【完結 R18】ほかに相手がいるのに

もえこ

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~拓海~

自答

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本当は何度も、きっぱり断る機会があったはずだ…。

最初の一回…あの夜はともかく、

それ以降、
瑠衣が初めて、俺におかずを作って持ってきてくれた時も…
そもそもノックをされた時にドアスコープで瑠衣だと確認できた時点で、
無視を…居留守を、決め込むことだってできたはずだ…。

それなのに、俺は… ドアを開けて、出てしまった…
彼女を出迎えた…それも、何度も、何度もだ…。

理由は、簡単なことだ…。

最初の瑠衣の、それが… 瑠衣にされたそれが… あまりにも衝撃で…あまりにも
快感で… 忘れられなかった…からだ…。

もしかしたらまた…あんな風にしてもらえるチャンスがあるかもしれない… 
またあの時の、信じられないほどの快楽を、得られるかもしれない…。

そんな、男のどうしようもない淫らな欲望が…
いやらしい考えが…
頭の隅にあったのかもしれない…
いや、かもしれないじゃない…  きっと、そうなのだ…。

葉月は普段から控え目でおとなしく、特にセックスの際は消極的なタイプで…
自ら、俺に何かしようとすることは今までに、一度だってなかった。
口でなんて…フェラなんて、絶対にありえないし、手で…指でさえも…葉月が自ら俺のものに触れてきたことすらなかった、くらいだ…。

あまりに、瑠衣は葉月と違い過ぎて…ほんと、真逆で…
だから、それが新鮮だった。
攻められることに慣れていなかった俺が、
本当に初めて、女から丁寧に愛撫されることの気持ち良さを…知ってしまった…。

俺の、知らなかった世界… 抗えない快感… 攻められるような感覚…
AVの中だけの話じゃなかったんだな…。

俺は、はからずも瑠衣にそれを…教わってしまったのだ。
やはり、ある意味瑠衣は…俺の、先生…なのかも、しれなかった…。

「 …拓海くん… ごめん、お待たせ… 」

気付けば、バスタオルを巻いた、少しのぼせたのか、ほんのり紅い顔をした瑠衣が、
ベッドの脇に立っていた… 

タオル地からのぞく、白い…ももと、すらっと伸びた長い脚… 

胸の谷間に…  くらりとした…

駄目だ…もう、今は何も考えられない…。

「瑠衣、…こっち、きて…」俺は瑠衣の手をつかんで、

        いつになく強引に、彼女を引き寄せた…。






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