超科学

海星

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番外編 昔話

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 ある一人の魔術師見習いの少女が一人の倒れている男に出会いました。

 少女は倒れている男を懸命に看護しました。

 男は意識はあるものの数週間朦朧としていました。

 少女は男の体を拭くだけでなく、懸命に食事を食べさせ話しかけました。

 少女の懸命の看護が実り、男は徐々に意識をハッキリさせていきました。

 男は記憶を失っていましたが若い二人の男女が恋に落ちるのは必然でした。

 やがて大学を卒業し大学院に進学したばかりの魔術師見習いの少女は子供を身ごもりました。

 全てが順調に回り始めたと思われた頃、男が記憶を取り戻しました。

 男は科学者だったのです。

 二人は周囲に引き離されました。

 当時も今も変わらず魔術師と科学者は相容れなかったのです。




 少女は周りの猛反対を振り切り科学者の子供を産みます。

 そして少女の研究課題は「魔術と科学の融合」でした。

 それはまるで「科学者と魔術師は共存出来る」という事を証明しようとしているようでした。

 少女は研究をある程度ひと段落させると、科学者を追い魔術師としての未来を捨てどこかへ行ってしまったと言います。





 その後の話は様々な噂があり、どれが本当かは定かではありません。

 ただわかっている事・・・それは

 「少女の研究論文『魔術と科学の融合』の行方がわからない」という事。

 そして論文がなくなったのと同じタイミングで「科学研究室」が魔術を研究し始めた事。

 そしてその「科学研究室」は「化学研究室」の早坂教授を倒すほどの強い力を持っているという事だ。 
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