念願の悪役令嬢に!!

コロンパン

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弁解中

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「いえ、紫苑の事は好きとかそういうものでは無くてですね、
顔がどストライクなだけであって、只々顔が好みなんです。
それが恋愛感情とは直接的に結ばれるかと言われたら、
一概にイエスとは言えないと思うんですよ。
だから、ちょっと、蘇芳君?そんなに怖い顔しないで欲しいな?」


私は今、ふかふかの絨毯に正座している。
ふかふかだと足が痺れないから楽だ。
愛良も体重が軽いから、重力に負けて足が痺れたりしない。
痺れたりしないのだが、私は震えている。
ガクガクと。

目の前に腕を組み、仁王立ち立っている王子、
蘇芳が本当に金剛力士像の様な顔をして私を見下ろしているからだ。


私、滅されるのかな・・・。


何回も言うようだが、紫苑の顔が好きだが、それは所謂推しメンな好きであって、
付き合いとかそういうのでは無い。

前世から彼氏いない歴ウン十年。

好きな人もいたりもしたが、もう遥かに遠い記憶。

まともにお付き合いをした事が無い私にいきなり婚約者持ちになった。

気持ちが追い付かない。

今日が断罪イベントかなぁ?
ヒロイン居ないのに。

紫苑が救われたのなら、それでいいかな。
お母様も生きてるし。


遠い目をして現実逃避をする。


「でも、愛良ちゃん、私が紫苑を連れてお出掛けする時は必ず付いて来るじゃない?
あれって、紫苑が居るからじゃないの?」

うぐっ!

「それに、頬を赤くして物陰から隠れて紫苑をよく見つめていたじゃない?」

ぐはっ!

「それは好きな人に対する行動じゃないの?」

ふげっ!

「へぇえええ?
僕との約束を断って、
連絡もしてこないで何をしているのかと思ったら、
そんな事してたの?
これは許せないなぁ?」


ゴゴゴゴゴゴゴって効果音が聞こえる、私には聞こえた。

これは、私死んだわ。
静かにお怒りの蘇芳もイケメンだわ。

イケメンに殺されるなら、もういいか。

私は蘇芳に祈る様に手を合わせ目を閉じる。


「何しているの?」


蘇芳の低い声。


「死刑執行を待っているんです。
祈りを捧げています。
さぁ、蘇芳君、どうぞ。
許されるなら、一瞬でお願いします。」


「殺さないよ!!何言ってんの!?」


「いいのです、もう一思いにやっちゃってください。」


「だから、殺さないって!!」


蘇芳が刑の執行を拒否する。


「じゃあ、他の人に執行して貰います。」

すっくと立ち上がり、部屋を出ようとすると、

「ちょ、ちょっと待って!何で死のうとするの!?」

蘇芳に腕を掴まれ引き止められる。

「断罪されるのでしょう?蘇芳君、私に随分とお怒りのご様子なので・・・。」

「ちょっと、何言っているのか良く分からないな。」

「私の事を許さないと言う事は、私は何かしらの罰を受けるのでしょう?
そのお怒り具合だと、死刑なのかと思いまして。」

「何でそうなるんだよ・・・。」

私の腕を掴んだまま脱力する蘇芳。
かと思えば、顔をバッと私に近付ける。

至近距離のイケメンに私は顔が熱くなる。

「僕の顔を見てもそんなに顔が赤くなるのに、
愛良、君は顔が良かったら、誰でも良いの?」

ギクッ!!

「何?その分かりやすい態度は。」

「あー、ええとー。」

「まさか・・・。本当に?」

瞳をこれでもかと大きく見開いた蘇芳。
何か・・・すみません。

「・・・その、目の保養になるなぁ・・・と思うだけです、よ?」

「・・・・・・・・・・そう。」

あ、これは見放された気がする。
呆れられたとも言う。


「鑑賞だけですよ!あくまで、鑑賞だけ!付き合いたいとかじゃないですから、本当に!!
見てるだけで満足なんです。」


必死に言い募る。蘇芳にそれが伝わるかは分からない。
近い未来ヒロインと恋に落ちるかもしれない彼に言い訳する必要があるのか。
だが、今は婚約者。
イケメン好きだが、そこは誠実でいよう。

「婚約者の蘇芳君がが居るのに、他の人とふしだらな関係を持ったりしないです。」

「・・・本当に?」

探るような目で私の顔を見る。

「本当です!」

お付き合いもした事無いのに(悲しい現実)、
複数となんてそんな器用な真似私には出来ない。

「・・・。」

あれ?まだ疑われている。

「私は蘇芳君だけです!」

「!!!」

蘇芳は顔を見る見るうちに赤く染めていき、ふいと横を向く。

「そ、そう。それならいいんだけど。」

良かった!やっと伝わった!
安心して力が抜けた。

蘇芳は私の顔を見るなり、赤い顔がもっと赤くなった。

いやー、これで一安心だな。
と思っていたら、お母様がのほほんと言う。


「あらー、愛良ちゃんお顔の良い人が好きなのねえ~。
蘇芳ちゃん、これから大変ねえ。
二人が通う学園って、良家の子供達が通う所でしょう?
沢山お顔の良い子が居るから、愛良ちゃん目移りしちゃうわねぇ~。」

お、お母様、そんな余計な事を蘇芳に言わないで!!
折角上手く話が収まると思ったのに!!

お母様の言葉に蘇芳が思案顔で顎に手を当てる。

「・・・接し方を変えるべきか・・・。」

接し方って何?
今のままで良いよ!!

「す、蘇芳君?」

「どうしたの?愛良?」

ニコリと私に笑いかける蘇芳は王子様さながらの微笑み。

「あ、あの私、大丈夫ですよ?
だから、接し方とか別に変えなくても。」

「ん?面食いな愛良の事を信用できないから、ね?
他の人を見ないように僕が頑張れば良いだけの話だから。」

私の手を取り、指先に口づけを落とす。
私はその一連の動作を呆然と眺めていた。


「愛良は僕だけ見ていればいいんだよ。」


そう言う蘇芳はとても妖しい笑顔で私は背筋がゾクリと震えた。





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