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世代交代
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二回生を3人加えた化学研究室は頭数だけであれば他の魔術を研究している研究室と並ぶ存在となった。
だが化学研究室が不完全であると言われている原因、それは「教育者の不在」であった。
魔術師の師弟関係は基本的に「ギブアンドテイク」だ。
「魔術を教える代わりに研究を手伝ってね」というのが当たり前の師弟関係だ。
化学研究室に洋子先輩しかいなかった理由は教授の教育放棄にあった。
研究は手伝うし研究室の留守番もするし新人の世話もするけど何の見返りも求めない、という洋子先輩はかなり異質のお人好しであった。
洋子先輩はよその研究室を知らない。
かなり洋子先輩は魔術師として変わっていたが大宣や小紫さんはもちろん、身内に魔術を教わっていて他人を師匠にした事がない菅原さんも「こういうもんかも」と思っていた。
化学研究室と敵対している存在は少なくない。
魔術研究室同士は普通仲が悪い。
昔から「真理に触れられるのは一人だけだ」と言われているからだ。
師匠すら弟子を信用していない事も多い。
つまり魔術師はほかの魔術師を追い落とそうとしている。
同じ研究室内でも他の魔術師を出し抜こうとしているほどだ、他の研究室と仲が良い訳がない。
弱みを見せると、そこを必ずといって良いくらいついてくるのが魔術師だ。
魔術にも盛衰がある。
魔術自体が衰退した物ではあったが、衰退した物の中にも流行り廃りのようなものがあるのだ。
アメリカの航空戦術の前に成す術なく消えていった大艦巨砲主義ではあるが、スペインの無敵艦隊を倒したのはイギリスの艦隊であった。
衰退すべき物の中にも優劣は存在する。
いや衰退すべき物だからこそ生残りを賭けて、他の時代遅れな物を追い落とそうとするのかも知れない。
化学研究室は魔術研究の中では進歩的であった。
「いままで存在しなかった魔術を作ろう」という研究室であった。
それを快く思わない者も多い。
「魔術とはこうあるべきだ」という旧態依然とした態度の研究室も珍しくない。
以前化学研究室にちょっかいをかけてきた倫理学研究室はその傾向が強く、使っている魔術も「式神」や「石兵八陣」など古来の物がほとんどであった。
「アンタらの時代は終わった」と新世代の者が旧世代の者に引導を渡そうとする。
「まだまだお前らには負けない」と、それに対し旧世代の者が踏ん張り全力を尽くす。
ある意味この切磋琢磨こそが業界を発展させると言えなくもないが、魔術師に関しては相手を根絶やしにしてしまうので負けの教訓などはないし、「失敗を次に活かす」などと思うのは墓の下だ。
「化学研究室が暗殺者を撃退したみたいよ?」
「アイツら着実に力を付けているね。
もう暗殺者みたいな魔術師じゃない連中じゃ手に負えないところまでレベルアップしてるみたいね」
「どうするの?人数も増えたみたいだし一大勢力になるかもよ?」
「まあ慌てなさんなって。
コイツらだって弱点がない訳じゃない」
「弱点?」
「そう、コイツらの弱点は・・・『ド素人 佐々木大宣』」
洋子先輩は小紫さんに付きっきりだった。
菅原さんは一人での修行方法を知っていた。
大宣だけが何をして良いかわからず、指導者のいない初心者であった。
つまり大宣は「化学研究室の泣き所」だったのだ。
そのウィークポイントを突かないほど、敵対研究室は甘くない。
だが化学研究室が不完全であると言われている原因、それは「教育者の不在」であった。
魔術師の師弟関係は基本的に「ギブアンドテイク」だ。
「魔術を教える代わりに研究を手伝ってね」というのが当たり前の師弟関係だ。
化学研究室に洋子先輩しかいなかった理由は教授の教育放棄にあった。
研究は手伝うし研究室の留守番もするし新人の世話もするけど何の見返りも求めない、という洋子先輩はかなり異質のお人好しであった。
洋子先輩はよその研究室を知らない。
かなり洋子先輩は魔術師として変わっていたが大宣や小紫さんはもちろん、身内に魔術を教わっていて他人を師匠にした事がない菅原さんも「こういうもんかも」と思っていた。
化学研究室と敵対している存在は少なくない。
魔術研究室同士は普通仲が悪い。
昔から「真理に触れられるのは一人だけだ」と言われているからだ。
師匠すら弟子を信用していない事も多い。
つまり魔術師はほかの魔術師を追い落とそうとしている。
同じ研究室内でも他の魔術師を出し抜こうとしているほどだ、他の研究室と仲が良い訳がない。
弱みを見せると、そこを必ずといって良いくらいついてくるのが魔術師だ。
魔術にも盛衰がある。
魔術自体が衰退した物ではあったが、衰退した物の中にも流行り廃りのようなものがあるのだ。
アメリカの航空戦術の前に成す術なく消えていった大艦巨砲主義ではあるが、スペインの無敵艦隊を倒したのはイギリスの艦隊であった。
衰退すべき物の中にも優劣は存在する。
いや衰退すべき物だからこそ生残りを賭けて、他の時代遅れな物を追い落とそうとするのかも知れない。
化学研究室は魔術研究の中では進歩的であった。
「いままで存在しなかった魔術を作ろう」という研究室であった。
それを快く思わない者も多い。
「魔術とはこうあるべきだ」という旧態依然とした態度の研究室も珍しくない。
以前化学研究室にちょっかいをかけてきた倫理学研究室はその傾向が強く、使っている魔術も「式神」や「石兵八陣」など古来の物がほとんどであった。
「アンタらの時代は終わった」と新世代の者が旧世代の者に引導を渡そうとする。
「まだまだお前らには負けない」と、それに対し旧世代の者が踏ん張り全力を尽くす。
ある意味この切磋琢磨こそが業界を発展させると言えなくもないが、魔術師に関しては相手を根絶やしにしてしまうので負けの教訓などはないし、「失敗を次に活かす」などと思うのは墓の下だ。
「化学研究室が暗殺者を撃退したみたいよ?」
「アイツら着実に力を付けているね。
もう暗殺者みたいな魔術師じゃない連中じゃ手に負えないところまでレベルアップしてるみたいね」
「どうするの?人数も増えたみたいだし一大勢力になるかもよ?」
「まあ慌てなさんなって。
コイツらだって弱点がない訳じゃない」
「弱点?」
「そう、コイツらの弱点は・・・『ド素人 佐々木大宣』」
洋子先輩は小紫さんに付きっきりだった。
菅原さんは一人での修行方法を知っていた。
大宣だけが何をして良いかわからず、指導者のいない初心者であった。
つまり大宣は「化学研究室の泣き所」だったのだ。
そのウィークポイントを突かないほど、敵対研究室は甘くない。
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