77 / 99
第四章
饗宴 2
しおりを挟む
おぞましいからくりに、ヨハンナは思わず自らを抱きしめた。
でも一つ大きな疑問が残る。
「里への出入り口は塞がっているって……」
客を連れてこようにも、里へつながる道は緑龍によって塞がれているはずだ。だからこそ、帝国軍は自然の要塞と化した里へ攻め込めないとセキとコクが言っていた。
セヴェリはヨハンナの疑問に、笑みを湛えたまま答えた。
「確かに道は塞がっているよ。でもね、潮の流れの早いこの島の周辺に、一箇所だけ潮の抜け道があるんだよ。その海の道を通れば島の外から客を連れてくることはできる。ああ、だからといって、このことをアラン皇弟殿下に伝えても無駄だよ。潮の抜け道は一箇所だけで、この海域に慣れたテンドウ族の者でないと抜けられない。仮に抜けたとしても大型船は接岸できないし、小船で来ればこちらは崖の上から大砲を落とすだけだからね。おしゃべりはこのくらいにしよう。――ラッセ、レイモンを呼んでこい。ああ、ヨハンナはこっちだ」
ラッセは一瞬躊躇したように見えたが、セヴェリの視線を受け廊下の向こうに消えた。
セヴェリはヨハンナの腕を、指が食い込むほど強く掴んで歩き出した。
セヴェリは廊下の途中で何度か壁を操作し、通路を渡っていく。ヨハンナは外に出られるようになってからの探索で、建物内はかなり網羅していたつもりだったが、一度も通ったことのない廊下だ。
セヴェリは右手に現れた龍の彫り物のある扉を開き、中にヨハンナを押し込んだ。
とたん、天蓋付きの大きな寝台が目に入り、ヨハンナは反射的に部屋を飛び出そうとしたが、ちょうど現れたレイモンに正面からぶつかった。
「うわっと」
レイモンは驚きながらも、逃げようとしたヨハンナの腰に腕を回し抱え上げ、後ろ手に扉を閉めた。
「ラッセからセヴェリ様が呼んでいるって。用ってこういうこと?」
レイモンが腕の中で暴れるヨハンナを押さえ込みながらセヴェリに問う。セヴェリは「ああ」と頷き、サイドテーブルから見慣れた金の首枷を取り上げた。
レイモンが後ろから羽交い締めにし、セヴェリはヨハンナの首に枷をはめると龍語を呟いた。
冷たい金属の感触が首を覆う。
「どうして……?」
ここに来てからは首枷はつけていなかった。
これをつけると緑龍と話せなくなる。緑龍の話し相手のためにここにいるのに、これではその役目が果たせなくなる。
「今だけだよ。龍に助けを呼ばれては困るからね。私の母も、客の相手をするときはこの枷をはめられていた」
セヴェリは、レイモンからヨハンナを受け取ると横抱きに抱え上げ、嫌がるヨハンナを大きな寝台に沈めた。
ここへ来てからのセヴェリは、以前の優しいセヴェリだった。
両足を撃ちぬき、体を触ってきたセヴェリの影は微塵もなかった。だから少し安心していた。セヴェリのもとへ戻って、一番怖いと思っていたことが起こらなかったので、安堵してもいた。もちろん二人きりにならないよう警戒はしていたけれど。
それがこんな形で、レイモンまで巻き込んで起こるとは思っていなかった。
ヨハンナは、セヴェリに寝台へ落とされてすぐに起き上がり、寝台から降りようとしたが、足首をレイモンにつかまれ、顔から敷布に突っ伏した。
暴れるヨハンナの足を上からおさえながら、レイモンがセヴェリに問いかける。
「ほんとに食っちゃうの? ヨハンナには手を出さないんじゃなかったの?」
「なに、少し慣らしておくだけだよ。最後まではしないよ」
セヴェリは懐から見覚えのある紙を取り出した。ヨハンナが部屋で書き付けていた、ここの見取り図だ。
「――あっ……」
セヴェリはそれをヨハンナの目の前で破り裂いた。ここ何日かかけて描いた図が、虚しく散っていく。
「緑龍にここにいてほしいと言われたのだろう? 乞われたことを無視してはいけないよ、ヨハンナ。ここから出て行こうなんて悪い子だ」
「私はアランのところに帰りたい……」
「困った子だね。君は君の役割をきちんと果たさないとね。いつまでもわがままを言ってはいけないよ」
「わがままって、そんな……」
好きな人と一緒にいたいということの何がわがままだと言うのだろう。
そう話している間にも、セヴェリはヨハンナの背中のホックを外しにかかった。
ドレスのホックはあっという間に外され、下のコルセットの紐も解かれる。
ヨハンナは激しく抵抗したが、足をレイモンに押さえられ、上半身をセヴェリに押さえられ逃げることができない。
着ていたドレスもセヴェリに全て脱がされ、レイモンは下着に手をかけ、これもあっさり取り去られてしまう。
セヴェリは、全裸になったヨハンナの腰を、後ろから抱き込むように抱えると、胸の頂を摘み上げた。
「――いっ…」
鋭い痛みが走りヨハンナは小さく呻き、身を捩ったが、セヴェリは力を緩めない。セヴェリは執拗にヨハンナの胸の頂を弄り、時折弾いては、大きな手の平で柔い肉を揉む。
内陸部の屋敷でのことが一気に蘇り、ヨハンナは暴れた。セヴェリの指を握り、引き剥がそうとするが、セヴェリはヨハンナの顎を捉えると上向かせ、唇を割って舌をねじ込んだ。
ヨハンナの息も上がるほど激しく深く口腔内を弄ると、セヴェリは微笑んだ。
「アラン皇弟殿下と二度と会いたくないと思えるよう、私が君に枷をあげよう。他の男に汚された君を、殿下のように身分の高い人が果たして受け入れてくれるだろうか」
セヴェリの言葉にヨハンナは目を見張った。
いつの間にかヨハンナの足を割って跪いたレイモンは、ヨハンナの足の銃創痕に舌を伸ばした。
「セヴェリ様。やっぱりちょっともったいなかったんじゃないですか?」
白い大腿に無惨に残る銃創にレイモンはそう言い、ヨハンナの足を持つと左右に大きく開かせた。
「やめっ……。レイモン、やめて…」
ヨハンナは羞恥から必死に身を捩ったが、レイモンは膝裏を持ち上げ、セヴェリにもよく見えるようにと更に大きく足を開かせる。
「うわぁ。すごくきれいだね。下もほとんど生えてない。アランとはまだやってないみたいだね」
レイモンは面白そうに言うと、ヨハンナの割れ目に指を添わせた。
「……っぅ――。やめ……。いやだ。お願い――」
セヴェリの言葉がぐるぐると頭を巡り、ヨハンナは泣きじゃくって許しを乞うが、レイモンは指の動きを止めない。そのうち顔を寄せたかと思うと、割れ目の奥へと舌を伸ばし舐めはじめた。ぴちゃぴちゃという水音がありえない場所から聞こえる。
「レイモン、いやだっ……。やめて、お願い、……。アラン、アラン、助けて……」
ここにいないとわかっているのに、涙腺の崩壊したヨハンナは嗚咽交じりにアランの名を呼んだ。
それを聞いたセヴェリが、後ろから手を伸ばすと乱暴にヨハンナの陰部に触れてきた。そのまま乱暴に奥にまで指を伸ばすとぐっと力を入れる。瞬間今までに感じたことのない痛みが走り、ヨハンナは叫び声を上げた。
「痛いっっ……。やめ、やめて。っぅ……」
全身がぶるぶる震えるが、セヴェリの指は容赦がなかった。奥まで強引に指を差し込み、内壁を刺激する。セヴェリの指で広げられた中へ、レイモンの舌も一緒に入り込み、唾液で濡らされ滑りの良くなった奥へとセヴェリの指が更に入り込む。
抵抗しようにも、前と後ろから二人の男におさえられたのでは、華奢なヨハンナでは逃げることもできない。与えられる刺激に頭の中は恐怖で真っ白になった。
「……やめてっ…。…アラン……。助けて……。うっく……」
しゃくりあげるほどに泣いたヨハンナの顔は涙でぐちゃぐちゃだ。そんなことに構う余裕もない。
でもそれを見たレイモンは「かわいい……」と呟くや、身を乗り出してヨハンナにキスしてきた。
口腔内にレイモンの舌が侵入し、溢れた唾液が口の端から零れ落ちる。唇を離したレイモンが、「セヴェリ様」と呼びかける。
「ねぇ、もう挿れちゃったらだめ? 僕我慢できないよ。すごくかわいい。今すぐ挿れたいよ」
レイモンが自分の下穿きを寛げ、自身のものを取り出した。体は華奢なのに、そこにある性器は赤黒くて大きく、ヨハンナははじめてみる男性のものに、悲鳴を上げた。
レイモンは自身をヨハンナの白い大腿に擦り付け、はぁはぁと息を漏らす。
しかしセヴェリはヨハンナの中を指で擦りあげ、刺激しながらも冷静に首を振る。
「だめだ。神子の処女は高く売れる。里の運営にはいくら金があっても足りないからな。早い内に上客を用意して、接客をさせよう」
恐ろしいことをさらりと言ってのける。
レイモンは「ちぇっ」と不満を漏らしたが、それ以上要求を通そうとはせず、セヴェリの指が入っているヨハンナの陰部へと再び顔を寄せると舌で舐め始めた。同時に自身の下半身を空いた手で擦り始める。
レイモンはうめき声を上げ、程なく精を吐き出した。部屋に、レイモンの生臭い精の匂いが満ちる。
セヴェリはそれを見てヨハンナから指を引き抜くと、今度はレイモンを抱き寄せ、サイドテーブルからとった小瓶の中身を垂らすとその双丘を割って指を差し入れた。
「ちぇっ。何だよ。結局僕はまた挿れられ役かよ」
レイモンは文句を言いながらも、素直にセヴェリの与える刺激に酔い始めた。
レイモンとセヴェリの交わりを見ながら、ヨハンナは早くこの場から逃げなければと思うが、足が竦んで動けない。
小瓶の中身のせいか、セヴェリが指を動かすたびレイモンの後孔からぐちゃぐちゃと粘着質な音が響いてくる。ヨハンナはひとり広い寝台に放り出されたまま、見たくもないと思うのに、視線を二人から外せなかった。
レイモンは視線を受けて、挑戦的にヨハンナに視線を送り、自ら大きく足を広げるとセヴェリの肩に足をかけた。
セヴェリは上からのしかかるようにレイモンの後孔へと自らのものをあてがうと、一気に腰を落とした。
「……あっ…んっ………」
レイモンは喘ぎ声を漏らし、セヴェリの腰の振りに合わせて、自らも腰を振る。
濃い密度の空気が部屋中に立ちこめ、むせ返るほどの汗と精のにおいに、ヨハンナは自身の意識の底へと逃げ出した。
でも一つ大きな疑問が残る。
「里への出入り口は塞がっているって……」
客を連れてこようにも、里へつながる道は緑龍によって塞がれているはずだ。だからこそ、帝国軍は自然の要塞と化した里へ攻め込めないとセキとコクが言っていた。
セヴェリはヨハンナの疑問に、笑みを湛えたまま答えた。
「確かに道は塞がっているよ。でもね、潮の流れの早いこの島の周辺に、一箇所だけ潮の抜け道があるんだよ。その海の道を通れば島の外から客を連れてくることはできる。ああ、だからといって、このことをアラン皇弟殿下に伝えても無駄だよ。潮の抜け道は一箇所だけで、この海域に慣れたテンドウ族の者でないと抜けられない。仮に抜けたとしても大型船は接岸できないし、小船で来ればこちらは崖の上から大砲を落とすだけだからね。おしゃべりはこのくらいにしよう。――ラッセ、レイモンを呼んでこい。ああ、ヨハンナはこっちだ」
ラッセは一瞬躊躇したように見えたが、セヴェリの視線を受け廊下の向こうに消えた。
セヴェリはヨハンナの腕を、指が食い込むほど強く掴んで歩き出した。
セヴェリは廊下の途中で何度か壁を操作し、通路を渡っていく。ヨハンナは外に出られるようになってからの探索で、建物内はかなり網羅していたつもりだったが、一度も通ったことのない廊下だ。
セヴェリは右手に現れた龍の彫り物のある扉を開き、中にヨハンナを押し込んだ。
とたん、天蓋付きの大きな寝台が目に入り、ヨハンナは反射的に部屋を飛び出そうとしたが、ちょうど現れたレイモンに正面からぶつかった。
「うわっと」
レイモンは驚きながらも、逃げようとしたヨハンナの腰に腕を回し抱え上げ、後ろ手に扉を閉めた。
「ラッセからセヴェリ様が呼んでいるって。用ってこういうこと?」
レイモンが腕の中で暴れるヨハンナを押さえ込みながらセヴェリに問う。セヴェリは「ああ」と頷き、サイドテーブルから見慣れた金の首枷を取り上げた。
レイモンが後ろから羽交い締めにし、セヴェリはヨハンナの首に枷をはめると龍語を呟いた。
冷たい金属の感触が首を覆う。
「どうして……?」
ここに来てからは首枷はつけていなかった。
これをつけると緑龍と話せなくなる。緑龍の話し相手のためにここにいるのに、これではその役目が果たせなくなる。
「今だけだよ。龍に助けを呼ばれては困るからね。私の母も、客の相手をするときはこの枷をはめられていた」
セヴェリは、レイモンからヨハンナを受け取ると横抱きに抱え上げ、嫌がるヨハンナを大きな寝台に沈めた。
ここへ来てからのセヴェリは、以前の優しいセヴェリだった。
両足を撃ちぬき、体を触ってきたセヴェリの影は微塵もなかった。だから少し安心していた。セヴェリのもとへ戻って、一番怖いと思っていたことが起こらなかったので、安堵してもいた。もちろん二人きりにならないよう警戒はしていたけれど。
それがこんな形で、レイモンまで巻き込んで起こるとは思っていなかった。
ヨハンナは、セヴェリに寝台へ落とされてすぐに起き上がり、寝台から降りようとしたが、足首をレイモンにつかまれ、顔から敷布に突っ伏した。
暴れるヨハンナの足を上からおさえながら、レイモンがセヴェリに問いかける。
「ほんとに食っちゃうの? ヨハンナには手を出さないんじゃなかったの?」
「なに、少し慣らしておくだけだよ。最後まではしないよ」
セヴェリは懐から見覚えのある紙を取り出した。ヨハンナが部屋で書き付けていた、ここの見取り図だ。
「――あっ……」
セヴェリはそれをヨハンナの目の前で破り裂いた。ここ何日かかけて描いた図が、虚しく散っていく。
「緑龍にここにいてほしいと言われたのだろう? 乞われたことを無視してはいけないよ、ヨハンナ。ここから出て行こうなんて悪い子だ」
「私はアランのところに帰りたい……」
「困った子だね。君は君の役割をきちんと果たさないとね。いつまでもわがままを言ってはいけないよ」
「わがままって、そんな……」
好きな人と一緒にいたいということの何がわがままだと言うのだろう。
そう話している間にも、セヴェリはヨハンナの背中のホックを外しにかかった。
ドレスのホックはあっという間に外され、下のコルセットの紐も解かれる。
ヨハンナは激しく抵抗したが、足をレイモンに押さえられ、上半身をセヴェリに押さえられ逃げることができない。
着ていたドレスもセヴェリに全て脱がされ、レイモンは下着に手をかけ、これもあっさり取り去られてしまう。
セヴェリは、全裸になったヨハンナの腰を、後ろから抱き込むように抱えると、胸の頂を摘み上げた。
「――いっ…」
鋭い痛みが走りヨハンナは小さく呻き、身を捩ったが、セヴェリは力を緩めない。セヴェリは執拗にヨハンナの胸の頂を弄り、時折弾いては、大きな手の平で柔い肉を揉む。
内陸部の屋敷でのことが一気に蘇り、ヨハンナは暴れた。セヴェリの指を握り、引き剥がそうとするが、セヴェリはヨハンナの顎を捉えると上向かせ、唇を割って舌をねじ込んだ。
ヨハンナの息も上がるほど激しく深く口腔内を弄ると、セヴェリは微笑んだ。
「アラン皇弟殿下と二度と会いたくないと思えるよう、私が君に枷をあげよう。他の男に汚された君を、殿下のように身分の高い人が果たして受け入れてくれるだろうか」
セヴェリの言葉にヨハンナは目を見張った。
いつの間にかヨハンナの足を割って跪いたレイモンは、ヨハンナの足の銃創痕に舌を伸ばした。
「セヴェリ様。やっぱりちょっともったいなかったんじゃないですか?」
白い大腿に無惨に残る銃創にレイモンはそう言い、ヨハンナの足を持つと左右に大きく開かせた。
「やめっ……。レイモン、やめて…」
ヨハンナは羞恥から必死に身を捩ったが、レイモンは膝裏を持ち上げ、セヴェリにもよく見えるようにと更に大きく足を開かせる。
「うわぁ。すごくきれいだね。下もほとんど生えてない。アランとはまだやってないみたいだね」
レイモンは面白そうに言うと、ヨハンナの割れ目に指を添わせた。
「……っぅ――。やめ……。いやだ。お願い――」
セヴェリの言葉がぐるぐると頭を巡り、ヨハンナは泣きじゃくって許しを乞うが、レイモンは指の動きを止めない。そのうち顔を寄せたかと思うと、割れ目の奥へと舌を伸ばし舐めはじめた。ぴちゃぴちゃという水音がありえない場所から聞こえる。
「レイモン、いやだっ……。やめて、お願い、……。アラン、アラン、助けて……」
ここにいないとわかっているのに、涙腺の崩壊したヨハンナは嗚咽交じりにアランの名を呼んだ。
それを聞いたセヴェリが、後ろから手を伸ばすと乱暴にヨハンナの陰部に触れてきた。そのまま乱暴に奥にまで指を伸ばすとぐっと力を入れる。瞬間今までに感じたことのない痛みが走り、ヨハンナは叫び声を上げた。
「痛いっっ……。やめ、やめて。っぅ……」
全身がぶるぶる震えるが、セヴェリの指は容赦がなかった。奥まで強引に指を差し込み、内壁を刺激する。セヴェリの指で広げられた中へ、レイモンの舌も一緒に入り込み、唾液で濡らされ滑りの良くなった奥へとセヴェリの指が更に入り込む。
抵抗しようにも、前と後ろから二人の男におさえられたのでは、華奢なヨハンナでは逃げることもできない。与えられる刺激に頭の中は恐怖で真っ白になった。
「……やめてっ…。…アラン……。助けて……。うっく……」
しゃくりあげるほどに泣いたヨハンナの顔は涙でぐちゃぐちゃだ。そんなことに構う余裕もない。
でもそれを見たレイモンは「かわいい……」と呟くや、身を乗り出してヨハンナにキスしてきた。
口腔内にレイモンの舌が侵入し、溢れた唾液が口の端から零れ落ちる。唇を離したレイモンが、「セヴェリ様」と呼びかける。
「ねぇ、もう挿れちゃったらだめ? 僕我慢できないよ。すごくかわいい。今すぐ挿れたいよ」
レイモンが自分の下穿きを寛げ、自身のものを取り出した。体は華奢なのに、そこにある性器は赤黒くて大きく、ヨハンナははじめてみる男性のものに、悲鳴を上げた。
レイモンは自身をヨハンナの白い大腿に擦り付け、はぁはぁと息を漏らす。
しかしセヴェリはヨハンナの中を指で擦りあげ、刺激しながらも冷静に首を振る。
「だめだ。神子の処女は高く売れる。里の運営にはいくら金があっても足りないからな。早い内に上客を用意して、接客をさせよう」
恐ろしいことをさらりと言ってのける。
レイモンは「ちぇっ」と不満を漏らしたが、それ以上要求を通そうとはせず、セヴェリの指が入っているヨハンナの陰部へと再び顔を寄せると舌で舐め始めた。同時に自身の下半身を空いた手で擦り始める。
レイモンはうめき声を上げ、程なく精を吐き出した。部屋に、レイモンの生臭い精の匂いが満ちる。
セヴェリはそれを見てヨハンナから指を引き抜くと、今度はレイモンを抱き寄せ、サイドテーブルからとった小瓶の中身を垂らすとその双丘を割って指を差し入れた。
「ちぇっ。何だよ。結局僕はまた挿れられ役かよ」
レイモンは文句を言いながらも、素直にセヴェリの与える刺激に酔い始めた。
レイモンとセヴェリの交わりを見ながら、ヨハンナは早くこの場から逃げなければと思うが、足が竦んで動けない。
小瓶の中身のせいか、セヴェリが指を動かすたびレイモンの後孔からぐちゃぐちゃと粘着質な音が響いてくる。ヨハンナはひとり広い寝台に放り出されたまま、見たくもないと思うのに、視線を二人から外せなかった。
レイモンは視線を受けて、挑戦的にヨハンナに視線を送り、自ら大きく足を広げるとセヴェリの肩に足をかけた。
セヴェリは上からのしかかるようにレイモンの後孔へと自らのものをあてがうと、一気に腰を落とした。
「……あっ…んっ………」
レイモンは喘ぎ声を漏らし、セヴェリの腰の振りに合わせて、自らも腰を振る。
濃い密度の空気が部屋中に立ちこめ、むせ返るほどの汗と精のにおいに、ヨハンナは自身の意識の底へと逃げ出した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
58
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる