9 / 538
〜出会い〜
食事の誘い
しおりを挟む
歓迎会の日以降、私は仕事に明け暮れた。
大学を出て、アルバイト以外の仕事経験もなく、本当にわからないことだらけだった。
広報部はパソコンを使うことが日常で、大学で気持ち程度にしかパソコンを触っていなかった私は…本当に覚えることばかりで、日々勉強だった。
杉崎さんと石田さんの指導の下…帰宅したらぐったりでそのままソファーで寝てしまうこともしばしば。
希望の会社に入れたのはいいけど、やっぱり人気の大手企業…簡単に仕事をこなせるようになるほど甘くはないな…と仕事の厳しさを痛感し始めた頃、私は思いがけない人から夕飯のお誘いを受けた。
相手は歓迎会で前の席になった、林智花さん。
何かの折に、彼女が私より6つほど年上だと耳にしたことはあるものの、歓迎会の時以来、席が離れていることもあり、なかなか個人的にゆっくりお喋りする機会はなかった。
それでも、たまたま給湯室やトイレ、休憩室で会った際には、「仕事は慣れた?」とか、「最初から、あまり無理しないようにね」と、にこやかに私に話しかけてくれ、とても良い人だという私の印象は変わるところはなかった。
だから、休憩室でぼーっとコーヒーを飲んでいるときに、彼女から突然、食事のお誘いを受けた時はとても驚いた。係は違えど、初めて職場の人に食事に誘ってもらったことが、本当に嬉しかった。
林さんは仕事が早く、私の返事を受けてすぐにお店の手配をしてくれた。
週末の金曜日…私は珍しく定時であがることを目標に、仕事に優先順位をつけ、急ピッチで動いた。
杉崎さんや石田さんがそんな私の様子を見て、すぐに何か用事があることを察したのか、あまり雑談も降らずに私を送り出してくれた。
「今日は約束か何かかな…?仕事、毎日頑張ってるから、たまにはパーッと、楽しんでおいでよ!」
杉崎さんから、そんな風に声をかけられたので、
「はい!すごく、楽しみにしていた食事会なんです、お先にすみません、行ってきます~」
そう言って、職場を後にした。
お店には6時に現地集合となっていて、まだかなり早いため、私はゆっくりと店へ向かって歩いた。
スペイン料理のお洒落なお店の看板を見つけて、少し時間より早目にお店に入ると、林さんは既にお店の一番奥の席についていた。私にひらひらと手を振りながら「お疲れ様~仕事、大丈夫だった…?」と笑顔を向けてくれる。
「はい!大丈夫です、お待たせしました!失礼します。」少し緊張しながらも、向かいの席に着く。
そのお店は林さんの行きつけのお店らしく、お店の一番の人気メニューのパエリアをメインに、前菜、スープ、サラダなどを注文して料理を待つ間、先にスパークリングワインで乾杯して、私達は話を始めた。
大学を出て、アルバイト以外の仕事経験もなく、本当にわからないことだらけだった。
広報部はパソコンを使うことが日常で、大学で気持ち程度にしかパソコンを触っていなかった私は…本当に覚えることばかりで、日々勉強だった。
杉崎さんと石田さんの指導の下…帰宅したらぐったりでそのままソファーで寝てしまうこともしばしば。
希望の会社に入れたのはいいけど、やっぱり人気の大手企業…簡単に仕事をこなせるようになるほど甘くはないな…と仕事の厳しさを痛感し始めた頃、私は思いがけない人から夕飯のお誘いを受けた。
相手は歓迎会で前の席になった、林智花さん。
何かの折に、彼女が私より6つほど年上だと耳にしたことはあるものの、歓迎会の時以来、席が離れていることもあり、なかなか個人的にゆっくりお喋りする機会はなかった。
それでも、たまたま給湯室やトイレ、休憩室で会った際には、「仕事は慣れた?」とか、「最初から、あまり無理しないようにね」と、にこやかに私に話しかけてくれ、とても良い人だという私の印象は変わるところはなかった。
だから、休憩室でぼーっとコーヒーを飲んでいるときに、彼女から突然、食事のお誘いを受けた時はとても驚いた。係は違えど、初めて職場の人に食事に誘ってもらったことが、本当に嬉しかった。
林さんは仕事が早く、私の返事を受けてすぐにお店の手配をしてくれた。
週末の金曜日…私は珍しく定時であがることを目標に、仕事に優先順位をつけ、急ピッチで動いた。
杉崎さんや石田さんがそんな私の様子を見て、すぐに何か用事があることを察したのか、あまり雑談も降らずに私を送り出してくれた。
「今日は約束か何かかな…?仕事、毎日頑張ってるから、たまにはパーッと、楽しんでおいでよ!」
杉崎さんから、そんな風に声をかけられたので、
「はい!すごく、楽しみにしていた食事会なんです、お先にすみません、行ってきます~」
そう言って、職場を後にした。
お店には6時に現地集合となっていて、まだかなり早いため、私はゆっくりと店へ向かって歩いた。
スペイン料理のお洒落なお店の看板を見つけて、少し時間より早目にお店に入ると、林さんは既にお店の一番奥の席についていた。私にひらひらと手を振りながら「お疲れ様~仕事、大丈夫だった…?」と笑顔を向けてくれる。
「はい!大丈夫です、お待たせしました!失礼します。」少し緊張しながらも、向かいの席に着く。
そのお店は林さんの行きつけのお店らしく、お店の一番の人気メニューのパエリアをメインに、前菜、スープ、サラダなどを注文して料理を待つ間、先にスパークリングワインで乾杯して、私達は話を始めた。
1
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる