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野心
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「『どうしてお前が早坂教授を自分が殺したと知っているんだ?』って顔だね。
まどかちゃんは死ぬ前に私に『研究室の学生と戦うかも知れないから力を貸して欲しい』って言ってきたんだよ。
たいした力にもなれないから断ったんだけどね。
・・・で、私のとこに来たのがまどかちゃんじゃなくて『まどかちゃんに殺されたはずのアンタら』だったらどっちが勝ってどっちが死んだかわからないほどバカじゃないよ」林田さんは言った。
「まあいいや。
アンタらだっておかしいと思った事もいくつかあっただろう?
『何で瑞江ちゃんは科学の知識もないのに科学を研究出来たのか?』とかね。
答えは簡単さ。
瑞江ちゃんは科学を教わるかわりに科学者に魔術を教えていたのさ。
その科学者が誰かなんてのは言うまでもないね。
論文は瑞江ちゃんと一緒にどこかへ行ってしまったけど、瑞江ちゃんに科学を教えてた共同研究者は和美ちゃんのコントロール下にある。
化学研究室を裏切ってまどかちゃんを殺したのは和美ちゃんだよ。
おそらくまどかちゃんの旦那さんを殺したのもね 」
大宣はにわかには信じられなかった。
「和美ちゃんは早坂教授の旦那を愛していたんじゃないか?
早坂教授の旦那の言う事を聞いて佐々木大輔と偽装結婚したんじゃないか?って疑問に思ってる顔だね。
最初はその通りだったかもしれないね。
だけど気持ちが醒めた後、和美ちゃんの魔術師としての野心が目覚めたって何もおかしくないだろう?
『殺した男は昔愛した男だった。
そして自分の手元には最強の魔術師になれる切り札がある。
師匠殺しは確かに重罪だが、和美ちゃんが殺したという確証はない』
という事さね」と林田さんは言った。
しかしわからない事もいくつか存在する。
それだけの話であれば『科学研究室』は絡んでこない。
瑞江の所在も不明だ。
大輔がどこまで和美に研究成果を明かしたのかも不明だ。
早坂教授は科学研究室の怪しい動きを察知して、今回アクションを起こした。
そのアクションの中で葵ちゃんを早坂教授が利用しようとした事で、大宣は今回の騒動に巻き込まれた。
和美は早坂教授のコントロール下にはなかった。
その証拠に早坂教授は科学研究室と戦うのに和美の力は借りず、葵ちゃんを戦わせようとした。
様々な事が明らかになりつつある。
だがここまでわかった話に『科学研究室』というワードは一切出て来ない。
「わからない事もたくさんある。
先ずはコントロールされている父さんを助け出して、真相を義母さんに聞くしかないな」大宣はそう呟いた。
まどかちゃんは死ぬ前に私に『研究室の学生と戦うかも知れないから力を貸して欲しい』って言ってきたんだよ。
たいした力にもなれないから断ったんだけどね。
・・・で、私のとこに来たのがまどかちゃんじゃなくて『まどかちゃんに殺されたはずのアンタら』だったらどっちが勝ってどっちが死んだかわからないほどバカじゃないよ」林田さんは言った。
「まあいいや。
アンタらだっておかしいと思った事もいくつかあっただろう?
『何で瑞江ちゃんは科学の知識もないのに科学を研究出来たのか?』とかね。
答えは簡単さ。
瑞江ちゃんは科学を教わるかわりに科学者に魔術を教えていたのさ。
その科学者が誰かなんてのは言うまでもないね。
論文は瑞江ちゃんと一緒にどこかへ行ってしまったけど、瑞江ちゃんに科学を教えてた共同研究者は和美ちゃんのコントロール下にある。
化学研究室を裏切ってまどかちゃんを殺したのは和美ちゃんだよ。
おそらくまどかちゃんの旦那さんを殺したのもね 」
大宣はにわかには信じられなかった。
「和美ちゃんは早坂教授の旦那を愛していたんじゃないか?
早坂教授の旦那の言う事を聞いて佐々木大輔と偽装結婚したんじゃないか?って疑問に思ってる顔だね。
最初はその通りだったかもしれないね。
だけど気持ちが醒めた後、和美ちゃんの魔術師としての野心が目覚めたって何もおかしくないだろう?
『殺した男は昔愛した男だった。
そして自分の手元には最強の魔術師になれる切り札がある。
師匠殺しは確かに重罪だが、和美ちゃんが殺したという確証はない』
という事さね」と林田さんは言った。
しかしわからない事もいくつか存在する。
それだけの話であれば『科学研究室』は絡んでこない。
瑞江の所在も不明だ。
大輔がどこまで和美に研究成果を明かしたのかも不明だ。
早坂教授は科学研究室の怪しい動きを察知して、今回アクションを起こした。
そのアクションの中で葵ちゃんを早坂教授が利用しようとした事で、大宣は今回の騒動に巻き込まれた。
和美は早坂教授のコントロール下にはなかった。
その証拠に早坂教授は科学研究室と戦うのに和美の力は借りず、葵ちゃんを戦わせようとした。
様々な事が明らかになりつつある。
だがここまでわかった話に『科学研究室』というワードは一切出て来ない。
「わからない事もたくさんある。
先ずはコントロールされている父さんを助け出して、真相を義母さんに聞くしかないな」大宣はそう呟いた。
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