定時に帰る彼女と、残業しまくる僕

もえこ

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第1章

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彼女の動きには、いつも無駄がない。

彼女が席を立ち上がってから戻るまでに、合計5か所位の部屋を効率的に移動して席に戻る。そんな感じ。

部屋の移動だけじゃない。
作業自体にも無駄がなく、コピーをしている最中にFAX台へ移動し、きているFAXをその場で物凄いスピードで分類し担当者へ配る。

普通の人の2~3倍のスピードで仕事をこなしているようにみえる。つまり僕の4~5倍…

経験年数も僕の方が長いのに、どうしてこうも違うんだろう…

脳の作りか…生まれ持っての能力の違い…?


僕は小さい頃から、2つ上の兄貴と比べられて育ってきた。


兄は成績優秀、運動神経抜群、まあ、顔は中の上…いや、まあ普通にカッコいい…みたいで、家族にも友人にも…もちろん女の子にも、もてはやされていた。

一方の俺は、成績いまいち、運動神経だって、完全に下から数えた方が早い。

…顔は…まあ、自分で言うのはなんだけど兄貴と同じくらいで中の上ちゅう じょう…くらいらしい。 

家族からは、あなたはなんでもお兄ちゃんと比べると、駄目ねぇって…要領が悪くって…でもまあ、顔はお兄ちゃんに負けじと可愛いからなんとかなるわよ…みたいな、そんな位置づけ…でしかない。









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