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真相
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「お母さんはお父さんの仇をとろうとしてたの」と葵ちゃん。
「お父さんを倒した相手を殺すのに自分では力不足・・・だから私を破壊兵器にしようとしていたという訳ね」
「子供の頃、お父さんが生きてた頃からお母さんはおかしかったわ。
子供に父親が愛情を注ぐのを嫉妬するの。
その異常性はお父さんが殺された事で更に加速したわ。
その時に私は子供ではなく仇を殺すための兵器としてお母さんに扱われ続けた。
その中の実験で私はお母さんにあらゆる毒を飲まされ続けた。
毒が効いて『もう楽に死ねる』と思った頃に解毒の魔術がかけられ一命をとりとめたの。
私は死ぬ事も許されていなかったの」葵ちゃんは語る。
この虐待の記憶は魔術に関する記憶ではない。
なのでおそらく失っていた記憶ではないだろう。今まで誰にも大宣にも言えずひたすら隠してきた記憶なのだ。
大宣はこの事を葵ちゃんに語らせる事を申し訳なく思った。
「でもね、仇討ちにはどうやっても私の力は不足していたの。
当然よね、お父さんですら勝てなかった相手なんだから。
お母さんはしょうがなく魔術実験を凍結したの。
ただ一つ問題が残ったの。
それは仇と刺し違えて死ぬはずの破壊兵器の出来損ないが生きている事。
お母さんは破壊兵器の出来損ないが恨みを抱いて自分を殺そうとする事を危惧したわ。
それで私は魔術に関する記憶に鍵をお母さんにかけられたって訳。
魔術が使えなかったら復讐なんて出来ないからね。
お母さんが私の生活に関わらないなら復讐する気なんでなかったんだけど・・・お母さんはそうは思わなかったみたいね」葵ちゃんは寂しそうに呟いた。
「ちょっと待って!
葵ちゃんが記憶を失っていた理由も魔術師じゃなかった理由も理解出来た。
でも早坂教授が今さら葵ちゃんの記憶の鍵を開けようとしたのは何で?」大宣は葵ちゃんに聞いた。
「大ちゃんが私と戦った時、当時私がこなしていた修行カリキュラム以外の行動はしなかったでしょ?
洗脳魔術ではプログラムされた事と本人が無意識でする事以外の行動は出来ないの。
つまり、お母さんは私に破壊兵器としての行動をプログラムしている時間はなかったって事ね。
一度魔術に関する記憶に鍵をかけた役立たずの私ですら利用しなきゃいけないほど切羽詰まった状態なのに、私にプログラムをする余裕がないほど時間がなかった・・・という事ね」と葵ちゃん。
「そんなに早坂教授は急いで・・・何が起ころうとしていたの?」と大宣。
「お父さんを殺した連中が動き始めたの」と葵ちゃん。
「お父さんの仇って?」と大宣。
葵ちゃんはゆっくりと答えた。
「それは・・・科学研究室よ」
「お父さんを倒した相手を殺すのに自分では力不足・・・だから私を破壊兵器にしようとしていたという訳ね」
「子供の頃、お父さんが生きてた頃からお母さんはおかしかったわ。
子供に父親が愛情を注ぐのを嫉妬するの。
その異常性はお父さんが殺された事で更に加速したわ。
その時に私は子供ではなく仇を殺すための兵器としてお母さんに扱われ続けた。
その中の実験で私はお母さんにあらゆる毒を飲まされ続けた。
毒が効いて『もう楽に死ねる』と思った頃に解毒の魔術がかけられ一命をとりとめたの。
私は死ぬ事も許されていなかったの」葵ちゃんは語る。
この虐待の記憶は魔術に関する記憶ではない。
なのでおそらく失っていた記憶ではないだろう。今まで誰にも大宣にも言えずひたすら隠してきた記憶なのだ。
大宣はこの事を葵ちゃんに語らせる事を申し訳なく思った。
「でもね、仇討ちにはどうやっても私の力は不足していたの。
当然よね、お父さんですら勝てなかった相手なんだから。
お母さんはしょうがなく魔術実験を凍結したの。
ただ一つ問題が残ったの。
それは仇と刺し違えて死ぬはずの破壊兵器の出来損ないが生きている事。
お母さんは破壊兵器の出来損ないが恨みを抱いて自分を殺そうとする事を危惧したわ。
それで私は魔術に関する記憶に鍵をお母さんにかけられたって訳。
魔術が使えなかったら復讐なんて出来ないからね。
お母さんが私の生活に関わらないなら復讐する気なんでなかったんだけど・・・お母さんはそうは思わなかったみたいね」葵ちゃんは寂しそうに呟いた。
「ちょっと待って!
葵ちゃんが記憶を失っていた理由も魔術師じゃなかった理由も理解出来た。
でも早坂教授が今さら葵ちゃんの記憶の鍵を開けようとしたのは何で?」大宣は葵ちゃんに聞いた。
「大ちゃんが私と戦った時、当時私がこなしていた修行カリキュラム以外の行動はしなかったでしょ?
洗脳魔術ではプログラムされた事と本人が無意識でする事以外の行動は出来ないの。
つまり、お母さんは私に破壊兵器としての行動をプログラムしている時間はなかったって事ね。
一度魔術に関する記憶に鍵をかけた役立たずの私ですら利用しなきゃいけないほど切羽詰まった状態なのに、私にプログラムをする余裕がないほど時間がなかった・・・という事ね」と葵ちゃん。
「そんなに早坂教授は急いで・・・何が起ころうとしていたの?」と大宣。
「お父さんを殺した連中が動き始めたの」と葵ちゃん。
「お父さんの仇って?」と大宣。
葵ちゃんはゆっくりと答えた。
「それは・・・科学研究室よ」
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