【完結】人妻の危険な誘い

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まあ…いわゆる、指導だ指導…

決して、なんとかハラスメントじゃあない…

あくまで指導の範囲内で、ビシバシしごいて…
ちょっと勢い余って会社で怒鳴ったり、皆が見ていない時に、どついたり蹴飛ばしたりもしたが…

まあ…このストレス社会と言われる時代に、あの程度の叱咤激励…ボディブローは、軽ーく流してもらわないと…　

まあ、事細かに丁寧に、あくまでアイツ…田代の将来を想って指導してやったつもりで…

なのに…　そうだ…　
マジで俺は色々、思い出してきた…。



田代の残業が、ついに一月で１００時間超えた月の、翌月のはじめに…
遂に、俺が上司に呼び出され、指導されちまった…

俺の…つまりアイツの直属の上司である俺の監督不行き届きとかなんとか言われて…　奴の仕事をフォローしろとか、仕事を任せ過ぎじゃないのかとか、色々話聞いてやれとか…結局完全に、俺のボーナスの査定にも響いて…

もう、最悪でムカつき過ぎて、
俺はある夜、アイツと会社二人きりの時に、言っちまったんだ。

「田代…そんなに仕事さばけないんなら、もう上にばれないようにうまいことサービス残業しろや…ってか、どんだけ要領悪いんだ…
それかいっそ、俺の前から消えてくれよ… 頼むから…」

俺の言葉を聞いたか聞いていないのか

奴は俺を一瞬だけ…まるで死んだ魚のような光のない眼で見つめた後、
無言で、会社を出て行った。
　
なんだアイツ…

上司の言葉を無視しやがって…せめて挨拶して帰れや…          ちっ　　… 

誰もいないオフィスで響く、俺の舌打ちの音…

翌日の金曜日、奴は仕事を無断欠勤した。
土日明けての、月曜

田代は俺のデスクに
不気味な紙切れを一枚、残して
　
　　　突如、この世から消えた。