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〜互いの意識〜

罪な男

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「はい…お水で良かったかな…大丈夫?」
杉崎さんが、ミネラルウォーターを私に差し出してくれる。

「あ…ありがとうございます。なんだか突然、くらくらきちゃいました…すみません…」

めまいの原因は最初、飲んだお酒のせいだと思っていたが、食後のプリンかもしれない…。
大人のプリンという品書きで、カラメルソースにリキュールを混ぜているとの説明があったからだ…リキュールなんて、普段は口にしない…、だからか…。

ああ…足止めをしてしまい、杉崎さんに申し訳ない…。

「あの…すみません、杉崎さんお急ぎでしたら、先に帰っていただいていいですよ…ちょっとしばらく、動けそうにないです…そのへんでタクシー拾えると思うので、一人でも全然…」

言いかけると、杉崎さんが呆れたような顔で私を見て、言葉をかぶせてくる。

「何言ってるの…?水無月さん…こんな暗い公園に女の子一人、しかもそんな状態で置いていけるわけないよ…危な過ぎ…。俺が去った途端、変な奴に襲われてもおかしくない…物騒な世の中なんだから…そんな無防備なこと、言っちゃだめ…」

軽く、怒られた…?

でも、彼女でもないのに、私を一人の女の子として扱ってくれる発言で、私は密かに嬉しくなる。
でもまあ、杉崎さんはもともと、こういう男性なのだ…全ての人に優しい…。
だから…勘違いは禁物だ…。

「はい…そうですね、気をつけます…ありがとうございます。ふぅ…」

水を口にして、幾分…楽になってきた気がする…。

「それにしても、もうすぐですね…旅行…無事に過ぎ去るといいですね…」
私が独り言のように呟くと、

「そうだね…終わりさえすれば、任務完了だ…でもまあ…俺は…ある意味…」
杉崎さんが少しだけ、言葉を濁す…。

… ? …続きを待っていると、

「俺はある意味、今回幹事で良かったよ。水無月さんとドライブとか、色々…ほんと勝手にデート気分で俺は楽しかったよ、ありがとう…」

杉崎さんがそう言って、私を見る。

ドキリ…と、心臓が鳴る…。
また…私の心を惑わす発言…。

杉崎さんという…カッコよくて誰もが認める魅力的な男性が…
彼女もいるのに、他の女性に…私に、こんな風な発言をするのは…ある意味、罪だ…。

私は口を開く。



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