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二十、塵芥
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要らないものはゴミ箱へ。
幼い頃からそう教わってきた。特にそれに疑問も持たず、全てにおいて、『要る』『要らない』と分別する癖が染み込んでいる。
それは人間関係も例外ではない。が、どれほど此方が『要る』と望んでも、大抵の人間がスルリと離れてしまう。今日も、ポツンと一人置いて行かれ、肩を落としていた。
果たして、自分はどちらなのか。
ふと疑問が湧いた。自分は『要る』のか『要らない』のか、どちらなのか。捨てるべきか、それとも捨てないべきか。
それと同時に、視界に四角い物体が入り込む。
それは、まるで人一人でも簡単に飲み込めそうなゴミ箱だった。
『要らないもの』
そう、デカデカと書かれた箱が、不気味に口を開いたまま目の前に鎮座している。
不思議と、底の見えない入り口に足が吸い寄せられる。
フラフラと箱に近づいて、片足をあげ、ゆっくり中へ差し入れた。
全身の毛が総毛立つのを感じながら、もう片足を入れようとした、まさにその瞬間。
身体が後ろへ放り出された。
冷たいアスファルトに腰をしたたかに打ち付ける。いったい、なんなんだと腰をさすりながら顔を上げ、驚いた。
「…何してんの?」
そう、怪訝な顔で頭をひねったのは、幼い頃からの腐れ縁だった。
ゴミだから、ゴミ箱に入ろうとしていた。
素直にそう言うと、途端に弾けたように笑い出す。
「ゴミ?なに、お前いつからゴミになったの?どっか壊れてんの?」
恐らく人と関わる部分が壊れている。
そう返せば、笑い声はより一層激しくなる。
散々笑ったあと、手先の器用な腐れ縁は、目尻の涙を拭いながら、明るく言った。
「水臭いなぁ、直すのは専売特許なのに。」
取り敢えず酒だな!
何て言いながら、此方に手が差し伸べられる。はて、ゴミ箱はどこに行ったかと思うが、見回しても何も無い。
…また、必要になったら来るのだろうか。
まだ、あの黒い口は何処かに空いているのだろうか。
果たして、今日は、何人『要らない』と判断されたのかは、誰にもわからない。
幼い頃からそう教わってきた。特にそれに疑問も持たず、全てにおいて、『要る』『要らない』と分別する癖が染み込んでいる。
それは人間関係も例外ではない。が、どれほど此方が『要る』と望んでも、大抵の人間がスルリと離れてしまう。今日も、ポツンと一人置いて行かれ、肩を落としていた。
果たして、自分はどちらなのか。
ふと疑問が湧いた。自分は『要る』のか『要らない』のか、どちらなのか。捨てるべきか、それとも捨てないべきか。
それと同時に、視界に四角い物体が入り込む。
それは、まるで人一人でも簡単に飲み込めそうなゴミ箱だった。
『要らないもの』
そう、デカデカと書かれた箱が、不気味に口を開いたまま目の前に鎮座している。
不思議と、底の見えない入り口に足が吸い寄せられる。
フラフラと箱に近づいて、片足をあげ、ゆっくり中へ差し入れた。
全身の毛が総毛立つのを感じながら、もう片足を入れようとした、まさにその瞬間。
身体が後ろへ放り出された。
冷たいアスファルトに腰をしたたかに打ち付ける。いったい、なんなんだと腰をさすりながら顔を上げ、驚いた。
「…何してんの?」
そう、怪訝な顔で頭をひねったのは、幼い頃からの腐れ縁だった。
ゴミだから、ゴミ箱に入ろうとしていた。
素直にそう言うと、途端に弾けたように笑い出す。
「ゴミ?なに、お前いつからゴミになったの?どっか壊れてんの?」
恐らく人と関わる部分が壊れている。
そう返せば、笑い声はより一層激しくなる。
散々笑ったあと、手先の器用な腐れ縁は、目尻の涙を拭いながら、明るく言った。
「水臭いなぁ、直すのは専売特許なのに。」
取り敢えず酒だな!
何て言いながら、此方に手が差し伸べられる。はて、ゴミ箱はどこに行ったかと思うが、見回しても何も無い。
…また、必要になったら来るのだろうか。
まだ、あの黒い口は何処かに空いているのだろうか。
果たして、今日は、何人『要らない』と判断されたのかは、誰にもわからない。
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