ある女の苦悩

外の世界

感覚

「あっ… あっ　　んっ… やめ、…」

「…やめて…？ここを、こんなにして…何を言っているんですか… 体は正直ですね… ほら、ここですよ…ここ… 」

「ああっ…  ん、んっ…」

「ここが…いいんでしょう？なんともわかりやすい人だ… 言葉では嫌々と言っていても、体の反応で、すぐにわかりますよ…」

男は私を恥ずかしいほどに言葉で嬲りながら、私の中に容易く入り…巧みに腰を動かした…

男の動作に思わず腰を引こうとしても、がっしりとその腕が私の体を離さない…

密着したままで、中を強めに抉られ、思わず悲鳴をあげそうになる。

「ひ、あっ…  や…   あ…」

「なんです…？そんなに嫌なら、今すぐやめましょうか…僕は構いませんよ…  我慢は効く方なんでね…」

やめる…？

無理だ…
やめてほしくない…
今、中途半端なまま、この体を投げ出されるわけにはいかない… もはや、我慢できない…

さきほどから、微弱な快楽の波が私の体の中を静かに揺らし始めている…

夫に長いこと触れられていない体が…男に侵入され…揺さぶられ…明らかに歓喜の声を上げているのがわかる…。

そうだ…

こうだった…  これだ…忘れていた感覚…

男に抱かれること…
男に狂おしく…甘く…激しく、求められること…
浅く…深く…突き上げられること…

忘れていた…
完全に、記憶の彼方に押し込められていたこの感覚を…  

私はその日、やっと、取り戻そうとしていた…。