Retry 異世界生活記

ダース

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第2章.少年期

18.火の魔法

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この前の魔法の授業では僅差で華々しいデビューを逃した俺は、
火の魔法「ファイア」をなんとか習得するべく日々練習していた。

「火の女神カムイよ。ここに火を灯せ。ファイア!」
恥ずかしいけど、詠唱とかもしてみる。

・・・しかし何も出ない。

う~む。


ステータス
・種族:人族
・性別:男
・名前:クルス・ラディクール
・年齢:5
・Lv:1
・HP:52/52
・MP:52/52
・攻撃力:25
・魔力:51
・物理防御力:26
・魔法防御力:26
・敏捷:27

スキル
・魔力操作Lv1
          
固有スキル
・鑑定Lv1

魔法適性
・火、水、風、光


ステータスをよく確認してみる。
そういえば、体の成長に合わせて少しだけステータスが上がっていたっけな。

MP52か・・・。

俺はMP切れ直前の頭がクラクラする状態を経験したせいか、
ファイアの魔法をやるにも10くらいしかMPを出していなかった。
魔法はイメージが大事なはずだが、やっぱり必要最低限な魔力やMPもあるだろうなと考えなおし・・・


もう、思い切ってやってみるしかないか。
そう決めると、
俺は、家の近くの草むらに行き寝転んで気絶して倒れても大丈夫な準備を整えた。

・・・MPが切れても気絶するだけだしな。
魔物狩りの最中でなければ死ぬことはないだろう・・・。


しかし、火の魔法ってなんなんだろう。
授業で先生が「ファイア」と唱えると火が球がでた。

魔法は魔素が変質する。
火ってなんだ・・・?
燃える・・・。熱量・・・。着火・・・。

よし。
俺は決心し、イメージを固めた。

俺の魔力でMPを燃料に魔素を熱量に変換する。
授業でジムニー先生が出した野球ボールくらいの空間にその熱量をつぎ込んで着火する。
そのイメージを強く持ち、
MP50をつぎ込む。

毎日の日課の「ライト」の練習のせいか、MPの消費量の感覚がだいぶつかめてきている。

うまくいけば魔法発動後も、MPが少し残るし大丈夫なはずだ。



右手を伸ばし、意を決して唱える。
「ファイア!」

ボッ!

「出た!!」
と叫んだ瞬間俺は意識を失ってしまった。


「・・ス!・・クルス!」

目が覚めると、母が心配そうに見つめていた。

「もう!何してるの!!」

「ごめん・・・。魔法の練習をしてて・・・。」


「MPが無くなったら気絶しちゃうって習ったでしょう!まったく~。」
そう言うと母は手で俺の頭をグリグリと挟んだ。

「罰として明日は庭の草むしりね!」

「むぅ~。」

「ほら、もうご飯の時間だから早く帰るわよ。」
母はそう言うと、俺の手を引っ張った。



翌日、罰の草むしりがてら薬草でも生えていないかと「鑑定」をしながら草をむしる。

「鑑定」

鑑定結果
・草



ふぅ。今日もいい天気だ。


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魔法「ファイア」
属性:火
魔素を熱量に変換し、大気に着火する。
熱量=(((消費MP÷10)x魔力)x(1+魔力操作Lv÷100)))
発動条件:熱量250以上
アテーリアの大気への着火条件が熱量250以上のため
(最低着火条件で発動した火の球の温度は地球のろうそく外側の600℃程度)
消費MP:発動消費MPx発動秒数
同一体積のまま熱量を上げると温度が上がる。
温度一定の場合は消費MPの分火の球の体積が増える。
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