世界最強で狂犬と呼ばれる妹を手なずければ実質俺が世界最強なんじゃね?と思っていた時期が俺にもありました

シャルねる

文字の大きさ
2 / 5

第2話

しおりを挟む
「……シフルは、最近どんな感じなの」

 リーヴァと本当に他愛もない話をしていると、突然そんなことを聞いてきた。
 どんな感じって……俺はリーヴァと違ってどこかを行き来してるわけじゃないし、特に何も無いぞ?

「別にいつも通り、普通だぞ?」

 そう思って、俺はそう言った。
 
「……ふーん。……退屈じゃないの」

「んー、友達もいないわけじゃないし、リーヴァとも一週間に一度は会えるし、それを楽しみに過ごしてたら、別に退屈はしないかな」

「ッ、そう、私が帰ってくるのがお兄……シフルは楽しみなんだ」

「まぁ、そうだな」

 だって、リーヴァが帰ってこないと、リーヴァを手懐けるっていう俺の目的も達成できないしな。
 もちろん、一週間に一度しか帰ってこない家族と話したいって気持ちもあるけど。

「…………もっと一緒にいたいって思う?」

「リーヴァとか?」

「……」

 何も言わずに、リーヴァはこくり、と一度だけ頷いてきた。

「そりゃ、ずっと一緒にいたいよ」

 一緒にいる時間が増えれば増えるほど、手懐けられるだろうしな。

「……ふ、ふーん。……もう私、行くから」

「え? もうか?」

 いつもならまだ家にいる時間なのに。

「……大丈夫。次に会える時はもっと……シフルの望み通り、いっぱい一緒に居られるから」

「え? それ、どういう​──」
 
 リーヴァは俺の返事を聞くことなく、そのまま本当に家を出ていってしまった。
 俺の目に追えないとんでもない速さで。

「……」

 手応えは……無かった、よなぁ。
 なんか、急いで出ていった様子だったし、全然それまでは普通だった気がするんだけど、最後だけで家族としてもあんまり仲が……い、いや、これ以上はやめよう。
 発言的に、また一週間後にはちゃんと帰って来てくれるっぽいしな。
 しかもその時はいっぱい一緒に居られるっぽいし、リーヴァを手懐けるのはその時に頑張ろう。

 取り敢えず、リーヴァも行ってしまったし、俺は冒険者の仕事でもしに行くか。
 いつもならリーヴァが来る日は休みにしてるんだが、今日はもう行ってしまったしな。
 正直な話、お金に関してはリーヴァが置いていってくれているこの「好きに使っていいよ」という金貨の山を使えばどうとでもなるんだけど、なんか、これを使ったら本当に人間として終わりな気がするんだよ。

 ……俺の父親と母親はリーヴァにいくらかの金を貰って、俺を置いてどこかへ行ったみたいだけどな。
 当たり前だが、別にリーヴァのせいじゃない。
 元からそんなに俺は親と仲がいいわけでは無かったし、まぁ、金を貰ったのなら、そんなもんだろ、って感じだ。
 今どこで何をやってるんだろうな。
 ちゃんと生きてんのかね。
 ま、リーヴァがいるんだし、生きてんのか。
 俺のところに一週間に一度帰ってくるように、実は両親の元にもリーヴァは一週間に一度帰っていて、その時ここにお金を置いていくように、両親のところにもお金を置いていったりしてるのかもな。
 ……いや、なんなら、実はリーヴァは両親の元で暮らしてるって可能性すらあるのか。
 ……それはちょっとだけ寂しいけど、ま、仕方ないよな。

 さっさとギルドに行こう。
 俺はリーヴァと違って全然強いわけじゃない……どころか、普通に弱い部類だから、夜に依頼なんて絶対こなせないし、早く行かないと。

 お金以外にも、あそこの受付嬢、めちゃくちゃ綺麗なんだよ。
 別に俺があの人とどうこうなれるとは微塵も思ってないけど、目の保養になるしな。早く行かないと。
 ……多分、俺以外にもあそこに通っている男の冒険者は同じような考えなんだろうなと思う。
 ……完全にギルドの思惑にハマっちまってる気がする。

 そんな思いのまま、俺は装備の準備をして、ギルドに向かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...