超科学

海星

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発電

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    話は数ヶ月前大宣達が二回生になり、化学研究室に入ったばかりの頃に遡る。

    「魔術は4つの元素から成り立っているわ」

    「でも化学でいう『元素』と魔術でいう『元素』は似て否なる物よ」

    「化学で言う『元素』と言うと『水素』などね。

    魔術で言うと『水』になるわ。

    魔術は元素記号が生まれる遥か太古の昔から存在するわ。

    概念がところどころ古いのよ。

    魔術で言う元素はエネルギーを秘めている存在の事なの。

    何て言えばいいのかしら?そうねえ、そのエネルギーは発電に利用されるわ。

    火力発電・・・水力発電・・・風力発電・・・地熱発電・・・『火・水・風・土』これらは発電エネルギーになるのよ。

    それ以外にも沢山エネルギーを産む発電技術があると思うじゃない?

    バイオエネルギー・・・細菌にガスを発生させるにしても、農作物からアルコールを作るにしても結局それらは燃やされるのよ、火力発電との違いは『何を燃やすか?』それだけね。

    石炭を燃やすのか、化石燃料を燃やすのか、ガスを燃やすのか、アルコールを燃やすのか・・・それらは大きく見て全て火力発電と同じなのよ。

     太陽光発電なんてものもあるけど、光のエネルギーを魔術にする技術はすでにあるわ。

    早坂教授はその魔術を先祖代々引き継いでるわね」洋子先輩は『魔術とは何か?』を丁寧に説明した。

    「細かい目で見ると発電方法なんて無限にあるわ。

    スタンドを立てた自転車を必死でこいで発電する人力発電だってあるわ。

    魔術も一緒よ。

    何の力を利用して魔術を行使するか・・・細かい事を言えばきりがない。

    大まかに力を分けた時、力は『火・水・風・土』の4つに分けられるのよ」

    「4つの力が魔術じゃなくても、発電エネルギーに利用されるほど強大だって事は理解しました。

    でももう一つ大きな発電方法があるんじゃないですか?

    原子力発電が抜けているんじゃないですか?」大宣は洋子先輩に言った。

    「今現在、原子力のエネルギーを利用した魔術はないわ。

    魔術は太古の昔からの技術なの。

    それに比べて原子力はキュリー夫人が放射線を発見してからまだ百年経つか経たないかという新しい技術よ。

    『四大元素より強いエネルギーがある』この考え方自体が魔術に対する否定なの。

    魔術と科学が決別した原因のエネルギーが原子力と言って良いわ」洋子先輩はそう講義した。




    瑞江は科学と魔術の決別の理由を消そうと禁忌を冒し原子力を魔術に組み込もうとした。

    全ては愛する人と愛する息子と一緒にいるためだ。

    だが当時教授であった早坂教授の亭主は瑞江と大輔を引き離そうと画策した。

    早坂教授の亭主は愛人であった石動和美に大輔籠絡の司令を出す。

    魅惑チャームを得意としていた和美に籠絡などは朝飯前だと思っていたのである。

    和美が何もなしで籠絡などする訳がない。

    早坂教授の亭主がチラつかせたのは娘、紗季の認知である。






    和美は大輔に近付けない。

    瑞江があらゆる手を使って大輔と大宣を守っていたのだ。







    瑞江と大輔が協同で進めていた原子力と魔術の研究が凍結された。

    「これは人間が手を出して良い技術ではない」二人はそう言うと、瑞江は大輔の記憶を消し自分は失踪した。

    瑞江の記憶がない大輔を和美は籠絡し、大輔の後妻の座におさまった。

    そして大輔に対する逆行催眠魔術で手に入れた原子力魔術を紗季の血に刻んだのだ。

    瑞江とて何も考えずに大輔の記憶を消した訳ではない。

    大宣へ危機が迫った時、大輔の記憶が戻るようにしてある。

    記憶が戻り紗季の状態を理解している大輔は大宣に原子力魔術の事を伝えたのだ。
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