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寺崎の話
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「多分…その間、シュウが…俺の身体を操ってたんだと思う…周りとどう接していたのか…どんな風にふるまっていたのか…なんか、悪さとかしてないか…とか、すごく気にはなるけど…覚えていない以上、どうすることも出来なくて…ただでも…さっきだけは…さっきは…」
寺崎が身体を震わせ始めた。
「ああ…」
聞きながら、俺も珈琲を口にする…
少し苦めの…珈琲が喉を伝う。
「さっきだけは…突然もやがかかったような状態ではあるけど、途中から俺の意識が目覚めたみたいで…おまえを…シュウがおまえを…ベルトで縛って拘束して…身体を触ったり…舐めたり…とにかく、いやらしいことをしてる…情景が…感触が…シュウの眼を通して、身体を通して…俺の中に流れ込んできてるような感じがして…ヤバい…僚介がまた…危険な目に…合ってる…って…目を覚ませ覚ませ!!って、思い切り念じて…そしたらさ…」
寺崎が俺を見据える…
「そしたら、突然周りの全てが真っ白になって何も見えなくなって…目覚めた…突然、あの場で…多分シュウを押しのけて…俺自身が…」
そう言い切って、今度はコップの水を一気にのどに流し込む。
「そう…だったのか…」
俺は寺崎のその話を聞いて、さっきの状況に全て、合点がいった。
つまり…シュウが出てくるタイミングを選んで表へ出てくることが可能なように…寺崎にだって…強く念じることで、シュウを押しのけて出てくることが可能…だと…そういうこと…なのだろうか。
…もし本当にそうだとすると…少し…希望が見えてくるような気がした。
つまり、寺崎が強い意志を持ち続けることで…シュウの出現を抑えることが出来るんじゃないか…
勝手に操られるばかりではなく…努力次第で、寺崎自身が奴を抑え込むことが…できるんじゃないか…
まだまだ考えは楽観的かもしれないが…この最悪な状況に…一縷の光が見えたような気さえしてくる。
「そっか…なんとなく、状況はわかったよ…とりあえずあの場面でおまえが出てきてくれて…俺は本当に助かったよ…。ありがとうな、寺崎…」俺は心の底からそう思い、寺崎に伝えた。
すると寺崎は俺を見て、悲痛な面持ちで口を開く。
「本当に…俺の中の奴は最低な男だ…無理矢理におまえにあんなことして…だからさ、僚介…今後はもっと気を付けて欲しい…コイツは…俺の性格とか全てわかったうえで、俺のフリをして…俺を演じることができる。すぐに信じたりしないで…俺かシュウかを見極めて欲しい…でないと、俺…俺…」
寺崎が震えながら続ける。
「俺…おまえにこれ以上近付けない…今までにシュウがお前にしたことだってすごく…申し訳ないのに…このうえお前になんかあったら…俺…もう…」
「わかったよ…寺崎。今朝は俺が、学校だからって完全に油断したせいだ…今度からは、きちんと見極めるよ…マジで。だからもうホント、安心しろ。」
そう告げると、寺崎が少しだけ微笑み、表情に血の気が戻った気がした。
「それと僚介…もう一つ、俺自身が保てているうちに、言っておきたいことがあるんだけど…まだ、時間いいか…?」
寺崎が真剣な眼差しで俺を見る。
少し怖い気もしたが、寺崎とは金輪際、おかしな隠し事はなしにした方がいい気がしたので、俺は返事をする。
「うん、いいよ…なんだ…?」
寺崎が、意を決したように俺を見据えて、口を開いた。
寺崎が身体を震わせ始めた。
「ああ…」
聞きながら、俺も珈琲を口にする…
少し苦めの…珈琲が喉を伝う。
「さっきだけは…突然もやがかかったような状態ではあるけど、途中から俺の意識が目覚めたみたいで…おまえを…シュウがおまえを…ベルトで縛って拘束して…身体を触ったり…舐めたり…とにかく、いやらしいことをしてる…情景が…感触が…シュウの眼を通して、身体を通して…俺の中に流れ込んできてるような感じがして…ヤバい…僚介がまた…危険な目に…合ってる…って…目を覚ませ覚ませ!!って、思い切り念じて…そしたらさ…」
寺崎が俺を見据える…
「そしたら、突然周りの全てが真っ白になって何も見えなくなって…目覚めた…突然、あの場で…多分シュウを押しのけて…俺自身が…」
そう言い切って、今度はコップの水を一気にのどに流し込む。
「そう…だったのか…」
俺は寺崎のその話を聞いて、さっきの状況に全て、合点がいった。
つまり…シュウが出てくるタイミングを選んで表へ出てくることが可能なように…寺崎にだって…強く念じることで、シュウを押しのけて出てくることが可能…だと…そういうこと…なのだろうか。
…もし本当にそうだとすると…少し…希望が見えてくるような気がした。
つまり、寺崎が強い意志を持ち続けることで…シュウの出現を抑えることが出来るんじゃないか…
勝手に操られるばかりではなく…努力次第で、寺崎自身が奴を抑え込むことが…できるんじゃないか…
まだまだ考えは楽観的かもしれないが…この最悪な状況に…一縷の光が見えたような気さえしてくる。
「そっか…なんとなく、状況はわかったよ…とりあえずあの場面でおまえが出てきてくれて…俺は本当に助かったよ…。ありがとうな、寺崎…」俺は心の底からそう思い、寺崎に伝えた。
すると寺崎は俺を見て、悲痛な面持ちで口を開く。
「本当に…俺の中の奴は最低な男だ…無理矢理におまえにあんなことして…だからさ、僚介…今後はもっと気を付けて欲しい…コイツは…俺の性格とか全てわかったうえで、俺のフリをして…俺を演じることができる。すぐに信じたりしないで…俺かシュウかを見極めて欲しい…でないと、俺…俺…」
寺崎が震えながら続ける。
「俺…おまえにこれ以上近付けない…今までにシュウがお前にしたことだってすごく…申し訳ないのに…このうえお前になんかあったら…俺…もう…」
「わかったよ…寺崎。今朝は俺が、学校だからって完全に油断したせいだ…今度からは、きちんと見極めるよ…マジで。だからもうホント、安心しろ。」
そう告げると、寺崎が少しだけ微笑み、表情に血の気が戻った気がした。
「それと僚介…もう一つ、俺自身が保てているうちに、言っておきたいことがあるんだけど…まだ、時間いいか…?」
寺崎が真剣な眼差しで俺を見る。
少し怖い気もしたが、寺崎とは金輪際、おかしな隠し事はなしにした方がいい気がしたので、俺は返事をする。
「うん、いいよ…なんだ…?」
寺崎が、意を決したように俺を見据えて、口を開いた。
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