異世界に来たら勇者するより旅行でしょう

はたつば

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第二章 王国防衛戦

第三十二話 対峙と終幕

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◇第三者視点

  その男。『ディス・テラシウス』は一体の魔族を追う。
  彼の愛するネメシス王国に訪れた一体の不届き者を退治するために。

  自分で吹き飛ばしたのだが、やりすぎたかと内心焦るディス。
  ネメシス王国に訪れる厄災にはきちんとお灸を据えてやらねばならない。この程度で死んでしまっては彼としても拍子抜けだし、なによりつまらない。 

  自分の教え子であり、この国の最強であるマクベスがいない間は自分がこの国を守る。
  彼の信念であり、現在の生き甲斐でもある。
  この国で最も歳をとっている偉人である彼は自分に一つの役目を課した。
  それは
『若い世代を守り、この国が繁栄していく為の盾となる』
  ことだ。
  彼は初代ネメシス王国国王と共にこの国を作りあげた。
  千年も前のことだ。その時、同時に作ったネメシス王国魔法騎士学園。当時から学園長として若い世代を守り続けた。
  現国王も、その前の国王も彼の教え子であり、国の英雄と謳われる者達も彼の教え子だ。

  そうして彼は人々に生きる術を教えたのだ。
  千年の時を生きた彼は大量の魔物を、人を殺してきた。
  彼は王国を護るためなら教え子さえ手にかける。
  そして、今回の魔族も例外ではない。

  自分で殴り飛ばした魔族をただひたすらに追うディス。
  障害物を貫通して真っ直ぐ飛んでいった魔族は王国から遥か離れた地で地面に擦り付けられ、ようやく止まった。

「……ててて。くっそなんだあいつ……!俺の集めた火竜も全て落ちてるし……!」

  魔族の男は忌々しげにそう吐き捨てる。
  切った口から出た血を拭って王国の方を睨みつけると……

ゴッッ!!

  突如として右腕が吹き飛んだ。
  一瞬のことすぎて何が起きたのか判断出来なかった魔族の男だったが、右の肩から先が無くなっていることに気がつくと、痛みが湧き上がってきた。

「がッッ!アァァ!!なんだ!何がッッ!!」

  右の肩からドバドバと血が流れでる。
  普通の人間なら出血多量で死ぬのだが、魔族の体は人間のものよりも優れており、それくらいなら命に関わりはしない。

  魔族の男はすぐさま傷口を焼いて、出血を止める。

「はぁはぁ……なにが起きてんだよ」

  何気ない彼のつぶやきに、どこからともなく現れた飄々としたおっちゃんが応える。

「僕に腕を取られただけだけど?」

  魔族の男は気配の感じられなかったその男に警戒するが、その男の手を見て目を見開いた。
  その男は自分についていたはずの右腕を掌で弄んでいたのだ。

「っ貴様ァ!!」

  魔族の男は激昂し、自らを炎の渦で隠す。
  炎の渦は天高く登り、その後爆破する。

  すると、魔族の男だったはずのものは、一匹の竜に変わっていた。

  ディスは魔族ではなかったのか?と首を傾げる。

  魔族の者の中には魔物の姿に形を変えるものがいるが、彼はそれではない。
  彼は魔物であるが魔物ではない者、唯一無二の強さの象徴、竜の姿に変わったのだ。
  条件に合う種族は一つしかない。

『竜人族』
  人と付いているが、その性質は人ではなく魔族に似たものがある。竜の血を引く一族で、その祖先である竜の種によって特徴も、戦闘方法も大きく変わる。変わった種族なのだ。

  彼はその中でも好戦的とされる『火竜』の一族。
  赤い鱗、鋭い爪、火の息。竜種の威厳ある姿。

  ディスは確信する。この竜人が火竜達を誑かしたのだと。
  笑顔のままだが、青筋を浮かべるディス。相当お怒りのようで、彼の周辺の空間が揺らめいている。

ーー許さんぞ人間ッ!!グルァァァ!!

  片腕を失った火竜はそう吠える。
  火竜は激昂しているが、ディスも負けてはいない。

「僕の台詞だ。決して許しはしない。ネメシスに攻め入るならば死を覚悟しろ……!」

  ディスもまた激昂しているのだ。
  彼がネメシスを攻められて怒らないはずがない。

ーーグラァァ!!!!

  火竜は空中に炎の魔法を発動させる。
  火の槍が無数に生まれ、ディス目掛けて飛んでくる。

  なんの装備もしていない中年オヤジは半身になり、火の槍を迎え撃つ。
  この時点で既におかしいのだが、彼の非常識は止まらない。
  一撃目は火でできた実態のない槍を、右手で軽く触り受け流す。二発目を頭を下げて避け、次を左手で掴み取る。掴んだ槍を次の槍に当てて無効化する。
  数十発を捌ききった所で、さすがに人間としての限界が来る。
  彼の頭に槍が当たる。その一瞬前、槍は突如として消え去り、彼の頭を通り過ぎた先で現れ地面にぶつかり、爆破した。

  確実に仕留めたと思い込んだ火竜は火の槍を撃つのをやめてしまい、ディスに間を詰められる。およそ人とは思えない超次元の速さで近付いてきたディスに慌ててブレスを放つ。

  次こそやった。そう火竜は思った。
  だが、世の化物たちはそう甘くない。
 
  一直線にのびて火竜のブレスはディスの目の前で急に屈折し、別方向へと逸れてしまった。
  その先を火竜は知らない。
  彼がブレスが逸れてしまったと気付いたのは彼の首と胴体が離れた時だったからだ。
 
  ディスは地面に着地し、手で体をはたいてホコリや土を落とす。

「ふぅ。これでおしまいかな。……あとは……」

  その場から彼の姿は消え、ある二人の男の前に現れた。

  一人は高身長の美丈夫。見るからにイケメンで、程よくついた筋肉により男らしさが目立つ。
  もう一人は全身黒の軍服を着た若い男。キリッとした顔立ちなのだが、片手にポテートチップスを持っているとキレ者の印象は受けない。残念系である。

「来たか。初めましてだな『英雄の師』様。俺の名前は『黒田 楓』。『絶望深淵のダンジョン』のダンジョンマスターだ」

「儂は絶望竜。お主とは漆黒竜時代に戦ったはずだが覚えておるか?」

  そう、化物の黒田さんとお届け屋さんの絶望竜さんです。
  この二体の化物の前に来たディスは内心で少し後悔する。
  最初から最後まで何者かが覗き見ていることを知っていたが、ここまでの化物とは思わなかった。千という長い時を過ごしてきたディスが恐怖するほどの強者。

  ディスは少し緊張しつつも話を進める。

「初めまして。その様子では知ってるとは思いますけど僕の名前は『ディス・テラシウス』です」

「うむ。それで?何のようだ?俺達もそろそろかえりたいんだが」

「じゃな。早くマリーの飯が食いたい」

  実は二人共空腹で少し苛立っている。
  火竜が思ったよりも簡単にやられてしまったので、つまらなかったというのもある。

「いえ、ご挨拶と一つ確認をと思いまして」

「確認だ?」

  死と隣り合わせの状況でも決して面に出さない。彼が持つ千年の経験のおかげだろう。

「はい。あなた方が敵であるかそうでないかの確認です」

  殺気を放ちながらディスは二人を観察する。
  
「ふむふむ。敵ならばここで殺り合うか?死ぬのはお前だぜ?俺達なら一対一でもお前程度なら余裕で殺れる。それと殺り合うってか?」

  黒田楓もまた、化物の殺気をディスに叩きつける。
  しかしそれでもまだディスは怯まない。
  楓の言う通り、戦力差はかなりある。それでも彼の愛国心は折れない。せめて腕の一本でも、そう思っている。

「殺りますよ。たとえ僕が死んでもあなた達を退けることが出来るのならばっ!!」

  ディスは更に殺気を濃密なものに変え、楓達を睨みつける。

  楓は怪しく笑っている。
  
  これでは悪役だ。というかこの人が今まで世界を破壊しなかったこと自体が不思議なくらい悪役だ。ハマりすぎである。

  ディスにもその怪しい笑顔から完全に敵だと思われている。
  
「いや、あのね。俺は敵じゃないんだけど?」

「黙れ小僧。僕は君らから自国を守る。その為に今ここにいる」

  勘違いだ。
  見事なまでに勘違いしている。
  そして優しそうなおっちゃんの顔ではなくなっている。知り合いの子供が見たら泣き出しそうだ。というか学園の生徒でも泣くと思う。

 そんなディスを見た楓は 一瞬ムスッとして、手をグーパーグーパーする。
  数回開いたり閉じたりすると、ニタァと笑う楓。
  悪いことを思いついた時の顔だ。それを見た絶望竜は最悪だと後悔する。楓の顔を見て一瞬で理解した。
  やる気だと。
  守護者の育成は終わり、あとは進化だけの状態だ。
  つまり、元の力が戻っているということ。

  この男を殺してはならない。

  そう楓に耳打ちするが、楓はニタニタ笑って聞きやしない。

(頼む楓。王国にはこの男が必要なんだ…… !)

(んなことは分かってる。殺しやしない。少し痛めつけるだけだ)

(楓の少しは少しではない……!半殺しじゃろう!) 

(じゃぁどうすんだ?完全に敵だと思われてるぜ?)

  どうしようもない。これも現状だ。
  楓が半殺しにして説得する。この状況を打開するのに一番簡単な策ではある。いくらディスが強くても楓の前では弱き者。守ろうとすることすら無駄なこと。それを分からせてからでも遅くはない。
  楓はそう考え、自分の空間に無数の武器を創り出しながら絶望竜と話している。彼の創造空間では現在進行形で武器が物凄い速度で飛び交っている。脳天ズドンの準備は出来ているのた。

(俺はいつでも殺れるぞ?それが嫌ならお前が解決しろや)

(ぐぅ……分かった……。少し待っていろ)

(嫌だ。待たない。先に帰ってるわ)

  我が儘な子供と化した化物氏。

  最強の化物は我慢という言葉が嫌いなのだ。我慢の末に後悔したことが何度もあるから。彼は自分の思い通りに物事を動かすだけの力がある。戸塚義樹とは違う力。全てを一人で解決できる力。それを持っていてなお失敗した。彼は世界最大の大罪を犯したのだ。世界最大の不利益であり、人類最大の利益でもあった事件。それは我慢という言葉が引き起こした事件でもあった。故に彼は我慢が大嫌いだ。

  楓は絶望竜とディスに背を向けて手を適当に振って消える。

「……彼はどこへ?」

「……帰りよったよ。ガキかあの馬鹿は……」

  絶望竜も呆れる始末である。

  ディスは変わらず殺気を放ち続けているが、絶望竜は知らんぷりだ。というか神竜へと至った彼からしたら人間の放つ殺気など効きやしない。楓は自他ともに認める化物なのでノーカン。

「あなたはどうするんですか?」

「ここでお主を説得できればいいんじゃがな……」

「……あなた方は敵ではないと?」

「そう言っておったんじゃが……」

  ディスは話を微塵も聞いていない。というか楓がいた時は聞く気すらなかった。
  話を聞くようになったのも敵が一人減って心に余裕が出来たからだ。勝てないことに変わりはないのだが。

「では聞きます。あなた方は味方なんですよね?ならばなぜ防衛戦に参加しなかったんです?」

  説明しにくいことを聞く。

「……力を失っていたからだな。今は力も戻ってきてすこぶる快調じゃが」

「それを信じろと言うんですか?」

「こればっかりは信じてもらうしかないんじゃよ……。出来ないなら儂かさっきのバカがお主を殺すじゃろうな。お主の固有魔法もすべて知っているしな。負ける気がせんよ」

「……。」

  ディスは黙っている。見定めているとも言える。死ぬ覚悟もできている。だが……

「……取り敢えずは信じます。話が進まないので。あなは何者ですか?」

「……絶望竜じゃ」

  さっき言ったはずなのに……
  そうボヤきつつもきちんと言う真面目さは彼の美点だろう。

「聞いたことないですね。竜種の中でもかなり上位の存在だと言うのは伝わってきますが、絶望竜というのは初めて聞きました」

「じゃろうな。つい最近進化したばかりでな。元漆黒竜じゃよ」

「!?漆黒竜ですか!?それに進化って……」

「まぁ儂も分類上では魔物じゃからな。進化くらいはする。お前と戦った時より数百倍は強くなってるぞ」

「でしょうね。しかしそうですか、漆黒竜だったのですね。人の姿だったので分からなかったです。友を疑ってしまうとは申し訳ない」

  絶望竜とディスはかつてダンジョンで戦った。
  その後意気投合し、酒を酌み交わした旧知の友となったのだ。それもあり、絶望竜は楓がディスと戦うことを拒んだ。友が半殺しにされるのを静観できるほど彼は非道な男ではない。だが、楓と戦えば自分も巻き添えを喰らう。それもいただけない。友と化物に板挟みされていた訳だ。かわいそうなおじいちゃんである。

「ダンジョンの件はありがとうございました。漆黒竜のおかげで人の育つ国になりましたよ」

「そうか。それはよかった。……今はもうランクが跳ね上がってしまったがな」

「ダンジョンマスターが変わったそうですね。……まさかさっきの彼が?」

「実はその通りでな。能力は非常に高いのだが、少々性格に難があってな……。いいやつなのだが、まだ若くてな」

  楓が聞けば、お前に何がわかると怒られれそうだが、いないからいいのだ。バレなければ何をしてもいい。それが世界共通のルールなのだ。

「そうですか……。ですがお二人共本当に敵ではなかったんですね」

「あぁ。安心しろ。寧ろ楓は王国を気に入り、武具を贈ったりもしているぞ。王国が勇者達に下手なことをしなければ奴も敵にはならんよ」

「わかりました。勇者は僕が守っておきますよ。それに彼らは僕の学園の生徒ですから」

「頼むぞ。儂も楓を気に入っているのでな。楓が本気で国を潰すと言えば儂も全力をもって王国を消しにかかることになる。お主とは殺し合いたくはないしな」

「ええ、僕もですよ。僕の教え子たちが束になってもあなた方を足止めすることさえできないでしょう。マクベス君がいても彼を止めるのは難しいでしょうから……」

「楓と戦うのはオススメしない。アレは儂等とは別種の生物じゃ。儂はそれを今日実感した。いいかディス。この世には手を出してはならない世界というものがある。楓はそこの住人だ。この国を、世界を守りたいなら敵対はするな」

「異世界の者全員がですか?」

「違う。異世界から来たのは楓だけだ。そもそもその世界の住人達は一つの世界で扱えるものでは無い。楓とそいつらが戦うとすれば、いくつもの世界を破壊しながら、戦うことになるだろう」

「……あなたは一体何を見たんですか?」

  絶望竜のひどく真面目な表情に疑問が深まるディス。

「さぁな。儂には理解出来ないものだった。それしか分からん。……まぁとにかく楓の標的にならないようにするんじゃぞ?」

「は、はぁ。わかりました。……僕はそろそろ帰ります。長く王国を離れるわけにはいきませんし、心配をかけるのもよくありませんから」

「あぁ。わかった。……よろしく頼む」

「はい。また会って思い出話でもしましょう」

「うむ。じゃぁな」

  ディスの周りの空間が歪み、ディスの姿を消した。
  それを見送ると、絶望竜も闇の中へと消えていった。

  こうして王国防衛戦は王国側の圧勝という形で終わりを告げたのだった。
  ぶっちゃけ楽勝だった。


◇???視点

  はぁ。やられましたね。まさか『ディス・テラシウス』がまだ生きてたとは……。
  彼は純人間だと聞いているんですがね。人の寿命が千年もあるはずがないんですけどねぇ。

  まぁいいです。次の策へとうつりましょう。なるべく彼らには気づかれないようにしなければなりませんね。
  それに最後に見たあの二人も気になります。

  次は邪神様の復活にもっと近付ければいいのですが……。





ーーーーーーーー
はたつばです。

防衛戦終わりましたぁ~。次回は要望のあった楓の能力説明や、登場人物達の紹介になります。本編の方は少し待ってください。

次回更新は二月二日木曜日の正午になります。宜しくお願いします!!
登場人物紹介が少しネタバレ含むかもです。
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