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大輔の記憶が戻った・・・瑞江は一瞬だけ歓喜したという。
その後瑞江は大輔の口から「自分は科学者だ」と聞かされたらしい。
瑞江はその事で大輔と別離する事は一切考えず、科学者と魔術師の共存を研究課題にしたらしい。
その時に書いていた論文が『魔術と科学との融合』だった・・・という訳である。
大輔は科学者として復職せず、家族達と生きていく道を選んだ。
大宣が知っている大輔が科学者でなく普通の会社員であるのはその時の決意のせいだ。
瑞江も魔術師を辞めるつもりだったらしい。
だが裏社会を知ってしまった者が「やめます」と一言いって「はい、そうですか」と辞めさせてもらえるほど魔術師の世界は甘い世界ではない。
結局、瑞江は魔術師を辞める事は出来ずに研究室に残ったらしい。
周囲に二人は別離を強く勧められたという。
過去に何度か一般人と魔術師は交際をしたが一度も幸せな結末を迎えた事はなかったのだ。
まして大輔は元科学者だ。
そして瑞江を自分の物にしようとしている教授には大輔は目の上のたんこぶだったのだ。
ノーベルがダイナマイトを平和利用の目的で発明しても周囲は兵器開発にノーベルの発明を使ったように、瑞江は平和的な魔術と科学の共存を望んでいたが、研究成果は思っていない方向に発展した。
「魔術で大きな力を行使するには、大きな魔力が必要だ。
身の丈に合わない大きな力を行使するには大きな魔力を借りて来なくてはならない。
借りた力は返せない時は自分の命を対価にしなくてはならない事もある」この魔術の常識を瑞江の研究は覆した。
「魔力の代わりに科学による動力源を使う」この研究は最初「命を対価とせずに大魔術を行使出来る」という「この研究が成功すれば誰も死ななくて良くなる」という瑞江の思いだった。
だが「命の危機なしで大魔術を打てる」この事実を知った魔術師が放っておく訳がない。
この論文を軍事利用しようと最初にしたのは化学研究室の教授であった。
全ての魔術師が自分の論文を平和的にではなく、軍事利用しようとすると知った瑞江は論文を破棄しようとした。
その事を知った教授は研究を再開させようと佐々木大輔を人質に取る。
教授は「紗季が自分の子供であると認知する代わりに、大輔を籠絡せよ」と石動和美に司令を出す。
事実婚の状態にはあったが、戸籍がわからなかった大輔は瑞江とまだ籍は入れられずにいた。
和美は魅惑の魔術で大輔を籠絡、婚姻関係を大輔と結ぶと大輔に瑞江の事を忘れさせた。
こうして大輔と和美は愛のない結婚生活を送る事になる。
大輔には魅惑の魔術がかかっていて、和美の言いなり・・・のはずなのに、大輔が和美を肉体的に求める事はなかった。
こうして瑞江はほぼ研究室に軟禁状態で、大輔の命と引き換えに『魔術と科学の融合』を研究させられ続けた。
これが大宣が「母親が行方不明になった」「父親が子連れの後妻と再婚した」と認識している真相である。
そしてその後、早坂教授の旦那は何者かにより殺され、時を同じくして瑞江は行方不明になる。
「なるほど、だけど一つどうしても理解出来ない事があるんだけど」大宣は林田さんに尋ねた。
「父さんと和美さんが偽りの結婚生活を続けているのはどうしてだ?
早坂教授の旦那さんが死んで母さんが行方不明になった時点で和美さんが父さんを人質に取っている理由はもうないはずだと思うけど?」
林田さんは大宣をチラリと見ると言った。
「まどかちゃんはアンタに殺されるちょっと前に私に電話で警告したのよ。
『ユダはすぐ近くにいる。
和美ちゃんに気を付けろ』・・・って」
その後瑞江は大輔の口から「自分は科学者だ」と聞かされたらしい。
瑞江はその事で大輔と別離する事は一切考えず、科学者と魔術師の共存を研究課題にしたらしい。
その時に書いていた論文が『魔術と科学との融合』だった・・・という訳である。
大輔は科学者として復職せず、家族達と生きていく道を選んだ。
大宣が知っている大輔が科学者でなく普通の会社員であるのはその時の決意のせいだ。
瑞江も魔術師を辞めるつもりだったらしい。
だが裏社会を知ってしまった者が「やめます」と一言いって「はい、そうですか」と辞めさせてもらえるほど魔術師の世界は甘い世界ではない。
結局、瑞江は魔術師を辞める事は出来ずに研究室に残ったらしい。
周囲に二人は別離を強く勧められたという。
過去に何度か一般人と魔術師は交際をしたが一度も幸せな結末を迎えた事はなかったのだ。
まして大輔は元科学者だ。
そして瑞江を自分の物にしようとしている教授には大輔は目の上のたんこぶだったのだ。
ノーベルがダイナマイトを平和利用の目的で発明しても周囲は兵器開発にノーベルの発明を使ったように、瑞江は平和的な魔術と科学の共存を望んでいたが、研究成果は思っていない方向に発展した。
「魔術で大きな力を行使するには、大きな魔力が必要だ。
身の丈に合わない大きな力を行使するには大きな魔力を借りて来なくてはならない。
借りた力は返せない時は自分の命を対価にしなくてはならない事もある」この魔術の常識を瑞江の研究は覆した。
「魔力の代わりに科学による動力源を使う」この研究は最初「命を対価とせずに大魔術を行使出来る」という「この研究が成功すれば誰も死ななくて良くなる」という瑞江の思いだった。
だが「命の危機なしで大魔術を打てる」この事実を知った魔術師が放っておく訳がない。
この論文を軍事利用しようと最初にしたのは化学研究室の教授であった。
全ての魔術師が自分の論文を平和的にではなく、軍事利用しようとすると知った瑞江は論文を破棄しようとした。
その事を知った教授は研究を再開させようと佐々木大輔を人質に取る。
教授は「紗季が自分の子供であると認知する代わりに、大輔を籠絡せよ」と石動和美に司令を出す。
事実婚の状態にはあったが、戸籍がわからなかった大輔は瑞江とまだ籍は入れられずにいた。
和美は魅惑の魔術で大輔を籠絡、婚姻関係を大輔と結ぶと大輔に瑞江の事を忘れさせた。
こうして大輔と和美は愛のない結婚生活を送る事になる。
大輔には魅惑の魔術がかかっていて、和美の言いなり・・・のはずなのに、大輔が和美を肉体的に求める事はなかった。
こうして瑞江はほぼ研究室に軟禁状態で、大輔の命と引き換えに『魔術と科学の融合』を研究させられ続けた。
これが大宣が「母親が行方不明になった」「父親が子連れの後妻と再婚した」と認識している真相である。
そしてその後、早坂教授の旦那は何者かにより殺され、時を同じくして瑞江は行方不明になる。
「なるほど、だけど一つどうしても理解出来ない事があるんだけど」大宣は林田さんに尋ねた。
「父さんと和美さんが偽りの結婚生活を続けているのはどうしてだ?
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林田さんは大宣をチラリと見ると言った。
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