そして、颯馬の案に対してウンウンと頷いているトロルさんもお馬鹿に!?

「と、言うわけでだ。この広い土地の一部を畑にしてくれ」

  王都に行ってなにをされたんだ・・・。ここまで馬鹿だったなんて。もう僕らのパーティーは終わりなのかもしれない・・・。

  ん、でも待てよ?
  畑ならば・・・

「地下でもいいならあるよ?」

「あ?地下だ?」

「今日作ったんだよね。」

  光は天窓にすれば入れれるし、風で作物がやられることも無い。日本にいた時は各所からグチグチ言われて達成出来ていなかった地下作物だけど、異世界ならば問題ないよね。
  
「そうかそうか。んじゃ、この魔王はここに置いてくから。あと頼むわ」

「ぶちのめすぞビチクソ野郎が」

  つい内心どころか、本音がだだ漏れとなって声に出てしまったよ。いやはや、困ったものだね。
  この男は僕が『殺してくれ』って言うほどの怪物をだよ?『頼むわ』の一言で親友に押し付けるなんて。エリアス駄女神が許してもお兄さんは許さないぞ。

「そもそもだね、颯馬。僕らは美少女を仲間に迎え入れるべく奮闘しているわけだよね?」
「そうだな」
「なのに、なぜ君は毎回こうも変なのばっかり連れてくるのかな?」
「さぁてな・・・。それは神にしかわからない事だろう?」
「僕の知っている神様は君が使役している駄女神なんだけど・・・?」

  ・・・なぜこうも、この男は毎回期待通りのことをしないんだ?
  いつも連れてくるのは問題児か、人外か・・・範囲外ばかりだ。まさか、僕に恋人を作らせない気か?
  ・・・いや待てよ?今までの颯馬の行動をこのパーティーで一番知っている僕だから分かることがある。この男は、僕が寝ている間や、物作りに没頭している間、この世界をその神速で見て回っている。その過程でこいつは、何人もの美少女に会っているはず。・・・・・・なぜその少女達をこのパーティーに招き入れようとしない?

  このパーティーにいれなければ、こいつ自身も恋人ができ――待てよ?この男が僕に隠し事をしていないとも限らない。こいつは無駄に頭が回る。

  ――っ!まさかっ!

  こいつ既に、恋人がいるのか!?そうなっていなかったとしても、美少女とそこそこいい関係を作り出せている!?
  パーティーに呼ぶ必要が無いのはもう十分だと思っているからか?・・・ありえる、ありえるぞこの男。


「貴様のような勘のいい男は嫌いだよ」


  そこまで考えて、僕は咄嗟に体を横に倒し、顔面に迫ってきた一撃必殺の拳を避ける。この野郎とりにきやがった・・・!
  一撃を避け、足を半歩前に出してから思いっきり後方へと跳ぶ。もたもたしていれば二擊目がくる。

「貴様、もう狙いを定めたのか・・・!」

「避けたか・・・一撃で逝ってくれれば楽だったんだがな・・・・・・」

  こいつ・・・!

  またも一人だけ抜け駆けしようってか・・・!許さないぞ僕は!勝手に一人で恋人を作るなんて!この僕が許さない!

「颯馬、君の腐ったその頭をたたき起こしてあげるよ。貴様が女の子に囲まれる未来なんて僕が潰してやる!」

「ほざけっ!お前如きがこの俺に楯突くなんざ100年はえぇってことを教えてやらァ!」

  右ポケットに入れていた散弾銃(ミニ)を素早く取り出し、やつが動く前に弾幕を張る。なるべく多く、そして広く。


「はっ!」


  だが、その散弾も颯馬の気合いだけで地に落ちる。
  しかし、それも想定済みだ。颯馬がチートなのはよく知ってる。だから、それに合わせて僕の戦い方も変化させればいい。

  散弾は単なる時間稼ぎ。

  僕の狙いは・・・・・・
『集中』っ!
  これだ。

  目と耳がよく働き、その他の感覚が一切反応しなくなる。世界は遅く、思考は早く。敵の位置や現状を優れたその二点で把握する。颯馬の速度は異常だ。僕が集中を使っても対応できるかは分からない。
  全て、この遅くなった世界で一秒前に行動する。

  颯馬が僕の目の前に現れた瞬間、こいつが下から上へと拳を持ち上げ、僕の顎を狙う前に、今、特殊な装甲をつけている右拳を半身になった颯馬へとぶち当てる。


「なにっ!?」


  こいつのことは僕が一番知っている。それこそ、黒田の一族よりも。こいつの行動パターンは読み切っている!
  ちょっと速くなったからって調子に乗るんじゃありませんよ。

  さっき使った装甲は補助装置のようなもの。本当は体の不自由な人向けに開発してた運動能力の補助装置だったんだけど、これはその過程で失敗作が出来たのを改良したもの。エネルギーの循環を補助するのでは無く、その装甲内部のみで新たなエネルギーの循環を生み出す。新たに作られたエネルギーを小爆発させて、無理矢理体を動かす。生身の方がちょっと筋肉痛になるかもだけど、元々あったエネルギーの循環組織を痛めることなく力を手に入れられるので、ピンチの時は使える品。・・・多用し過ぎると体を痛めるので注意ね!

  この科学と魔法を同時に手に入れた僕の力の前でひれ伏すがいいさっ!


◇◆◇◆

◇キアラ視点

  またお二人が馬鹿をしています。
  颯馬さんが帰ってきたとご近所さんの噂を聞いてトコトコと帰ってきたわけですが、再開する前に相馬さんと白金さんがバトルを始めてしまったのです。

  あ、私はきちんと仕事を終えてきましたよ?過去の友人達の元へと空間魔法や暴風魔法を多用して行きました。結果は上々と言ったところでしょうか。何度か宮廷魔法師に戻ってくれと言われましたが丁重にお断りさせていただきました。今の私達は貧乏ではないですし、なによりも、自由がありますからね。

  まぁそんな風に再び勧誘を受けたり、気持ちの悪い貴族に言い寄られたりと、私の顔を知っている人間に声をかけられて苦労はしましたが、なんとか仕事を終えたわけです。

  私が苦労して戻ってきたというのに、お二人は戯れています。ムカッときちゃいましたね!
  私は最近、トロルさんの言葉が少しずつ、本当に少しずつですが、分かってきました。そして、現場を見ていたトロルさんの話を聞いたのですが、本当におバカな二人でした。魔王をお持ち帰りするのはもちろん馬鹿なんですが、その後にどうしたら恋人がどうこうの話になるんでしょうかねぇ?

  そ、れ、に!颯馬さんに恋人!?巫山戯るのもたいがいにしていただきたい!い、一番近くにいるわわわわわわ私のことを!放っておくなんて・・・・・・あ、いや、別に私が颯馬さんのアレになりたいだなんてお、思ってませんよよよ!?わ、私にはシアンちゃんやルカちゃんがいますもの!颯馬さんが入る余地なんてあ、ありませんからね!で、でも・・・颯馬さんに恋人なんて・・・ひゃ、ひゃくねん早いのです。

「・・・なんですか?トロルさん。文句ありますか?」

  その「オレは分かってるよ」みたいに腕を組んでウンウンと頷くのやめてもらっていいですかね?何もわかってないので。

――ウ、ウゴ?・・・ウゴウゴ!

  いや、素直になれよって・・・違いますから。そういうんじゃないですから。
  その片目を閉じて親指を立てるのもやめてください。

  はぁ、もういいですよ。

「お二人共!ご飯の時間になりますので、すぐに戻ってくるんですよぉ!・・・トロルさん、行きますよ」

――ウゴウゴ

  あーあ、忙し忙し~。



―――――――

はたつばです。

魔王の使い道、農夫です。

彼こそが畑の番人。一家に一人いれば、野菜の値上げにも恐れることは無い!
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