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機動力
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ジャンプした時、相手をロックオンするようなシステムになっている。
ジャンプした時相手を見失わないため、相手を見失った時ジャンプすれば相手がロックオンされ相手がどこにいるかわかるようになっている。
だが、相手をロックオンするためにジャンプするようになったのはゲームがリリースされた初日であったし、ロックオンするためにその場で跳び跳ねるようにショートジャンプするようになったのは、リリースされた次の日だった。
このように開発者による「こうやって遊んで欲しい」という願望をゲーマーが越えてしまうケースはこのゲームに限らず、珍しい話ではなかった。
ショートジャンプして相手をロックオンする技術は三百年で失われていた。
というよりここ二百年以上「仮想兵器シリーズ」をプレイする者はいなかった。
日本人だけがプレイしていたとしたら、仮想戦争に「仮想兵器シリーズ」が採用された事を他国からクレームが出ただろう。
誰もプレイしていないからこそ仮想戦争の手段として選ばれたのだ。
誰もプレイしていない、0からのリスタートという事は発見された技術、裏技は一度リセットされ、なかった事になった。
もちろん昔に発見されなかった技術などもある、だが圧倒的にプレイ数が昔と比べ少ないので、昔当たり前に使われていた技術が現在使われていない、という事が多かった。
イチローはかつて知り合いの格闘ゲーマーが、金を入れずにデモ画面を凝視していたのを思い出した。
「何してるの?」イチローは知り合いに聞く。
「コンピューターの何も考えていない動きを見ているんだ。コンピューターの偶然の動きの中に対戦のヒントがあるかも知れない」知り合いはデモ画面を見ながらそう答えた。
もう少ししたらネットが発展して自分で攻略法を考えなくても良くなるだろう。
他人からテクニックを盗むために、上級者のプレイを目を皿のようにして見なくても良いだろう。
だがこの時代のプレイヤーに圧倒的に足りていない物・・・それは他人から技術を盗む事、そして飽くなき研究心である。
反応速度は比べるまでもなくこの時代の人間は昔のゲーマーと比べ高いだろう。
だがこの時代のプレイヤーは昔のプレイヤーには勝てない、それが軍人であっても。
ロックオンされていても射撃は動いている相手に当たらない。
射線に対して直角に動くからだ。
そうすればロックオンされていても、射撃が当たる事はない。
止まっていれば当たるが、動いていると当たらない。
最もやってはいけない事は射線上を移動する事だ。射線上を移動すると、どれだけ動いていても射撃は当たってしまう。
当てるためにあえてロックオンしない技術もある。「ここを通るだろう」というところに前もって射撃しておくのだ。
その技術には「人読み」と言われる「コイツだったらこう動くだろう」という予測が必要になる。
初めて対戦する相手にはその技術は有効ではない。
なので今回はそういった技術は使わない。
そんな技術を使わなくても、勝てる相手というのもあるが。
いくらド素人でも一人で複数の相手を相手に戦うのは無理がある。
ではどうするか?開始直後に敵を一機倒すのだ。
味方は元々あてにならない。
1vs1になろうとしたら、速攻で敵を倒すしかない。そんな事が出来るのか?「シデン」でなくては出来ない。「シデン」には敵のエネルギーゲージのほとんどを削る極太レーザーがある。速攻で相手を倒す事が出来るのだ。
この作戦は「シデン」でなければ出来ない作戦だろう。
大河の機体は機動力重視の「アルマシー」という変形する機体だ。
開始直後に撃破するのは大河の機体にしよう。
理由は何発もレーザーを当てなくても直撃させれば「アルマシー」であれば一発極太レーザーを照射すれば、撃破出来る。
「アルマシー」は機動力は高いが装甲は紙のように薄いのだ。
「仮想兵器シリーズ」の基本戦術として、相手にロックオンされていない時に敵に近づく、というセオリーがある。
敵に近づくという事は敵の射線上を移動するという事だ。
ロックオンされていないという事は、敵に射撃されない可能性が低いという事なのだ。
相手をサイトにおさめ、正面にとらえるとロックオンされる。この方法でロックオンすることはイチローが元いた時代ではほとんどない。
理由は相手に動き回られるとロックオン出来なくなってしまうからだ。
大河は滅多にロックオンされることはなかった。当たり前だ「アルマシー」は基本戦術として常に動いていたし、動いているとロックオンされにくかったのだから。
大河は一気にイチローの操作する「シデン」に距離を詰めた。戦法としてはヒットアンドアウェイのつもりなのだろう。
「アルマシーはもっと逃げ回りながら弾をバラまかないと。自分から近づいて来てどうすんだよ?」イチローは呆れたように呟いた。
この時代のプレイヤーが低いのはプレイヤーとしての練度だけではなく、戦術の理解度も驚くほど低かった。
イチローはショートジャンプをし、アルマシーをロックオンすると極太レーザーをこちらに向かって来るアルマシーに直撃させ大破させた。
イチローは少し意地悪な心境になり、自分の味方という事になっている少女に「援護するんであなたがもう一機を撃破してください」と言った。
彼女はどうすれば良いかわからず、オロオロするばかりで結局時間切れになり、判定でイチロー達の勝利となった。
イチローが良い成績をおさめたのは実戦だけで、反射神経や動体視力などのパイロット適性はマイナス評価であった。
大河は「なぜこの男に負けたのか?」という顔をしていた。
ジャンプした時相手を見失わないため、相手を見失った時ジャンプすれば相手がロックオンされ相手がどこにいるかわかるようになっている。
だが、相手をロックオンするためにジャンプするようになったのはゲームがリリースされた初日であったし、ロックオンするためにその場で跳び跳ねるようにショートジャンプするようになったのは、リリースされた次の日だった。
このように開発者による「こうやって遊んで欲しい」という願望をゲーマーが越えてしまうケースはこのゲームに限らず、珍しい話ではなかった。
ショートジャンプして相手をロックオンする技術は三百年で失われていた。
というよりここ二百年以上「仮想兵器シリーズ」をプレイする者はいなかった。
日本人だけがプレイしていたとしたら、仮想戦争に「仮想兵器シリーズ」が採用された事を他国からクレームが出ただろう。
誰もプレイしていないからこそ仮想戦争の手段として選ばれたのだ。
誰もプレイしていない、0からのリスタートという事は発見された技術、裏技は一度リセットされ、なかった事になった。
もちろん昔に発見されなかった技術などもある、だが圧倒的にプレイ数が昔と比べ少ないので、昔当たり前に使われていた技術が現在使われていない、という事が多かった。
イチローはかつて知り合いの格闘ゲーマーが、金を入れずにデモ画面を凝視していたのを思い出した。
「何してるの?」イチローは知り合いに聞く。
「コンピューターの何も考えていない動きを見ているんだ。コンピューターの偶然の動きの中に対戦のヒントがあるかも知れない」知り合いはデモ画面を見ながらそう答えた。
もう少ししたらネットが発展して自分で攻略法を考えなくても良くなるだろう。
他人からテクニックを盗むために、上級者のプレイを目を皿のようにして見なくても良いだろう。
だがこの時代のプレイヤーに圧倒的に足りていない物・・・それは他人から技術を盗む事、そして飽くなき研究心である。
反応速度は比べるまでもなくこの時代の人間は昔のゲーマーと比べ高いだろう。
だがこの時代のプレイヤーは昔のプレイヤーには勝てない、それが軍人であっても。
ロックオンされていても射撃は動いている相手に当たらない。
射線に対して直角に動くからだ。
そうすればロックオンされていても、射撃が当たる事はない。
止まっていれば当たるが、動いていると当たらない。
最もやってはいけない事は射線上を移動する事だ。射線上を移動すると、どれだけ動いていても射撃は当たってしまう。
当てるためにあえてロックオンしない技術もある。「ここを通るだろう」というところに前もって射撃しておくのだ。
その技術には「人読み」と言われる「コイツだったらこう動くだろう」という予測が必要になる。
初めて対戦する相手にはその技術は有効ではない。
なので今回はそういった技術は使わない。
そんな技術を使わなくても、勝てる相手というのもあるが。
いくらド素人でも一人で複数の相手を相手に戦うのは無理がある。
ではどうするか?開始直後に敵を一機倒すのだ。
味方は元々あてにならない。
1vs1になろうとしたら、速攻で敵を倒すしかない。そんな事が出来るのか?「シデン」でなくては出来ない。「シデン」には敵のエネルギーゲージのほとんどを削る極太レーザーがある。速攻で相手を倒す事が出来るのだ。
この作戦は「シデン」でなければ出来ない作戦だろう。
大河の機体は機動力重視の「アルマシー」という変形する機体だ。
開始直後に撃破するのは大河の機体にしよう。
理由は何発もレーザーを当てなくても直撃させれば「アルマシー」であれば一発極太レーザーを照射すれば、撃破出来る。
「アルマシー」は機動力は高いが装甲は紙のように薄いのだ。
「仮想兵器シリーズ」の基本戦術として、相手にロックオンされていない時に敵に近づく、というセオリーがある。
敵に近づくという事は敵の射線上を移動するという事だ。
ロックオンされていないという事は、敵に射撃されない可能性が低いという事なのだ。
相手をサイトにおさめ、正面にとらえるとロックオンされる。この方法でロックオンすることはイチローが元いた時代ではほとんどない。
理由は相手に動き回られるとロックオン出来なくなってしまうからだ。
大河は滅多にロックオンされることはなかった。当たり前だ「アルマシー」は基本戦術として常に動いていたし、動いているとロックオンされにくかったのだから。
大河は一気にイチローの操作する「シデン」に距離を詰めた。戦法としてはヒットアンドアウェイのつもりなのだろう。
「アルマシーはもっと逃げ回りながら弾をバラまかないと。自分から近づいて来てどうすんだよ?」イチローは呆れたように呟いた。
この時代のプレイヤーが低いのはプレイヤーとしての練度だけではなく、戦術の理解度も驚くほど低かった。
イチローはショートジャンプをし、アルマシーをロックオンすると極太レーザーをこちらに向かって来るアルマシーに直撃させ大破させた。
イチローは少し意地悪な心境になり、自分の味方という事になっている少女に「援護するんであなたがもう一機を撃破してください」と言った。
彼女はどうすれば良いかわからず、オロオロするばかりで結局時間切れになり、判定でイチロー達の勝利となった。
イチローが良い成績をおさめたのは実戦だけで、反射神経や動体視力などのパイロット適性はマイナス評価であった。
大河は「なぜこの男に負けたのか?」という顔をしていた。
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