雨の日の物語

関塚衣旅葉

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 私のクラスには、とても仲良しな女の子たちがいる。
私とも仲良くしてくれてるが、2人だけでいる時の方が幸せそうなので、今日は少し離れて観察していく。
お昼はもちろん一緒に食べるが、本日の短い休憩中は自分の席から2人を眺めようと思う。

 先にふたりとの出会いを話しておこう。
自由な行動ばかりだが、誰とでも楽しく会話をする華凛ちゃんと、そんな彼女を優しく見守る存在の美波ちゃん。
2人と出会ったのは2年になって、クラス替えの為、1年次に仲良くなった友達と別のクラスになり心細いなぁと思っていた頃。
女の子が多いクラスだが、誰とでも話せる人間では無いので、スマホを眺めて時間が過ぎるのを待っていた時だった。
突然視界が少し暗くなり、何かと思ったら。
「そのスマホケース、美波が使ってるやつと色違い!」
って言われた。
スカートは太ももが見えるくらい短く、制服の上から大きめのジップパーカーを羽織ってる彼女。
名前…なんだっけ…。
さっき自己紹介の時間があったが覚えられなかったんだよなぁと焦っていると、私の後ろから声が聞こえてきた。
「華凛、急に話しかけられたらびっくりしちゃうからやめなさいって何回も言ってるでしょ…。
ごめんね、驚かせちゃったね…」
頭をぽんとされて、私の隣に座った。
「玉城ちゃん、ごめんね? チョコあげるから怒らないで欲しいな?」
そう言って彼女はパーカーのポッケからちょっとお高いチョコを出してきた。
「ありがとうございます…、華凛さん…」
私の隣の彼女の名前が分からず困った顔してると、
「私は美波です、ほら華凛が言ってたスマホケース、お揃いかな?」
なんて微笑みながらスマホケースを見せてくれた。
色違いだったので、私も微笑み返した。
「美波さん、華凛さん、よろしくお願いします! 玉城怜奈って名前なので、好きに呼んでください!」
それがふたりと初めて会話した時の出来事。
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