異世界に来たら勇者するより旅行でしょう

はたつば

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第二章 王国防衛戦

第二十六話 王国の危機

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◇第三者視点

  数日前帝国による『絶望深淵のダンジョン』攻略が行われた。
  それにより多数の死者が出たものの、優秀な武具を何点も持ち帰っていた。
  その噂は様々な地へと届き、連日『絶望深淵のダンジョン』には多くの冒険者が訪れた。すぐ近くにある大国、ネメシス王国もまた『絶望深淵のダンジョン』には稼がせてもらっている。ダンジョンに向かう者、帰還者など関連する人々がネメシス王国へと訪れ、国施設を利用しているのだ。

  ありがたい事なのだが、それにより国の中枢は大忙しだ。国王はなぜかすぐに仕事を終え、暇しているのだが、宰相や経理などはここ数日睡眠なしで働いている。

  国王も手伝いたいのだが、王として以外の仕事をした事がないため、邪魔だろうと思い断念した。黒田楓から貰った神級に匹敵する指輪を付け、毎日訓練場やネメシス王国魔法騎士学園を訪れている。兵士や教師、生徒からしたらたまったものではない。自分達の最上位の上司の前で毎日訓練や授業をしているのだ。失敗したら人生が終わる。そんな緊張感の中毎日を過ごしていた。

  そして今日もまた、そんな日が始まる。

「皆調子はどうだ!!今日も素晴らしい一日が始まるぞぉ!全校生徒一致団結し素晴らしい学校作りをしていこうじゃないか!」

  国王と負けず劣らずの筋肉を持つガチマッチョ教師が集会の挨拶を行う。毎日同じ内容なのだが、声がでかいので誰も寝たりはしない。
  ちなみに言うと国王が見ているからではない。これが彼の通常運転なのだ。

「はっはっは。相も変わらず彼は元気なのだな。良いことだ。他の者も見習うといい」

  朝礼が行われている魔法騎士学園の大訓練場。生徒達が列に並んでマッチョの話を聞いている。その後で国王は腕を組んで学園長と共にマッチョについて話していた。

「そうですねぇ。彼は本校の英雄であり生徒達からの人気もある。とてもいい先生ですよ」

「成り上がりの超精鋭。マクベスとも旧知の仲だそうだな」

「えぇ。彼らは同期ですし、その頃から一緒にいましたからね。彼は天才だったマクベス君とは真逆。最底辺の凡人。そこから弛まぬ努力、異常なまでの力への執着によりネメシスの精鋭に名を連ねるに至った……」

「あの世代は凄まじかったな。現在のネメシス精鋭の中の五人はあの世代だからな。学園長のおかげで彼らは道を間違えなかった。その点は感謝している」

  しみじみと昔話を語る二人のじじい二人。

「……そう思うのならもっと給料くださいよ。感謝の気持ちは形にせねば意味がありませんよ?」

「そういうな。我々も金銭の面では今大忙しなのだ。そのうちダンジョンの収益が国民にも向かう頃だろうさ。そうなれば多少はくれてやる」

「……頼みますよ?僕への給金の大半が学園に吸収されていて妻もかなり怒っているんですから」

「魔女が怒ってるのは俺のせいじゃねぇだろ。伝説の超騎士様なら闇魔女をきちんと制御してくれよ?」

「無茶言わないでくださいよ。彼女の機嫌を損ねて殺されるのは俺なんですよ?」

「お、終わったな。俺は息子に会ってくるわ。魔女のことは頼んだぞ~」

  国王は無理矢理話を切り上げ、訓練場出口へと向かう。かなりの早足だ。スタスタと歩く。

「あ、ちょ、待ってくださいよ!」

  学園長は慌てた様子で国王の後を追っていった。
  こうして教師達の地獄の第1ラウンドは終わりを告げたのだった。
  そして教師達の心は一つとなり、

(((話しなげぇよ筋肉ダルマァ!)))

  ある一人のマッチョ教師への苛立ちを心で唱えていた。



  場所は変わり、ある生徒達の教室。

ガラッ!

「邪魔するぞ~。見学だから好きにやってくれ」

  いきなり教室に入ってきてこのセリフ。勿論ネメシス王国国王である。もう数日はこの調子なので誰もつっこまない。

  2-A教室。魔法騎士学園の2年生の中で飛び切り優秀な生徒のみが集められる教室だ。その中には国王の息子、大商人の娘、異世界の勇者などがいる。
  戦闘タイプでない勇者達は別のクラスで、この世界の常識を学んでいる。
  そして戸塚義樹だけが、王国勤務となっている。

  伊野光輝や雪のような戦闘型はこの教室で様々な物事を学ぶ。主に国の中枢に入る為の勉強と戦闘知識なのだが。

「父さん、何度も言っているでしょう?帰ってください。授業の邪魔です」

  国王の息子である生徒が国王に近づきそう言う。
  対する国王はというと……

「いいではないか。実を言うと暇なのだ。退屈しのぎさ」

「……帰ってください。僕もみんなも父さんに構っていられるほど暇ではありません。父さんは兄さんの方にでも行ってはどうです?」

「……アイツ、メンドイ。トウサン、ハナシタクナイ」

「ふざけないで下さい。彼は次期国王候補なのですよ?」

  国王の息子、優秀な弟『レオン・ネクシー』とボンクラな兄『バホカア・ネクシー』。

  バホカアは人間として終わっている。怠惰で女好きのクズ人間。
  対してレオンは魔法騎士学園一の天才。知識も武術も魔法も、全てが教師レベルという優秀さだ。

  国王はこの二人の違いが分からない。教育の上で違ったことは無い。バホカアもレオンも幼少期は同じような教育をしていたつもりだった。だが、現在二人は全く違う道を歩んでいる。

「レオンが国王になっておくんなまし」

「嫌です。僕は卒業後戸塚さんの下につきます」

「戸塚義樹か……。もうあいつでもいいんじゃね?……貴族共が邪魔するか……?」

「大丈夫です。戸塚さんなら貴族にも民にも利益のいく国を作り上げると思います」

  レオンは現在戸塚義樹の従者の1人となっている。この国の副団長と国王の息子を従者とする戸塚義樹は国王の中でも特別な存在であった。
  レオンの戸塚を見る目は信者のような印象を受ける。なにが彼を戸塚信者にしたのか……。それを知る者はレオンと戸塚義樹だけである。

「そんなことよりも父さんは早く帰ってください」

「だが断……」
  黒い服の男が一瞬にして国王の前に現れる。

「借りてくわ」

  そして消える。
「……帰った……?誘拐か?」

  国王が黒服を着た時空系魔法使いにより連れていかれた。
  普通なら大問題で、すぐに緊急事態として動き始めねばならないのだが……犯人がわかっているので、問題ないだろうと判断した。誰も国王拉致については戸惑いを見せない。

  そのかわり……

「楓!!」

  雪がここにいないあの化物の名を呼ぶ。
  お察しの通り黒服の男は黒田楓だ。
  国王への反応はないが黒田楓への反応が凄まじい氷河雪。顔を見ていないはずなのに一瞬の間で黒田楓と分かった雪。これは愛の力と読んでいいのだろうか……。

「楓……。あの国王……。楓と密会なんて許さないっ!」

  いやこれは異常だろう。
  彼女の愛がこの調子で育てば、国王の命が危ない。黒田楓には勇者雪と会ってもらわねば困る。そうレオンとクラス全員の心が一致した。



◇楓視点

  国王回収完了。

「楓!?貴様またっ!!」

「黙れ。今回は危機を伝えに来てやったんだ。感謝してくれよ?」

  そう。今日俺達が遊んでいた時……

「魔物の大群がこの国に向かってきてる」

  どこから来たのかは分からないが、とりあえず来てる。やばいのだ。なにがって?数がだよ。

「……どういうことだ?冗談なら趣味が悪いぞ」

  いくら俺でもこんな所でこんな状況で嘘は言わん。

「少し上に飛ぶぞ。落ちたりはしねぇから安心しろ」

  国や草原が一望できる程の高さまで転移し、変身で体から翼を出して浮遊する。
  そこから見えるのは平和で賑やかなネメシス王国。禍々しいオーラを出しながら挑戦者を招くダンジョンの入口。そして……

「……なんだあれは……」

  群れを成し、猛スピードでネメシス王国へと攻めいろうとする魔物の大群であった。

「数は二万。レベル300以上が二千。100から200代までは五千。後の一万三千は雑魚どもだな。雑魚でも数の暴力は侮れんぞ」

「……やばい。やばいな……。急いで民の避難を……!!」

「どこにだ?後方に移動しても巻き込まれて終わり、国内でも同じだ」

  この数は面倒だ。俺でもこれだけ数がいると、漏れが出るだろう。全滅させるのは厳しい。

「……お前のダンジョンに避難することは可能か?」

「……マジで言ってる?」

「大マジだ」

  こいつ避難場所に絶望蔓延るおれのダンジョンを指定しやがった……。いやいい方法ではある。でも……

「安全地帯の増築をしろってことか?」

  俺達の生活空間を広くする。それはダンジョンの力を使うということだ。冒険者を呼び込んでために貯めたダンジョンポイントなるものを使用しなければならない。階層を増やすにはかなり多くのポイントを使うことになる。それはなるべく避けたい。今のダンジョンは全百層を超えている。階層を重ねれば重ねる程ポイント消費はでかい。ダンジョンの命を削るのと同じことなのだ。

「頼む……。礼はする」

「お前に何が出来る?お前が俺を動かすだけのものを用意できるとは思えないが」
 
  最強クラスの武具を無限に作れる。家やマンション、空間すらも創造可能な俺に対して何が出来る?
  俺達が出れば国に辿り着く前に魔物全てを蹴散らせるだろう。だが、ここは俺たちの出る場面ではない。俺達のような人外に期待するような国ではダメなのだ。そうでなければ生き残れはしない。この国は潰れる。

「奴隷や大商人との繋がり……では駄目か?悪いがそれ以外は思いつかない。俺がお前に対して贈れるものなど人脈しかない。……頼りない王だよな」

  ……はぁ。この王は本当にアホだな。この男は民を愛しすぎている。大切な国民を救う為に導き出した答えが人脈を贈る……か。

「あぁ。お前は駄目な王だ。だが避難だけはさせてやる」

「……はっ?」

  受けるとは思っていなかったのか間抜けな声を出す。 
  元々俺はどっちでも良かったのだが……この王は面白いと思った。俺が気に入る国の王だけはある。
  ダンジョンポイントはかなり痛い。本当に痛い。しかしそれで見捨てるというのは面白くない。潰すわけにはいかない。

「いいか国王。俺に頼ったんだ、必ず国を守り抜いてみせろ。俺はこの戦いには参加出来ない。理由は言えない」

「……分かった。民だけは頼む。一人でも欠けてはならないのだ。民の悲しむ顔を見たくないのだ……」

  それを受け入れてこその王。戸塚だったらそう言うのだろうな。でもそれを受け入れないからこそ、この王は全ての者から愛されている。戸塚には唯一足りないものとも言える。

「任せろ。でも国民への説明はお前がしろよ?俺はしたくない。めんどくさい」

「無論そのつもりだ。早速行こう。城の方に移動してもらってもいいか?」

「『転移 』」

  空中から城の中へと移動する。城の頂上。国の大部分が見えるその場所はよく目立ち、国民からも見えやすい。
  風にあたるベランダような場所に国王が移動する。今の国王はかなり威厳ある姿だと思う。

「民よ!!!聞いて欲しい!耳を傾けて欲しい!」

  大きな声。爆音とも呼べる声で話し始める国王。……声でかっ!
  指輪の力で若かりし頃の力を取り戻した国王は腹から出るその声に自分でも驚いていた。

  声は国民の耳にもハッキリと届いていた。国民のほぼ全員が国王を見る。愛されている証拠だろう。

「落ち着いて聞いてくれ!今この国に魔物の大群が攻めいろうとしている!!」

  初めにこの国に迫る脅威を述べる。
  当たり前のように国民たちは騒ぎ、取り乱し、逃げようとする。

「落ち着け!!!これより避難を始める。その避難場所はある男が提供してくれた!!今から時空魔法による転移を行う!異論は認めない!!」

  国王が俺に合図を送る。「転移をしてくれ」と。
  ここでか……。無理矢理過ぎるが、それでこそこの男か。

「我は空間を支配し、道と未知とを繋げる役割を果たす者なり」

  右手を突き出し、転移の対象を定める。
  むむむ。やはり強制転移を大人数やるとなると大変だな。国王が話している間に作り出した新たなる階層。俺達の生活拠点の一つしたの階層。そこに纏めて移動させる。

「越えろ、越えよ。空間を、時間を、世界を超えろ『転移』!」

  大国から兵士を除いた全ての国民が消えた。


「国王、これでいいんだな?」

「勿論だ。あと二回、転移をしてくれ。ダンジョン内へと飛ばされたものへの説明。それと兵士達とも話さねばならない」

「分かった。転移」

  それから俺達はダンジョンにいる国民たちと、国を囲む壁の向こう側に集められた戦闘員の元へと向かった。

  国王は限りなく被害を少なくしてみせると国民に宣言し、その後戦闘員達へと頭を下げていた。

  魔物の大群はもうすぐそこに迫っている。早めに行かないとまずいぞ?
  俺達なしでどこまでやれるか、見せてもらおうか。




ーーーーーーーー
はたつばです。
急展開で申し訳ないです。
はたつばがこの回を出すことを我慢できませんでした。

次回、戦闘開始です。黒田楓を封じられた彼らがどこまで戦えるのか、なぜ楓が戦えないのか。お楽しみに!
次回更新は明日か明後日十二時です。
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