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第五章
エミー決死の覚悟
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兄のコーバスから、紹介したい人がいると言われたのは、ベイエル伯が王都より帰還してすぐのことだった。
ユリウスの屋敷で、ユリウスが買ったという希少種と、ユリウスの親密な関係を目の当たりにした直後のことだ。ショックを受けていたエミーは、兄の提案に乗るのも悪くないと二つ返事で了承した。
屋敷に顔を見せに来たのは、何度か顔をあわせたことのあるクライドだった。クライドはモント騎士団の青い軍服を着て、幾分か緊張した面持ちだった。ユリウスのような落ち着いた大人の余裕はないが、短く刈った髪がユリウスと同じ金色なのは悪くない。逆に言えば、それしかクライドに惹かれる部分はないのだが。
改めて紹介するという意味がどういうことかはわかっている。終始上機嫌の兄が間に入り、エミーは二言三言クライドと言葉を交わした。クライドもおしゃべりなたちではないし、エミーも積極的に話すタイプではない。結局クライドと顔を合わせている間、しゃべっているのは兄のコーバスだった。
「なかなかいい男だろう。あの若さで第三師団長なんだぞ」
それがどれほどのものなのか。騎士団のことに疎いエミーにはわからない。曖昧に笑って見せたら、コーバスは、
「そうか、気に入ったか」と勝手に早合点する。
「お兄様、あの……」
「よしよし。俺がちゃんと取り持ってやるからな。クライドも乗り気なんだ。相手のご両親もエミーなら歓迎するとおっしゃってくれている。あそこの母親は、料理上手で優しいと評判だ。嫁姑で揉めることもないだろう。これ以上ない良縁だぞ」
「あの……、わたし、」
「それにな、家格も釣り合いがとれる。無理して爵位の高い家に嫁ぐと、嫁った先で苦労すると聞くしな。あいつならそんな心配もない。浮いた噂一つ聞かないし、浮気の心配もいらんぞ」
どうだ、いいだろうとコーバスは声を張り上げる。でかい図体で大きな声を出すから、エミーは圧倒されて口を噤んだ。それはそれは大きなため息がエミーの口から漏れた。
縁談の話は、エミーの意思を無視してあれよあれよという間に進んだ。その間、季節は急速に進み、北の地にも夏が訪れた。婚約の日取りも決まり、エミーの母は婚約式の衣装選びに余念がない。コーバスも日取りが決まってからは、準備や両家の橋渡し役を買って出て忙しそうだ。
そんな周りの浮き立つような雰囲気の中で、エミーは一人悶々としていた。本当なら楽しいだろう衣装選びもおざなりで、積極的に選ぶ気が起きない。気の早い兄は婚約式のあと、冬が来る前には結婚式を挙げようと言う。
ちょっと待って。わたしはまだ一言もクライドと結婚するとは言っていない。
本当はそう言いたかったが、ここまで話が進んではどうしうもない。今更何も言い出すことはできず、様々のことが決まっていく。しかしそんな状態では、具体的な結婚生活など想像できるわけもなく、母が嫁いでからのあれこれを指南してくるのを、適当に受け流していた。
ユリウスとは、王都から帰ってきた日以来、結局一度も顔を合わせていない。兄によるとクライドに、エミーとの結婚を打診したのはユリウスだったらしい。兄がユリウスに、クライドに話を通してもらえるよう頼んだのだと。
快く引き受けてくれたと兄は言っていた。ユリウスが、エミーのことなど何とも思っていない証拠だ。もしユリウスがエミーのことを好きなら、そんな話引き受けるわけがない。わかってはいたけれど、心がずんと重くなった。
今まで、ユリウスがエミーのことをそういう対象として見てくれないのは、年が離れすぎているからだと思ってきた。生まれた年月だけは自分の力では如何ともし難い。少しでも近づけるようにと、ユリウスと会うときは精一杯背伸びしてきた。
それなのにどうだろう。
ユリウスが買ったという希少種は、自分と同じ十八歳だと言うではないか。
しかも、シンプルなワンピースを着せられた希少種は、とても幼く見えたし、短い髪型とほっそりした女らしくない体つきで、どこか少年のようにも見える。
ユリウスが希少種の奴隷を買ったというだけでも衝撃だったのに、その希少種のあまりの飾り気のなさにもまた衝撃を受けた。
今までの自分の背伸びは一体何だったのか。
ユリウスの目を、自分に向けてほしくて頑張ってきた全てが無駄なことだったのだとエミーは悟った。幼くても良かったのだ。そんなもの、関係なかった。
希少種の目は、真っ直ぐにユリウスへと向けられていた。あの目は、誰かを心から好きだと思う目だ。同じ目をずっとユリウスに向けてきたエミーにはわかる。
ユリウスも希少種を、今までエミーの見たことのないような優しい眼差しで見ていた。相思相愛なのは、一目でわかった。
横から突然現れた鳶に全てをさらっていかれたような気がした。ユリウスの隣にいて、ああやって寄り添うのは自分だったはずだ。エミーが夢見てきたことを、あの希少種は容易く手にしている。
でもだからといって、エミーに何ができただろう。希少種が現れようが現れまいが、エミーがユリウスの心を奪えたかどうかはわからない。
エミーは次々と試着をすすめる母を断り、席を立った。
「あら、どこに行くの?」
「……風にあたってきます」
「早く戻りなさいね」
エミーは頷いて庭へ出た。地方貴族の特権で広さだけはある庭だが、あまり手入れは行き届いていない。あちこちに生えた雑草を避けて歩いた。さくっさくっと靴が下草を踏むたび音がする。
さくっさくっ。さくさくさく。
当然ながら早く歩けば歩くほど音は速くなる。さくさくさくさくさくっ。
ユリウスの顔と、希少種の顔と、クライドの顔が交互に目まぐるしくエミーの脳裏に浮かんだ。
さくっさくっ。
本当にこのままでいいのだろうか。
このまま流されるままに、兄の勧めるクライドと結婚していいのだろうか。一生の大事を、こんな気分のまま迎えていいのだろうか………。
ざくっと音を立ててエミーは立ち止まった。
いいわけがない。そんなもの、いいわけがないではないか。そんなこと当たり前だ。流されるままに決めていいことではない。そんなのとっくにわかっていた。
エミーはだっと駆け出した。
ここからユリウスの屋敷まではそれほど遠くはない。
少し駆ければ手の届く場所にいるのに、このまま何もしないでいるの、エミー。
そんなのは嫌だ。ずっとずっとユリウスのことを思い続けてきた。兄が気づいてお膳立てしてくれないだろうかとも何度も願った。でも。
エミーは自分から何一つ行動していない。好きですと伝えたこともない。だめもとでも当たってみれば、何かが変わったかもしれない。あんな希少種に奪われる前に、ユリウスを振り向かせることができたかもしれない。
幸い、希少種は奴隷だ。ユリウスの妻ではない。いくらそういう関係でも(認めたくはないが)体だけだ。考えようによっては、妻の座はまだ空席のままだ。
ユリウスくらいの地位の男ならば、奴隷の一人くらいいても普通だ。自分が少し我慢すればいい。妻にしてもらえるならば、それくらい何でもない。あの希少種とだって上手くやってみせる。
ユリウスの屋敷で、ユリウスが買ったという希少種と、ユリウスの親密な関係を目の当たりにした直後のことだ。ショックを受けていたエミーは、兄の提案に乗るのも悪くないと二つ返事で了承した。
屋敷に顔を見せに来たのは、何度か顔をあわせたことのあるクライドだった。クライドはモント騎士団の青い軍服を着て、幾分か緊張した面持ちだった。ユリウスのような落ち着いた大人の余裕はないが、短く刈った髪がユリウスと同じ金色なのは悪くない。逆に言えば、それしかクライドに惹かれる部分はないのだが。
改めて紹介するという意味がどういうことかはわかっている。終始上機嫌の兄が間に入り、エミーは二言三言クライドと言葉を交わした。クライドもおしゃべりなたちではないし、エミーも積極的に話すタイプではない。結局クライドと顔を合わせている間、しゃべっているのは兄のコーバスだった。
「なかなかいい男だろう。あの若さで第三師団長なんだぞ」
それがどれほどのものなのか。騎士団のことに疎いエミーにはわからない。曖昧に笑って見せたら、コーバスは、
「そうか、気に入ったか」と勝手に早合点する。
「お兄様、あの……」
「よしよし。俺がちゃんと取り持ってやるからな。クライドも乗り気なんだ。相手のご両親もエミーなら歓迎するとおっしゃってくれている。あそこの母親は、料理上手で優しいと評判だ。嫁姑で揉めることもないだろう。これ以上ない良縁だぞ」
「あの……、わたし、」
「それにな、家格も釣り合いがとれる。無理して爵位の高い家に嫁ぐと、嫁った先で苦労すると聞くしな。あいつならそんな心配もない。浮いた噂一つ聞かないし、浮気の心配もいらんぞ」
どうだ、いいだろうとコーバスは声を張り上げる。でかい図体で大きな声を出すから、エミーは圧倒されて口を噤んだ。それはそれは大きなため息がエミーの口から漏れた。
縁談の話は、エミーの意思を無視してあれよあれよという間に進んだ。その間、季節は急速に進み、北の地にも夏が訪れた。婚約の日取りも決まり、エミーの母は婚約式の衣装選びに余念がない。コーバスも日取りが決まってからは、準備や両家の橋渡し役を買って出て忙しそうだ。
そんな周りの浮き立つような雰囲気の中で、エミーは一人悶々としていた。本当なら楽しいだろう衣装選びもおざなりで、積極的に選ぶ気が起きない。気の早い兄は婚約式のあと、冬が来る前には結婚式を挙げようと言う。
ちょっと待って。わたしはまだ一言もクライドと結婚するとは言っていない。
本当はそう言いたかったが、ここまで話が進んではどうしうもない。今更何も言い出すことはできず、様々のことが決まっていく。しかしそんな状態では、具体的な結婚生活など想像できるわけもなく、母が嫁いでからのあれこれを指南してくるのを、適当に受け流していた。
ユリウスとは、王都から帰ってきた日以来、結局一度も顔を合わせていない。兄によるとクライドに、エミーとの結婚を打診したのはユリウスだったらしい。兄がユリウスに、クライドに話を通してもらえるよう頼んだのだと。
快く引き受けてくれたと兄は言っていた。ユリウスが、エミーのことなど何とも思っていない証拠だ。もしユリウスがエミーのことを好きなら、そんな話引き受けるわけがない。わかってはいたけれど、心がずんと重くなった。
今まで、ユリウスがエミーのことをそういう対象として見てくれないのは、年が離れすぎているからだと思ってきた。生まれた年月だけは自分の力では如何ともし難い。少しでも近づけるようにと、ユリウスと会うときは精一杯背伸びしてきた。
それなのにどうだろう。
ユリウスが買ったという希少種は、自分と同じ十八歳だと言うではないか。
しかも、シンプルなワンピースを着せられた希少種は、とても幼く見えたし、短い髪型とほっそりした女らしくない体つきで、どこか少年のようにも見える。
ユリウスが希少種の奴隷を買ったというだけでも衝撃だったのに、その希少種のあまりの飾り気のなさにもまた衝撃を受けた。
今までの自分の背伸びは一体何だったのか。
ユリウスの目を、自分に向けてほしくて頑張ってきた全てが無駄なことだったのだとエミーは悟った。幼くても良かったのだ。そんなもの、関係なかった。
希少種の目は、真っ直ぐにユリウスへと向けられていた。あの目は、誰かを心から好きだと思う目だ。同じ目をずっとユリウスに向けてきたエミーにはわかる。
ユリウスも希少種を、今までエミーの見たことのないような優しい眼差しで見ていた。相思相愛なのは、一目でわかった。
横から突然現れた鳶に全てをさらっていかれたような気がした。ユリウスの隣にいて、ああやって寄り添うのは自分だったはずだ。エミーが夢見てきたことを、あの希少種は容易く手にしている。
でもだからといって、エミーに何ができただろう。希少種が現れようが現れまいが、エミーがユリウスの心を奪えたかどうかはわからない。
エミーは次々と試着をすすめる母を断り、席を立った。
「あら、どこに行くの?」
「……風にあたってきます」
「早く戻りなさいね」
エミーは頷いて庭へ出た。地方貴族の特権で広さだけはある庭だが、あまり手入れは行き届いていない。あちこちに生えた雑草を避けて歩いた。さくっさくっと靴が下草を踏むたび音がする。
さくっさくっ。さくさくさく。
当然ながら早く歩けば歩くほど音は速くなる。さくさくさくさくさくっ。
ユリウスの顔と、希少種の顔と、クライドの顔が交互に目まぐるしくエミーの脳裏に浮かんだ。
さくっさくっ。
本当にこのままでいいのだろうか。
このまま流されるままに、兄の勧めるクライドと結婚していいのだろうか。一生の大事を、こんな気分のまま迎えていいのだろうか………。
ざくっと音を立ててエミーは立ち止まった。
いいわけがない。そんなもの、いいわけがないではないか。そんなこと当たり前だ。流されるままに決めていいことではない。そんなのとっくにわかっていた。
エミーはだっと駆け出した。
ここからユリウスの屋敷まではそれほど遠くはない。
少し駆ければ手の届く場所にいるのに、このまま何もしないでいるの、エミー。
そんなのは嫌だ。ずっとずっとユリウスのことを思い続けてきた。兄が気づいてお膳立てしてくれないだろうかとも何度も願った。でも。
エミーは自分から何一つ行動していない。好きですと伝えたこともない。だめもとでも当たってみれば、何かが変わったかもしれない。あんな希少種に奪われる前に、ユリウスを振り向かせることができたかもしれない。
幸い、希少種は奴隷だ。ユリウスの妻ではない。いくらそういう関係でも(認めたくはないが)体だけだ。考えようによっては、妻の座はまだ空席のままだ。
ユリウスくらいの地位の男ならば、奴隷の一人くらいいても普通だ。自分が少し我慢すればいい。妻にしてもらえるならば、それくらい何でもない。あの希少種とだって上手くやってみせる。
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