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食後の珈琲
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「ほい…珈琲… 」
俺は圭一に淹れたてのコーヒーを渡す。
「あ、ありがとうございます。先輩の珈琲って、美味いですよね… うちの家、インスタントばっかで豆からとか挽かないんで、凄いなって思います。面倒じゃないんですか…?」
ふと、夢の内容を思い出す。
そうだ…ミル… 圭一に手を重ねられて…俺は人目が気になり、アワアワしたんだった…。
「全然…面倒じゃないよ…むしろ楽しい…俺の実家近くに、気に入ってよく通ってた喫茶店があってさ…チェーン店とかそういうんじゃなくて、個人…夫婦で経営してる昔ながらの喫茶店、なんだけど」
「あ…やっぱ、うま… はい…喫茶店…?」
圭一が話を聞いているのかいないのか…俺の淹れたコーヒーを美味そうに飲みながら相槌を打つ。
「そこが、本格的な店だから普通に行くと結構高いんだけどさ、俺らには学生割引があって…その店の旦那さんの淹れる珈琲がマジでうまくって… 俺そこに通い始めてから、インスタントあんま飲まなくなったんだ… んで、大学入ってから豆とか色々見て買うようになって… どうせ飲むなら美味い方がいいかなって思って…」
俺は自分のカップを片手に、圭一の横に腰掛ける。
喫茶店を夫婦二人で経営…見るからに人の良い夫婦が経営している本当に居心地の良いお店で、俺は密かに憧れていた…こんな仕事もいいなって…まあ、飲食業だから、そんな甘いものでもないんだろうけど…
「そっかーいいですね…部屋にコーヒーの香り、充満してるし…マジでうまい…」
圭一が満足そうに再びカップに口をつける。
嬉しそうな圭一の顔を見ると俺も幸せな気持ちになる… ふと…思い出した。
そうだ…
あまり時間が経たないうちに田口の話をしとこう…俺は昼間のことを思い出して、口を開く。
「そうだ、圭一、あのさ…今日…な 」
「はい… ?なんですか… ?」圭一がカップをことりと音を立てて、テーブルに置く。
「昼、スーパーに行った帰りに、あの子…田口に会ってさ…あの、この前会った寺崎の彼女、な…」
「… … … はい… … …」
「それで、なんか色々聞かれてさ…寺崎のこととか他にも」
「あの、それって…俺が聞いたほうがいい話ですか…?」
「え… … ? … … 」
圭一の顔が見るからに不機嫌になっている…
会ったことを言うべきじゃなかったのか…?
俺が言葉を無くしていると…
「俺…あの、…田口って子…嫌い…いや、好きじゃないんですよ… 」
「は… … ?」突然の圭一の言葉に驚く。
「なんか…女の色気…みたいなもん、剥き出しにしてるっていうか…自分が可愛いのを自覚して発言…行動してるっていうか…だからあんまり、彼女の話に興味ないっていうか…」
「あ…ああ…」それは、否定できない…
なぜなら俺も…少し…いや、かなり苦手だからだ…
「…んで、なんですか…その子が…?先輩に関係してることなら、全部聞きます…」
「ああ… あのな… 」
俺は圭一に、田口とのやりとりを隠すことなく話した。
だが、圭一は見るからに、更に不機嫌になった…
「 あーー… めんどくさい…先輩…あのですね… 」
ため息をつく圭一…
俺は何か…圭一を怒らせるようなことを言っただろうか…自覚はない… 一体、 どのへんが… …
「え… … ?」
俺は困惑しながら、圭一が続ける言葉を待った。
俺は圭一に淹れたてのコーヒーを渡す。
「あ、ありがとうございます。先輩の珈琲って、美味いですよね… うちの家、インスタントばっかで豆からとか挽かないんで、凄いなって思います。面倒じゃないんですか…?」
ふと、夢の内容を思い出す。
そうだ…ミル… 圭一に手を重ねられて…俺は人目が気になり、アワアワしたんだった…。
「全然…面倒じゃないよ…むしろ楽しい…俺の実家近くに、気に入ってよく通ってた喫茶店があってさ…チェーン店とかそういうんじゃなくて、個人…夫婦で経営してる昔ながらの喫茶店、なんだけど」
「あ…やっぱ、うま… はい…喫茶店…?」
圭一が話を聞いているのかいないのか…俺の淹れたコーヒーを美味そうに飲みながら相槌を打つ。
「そこが、本格的な店だから普通に行くと結構高いんだけどさ、俺らには学生割引があって…その店の旦那さんの淹れる珈琲がマジでうまくって… 俺そこに通い始めてから、インスタントあんま飲まなくなったんだ… んで、大学入ってから豆とか色々見て買うようになって… どうせ飲むなら美味い方がいいかなって思って…」
俺は自分のカップを片手に、圭一の横に腰掛ける。
喫茶店を夫婦二人で経営…見るからに人の良い夫婦が経営している本当に居心地の良いお店で、俺は密かに憧れていた…こんな仕事もいいなって…まあ、飲食業だから、そんな甘いものでもないんだろうけど…
「そっかーいいですね…部屋にコーヒーの香り、充満してるし…マジでうまい…」
圭一が満足そうに再びカップに口をつける。
嬉しそうな圭一の顔を見ると俺も幸せな気持ちになる… ふと…思い出した。
そうだ…
あまり時間が経たないうちに田口の話をしとこう…俺は昼間のことを思い出して、口を開く。
「そうだ、圭一、あのさ…今日…な 」
「はい… ?なんですか… ?」圭一がカップをことりと音を立てて、テーブルに置く。
「昼、スーパーに行った帰りに、あの子…田口に会ってさ…あの、この前会った寺崎の彼女、な…」
「… … … はい… … …」
「それで、なんか色々聞かれてさ…寺崎のこととか他にも」
「あの、それって…俺が聞いたほうがいい話ですか…?」
「え… … ? … … 」
圭一の顔が見るからに不機嫌になっている…
会ったことを言うべきじゃなかったのか…?
俺が言葉を無くしていると…
「俺…あの、…田口って子…嫌い…いや、好きじゃないんですよ… 」
「は… … ?」突然の圭一の言葉に驚く。
「なんか…女の色気…みたいなもん、剥き出しにしてるっていうか…自分が可愛いのを自覚して発言…行動してるっていうか…だからあんまり、彼女の話に興味ないっていうか…」
「あ…ああ…」それは、否定できない…
なぜなら俺も…少し…いや、かなり苦手だからだ…
「…んで、なんですか…その子が…?先輩に関係してることなら、全部聞きます…」
「ああ… あのな… 」
俺は圭一に、田口とのやりとりを隠すことなく話した。
だが、圭一は見るからに、更に不機嫌になった…
「 あーー… めんどくさい…先輩…あのですね… 」
ため息をつく圭一…
俺は何か…圭一を怒らせるようなことを言っただろうか…自覚はない… 一体、 どのへんが… …
「え… … ?」
俺は困惑しながら、圭一が続ける言葉を待った。
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