9 / 35
浮かれている。
しおりを挟む
私は浮かれ切っていた。
地に足が付いていない程に。
実際数センチ浮いていただろう。
蘇芳に実際には嫌われておらず、婚約破棄をしなくてよくなった事・・・・・ではない。
紫苑の折檻フラグを回避出来た事に、だ!!
ゲームのシナリオでは紫苑が来て、数か月後の冬の出来事だった。
お母様と紫苑の自動車事故。
紫苑がこの家に来てからお母様にべったりくっついていた私は、
お母様が紫苑を連れて出掛ける際、必ず付いて行った。
そして、車を使わずに公共機関を使いましょうと半ば強制的にお母様を電車に乗せた。
今まで電車を使った事が無かったお母様は、電車に興味津々でお父様の心配を余所に、
ほいほい私の策にハマった。
自動改札機を大変気に入り、出掛ける時は電車が良いと言うほど電車が好きになった。
そうして季節が巡り、今は夏だ。
もう心配はない。でも用心に越したことは無いから、相変わらず電車を利用する。
でも、恐らく紫苑の安寧は保たれた筈!!
私はゆっくり紫苑をストー・・・・鑑賞する事が出来るのだ!!!
もう、そこからはウキウキのウッキウキのウッハウハだ。
玲にも、
「最近、とてもご機嫌ですね。蘇芳様と何かあったのですか?」
と聞かれた。
蘇芳とは、一週間に3、4回会うという約束を結び付けられたが、
お母様の用事を優先させていたので、それが守られた事は数回しかない。
なので、その度に鬼の様に何十件、何百件もメールが蘇芳から届く。
私がポチポチとメールの返信文を打っている間にまた次のメールが届き、
それを確認していると、またメールが届くという、
無間地獄に落とされたかのような所業に、
お願いだから、受信送信のセットで連絡し合おう。
いつまで経っても返信出来ないと、
蘇芳に電話で懇願した。
メールでそれを打っていると、またメールが来るので、ずっと地獄から抜け出せない。
なので電話をしたら、蘇芳がすごーく渋々了承。
気持ち程度、メールの受信数が減った。
お母様とお出掛けしている時にはメールを見ることが出来ないから、家に着いた後に確認する様にしている。
この前は受信数が限界を超えていた。
思わずヒエッ!と言う声が出た私は何も悪くないはず。
本当に蘇芳なのかな?このメールを送ってるの?
『貴方は本当に蘇芳君ですか?』
と実際にメールを送ったら、数秒後に電話がかかってきて、
何かすごい怒られた。
すごい剣幕ですごい早口だったので9割何を言っているのか分からなかったが、
ごめんなさいと謝ったら、
「明日会ってくれたら許してあげる。」
と言われたので、分かりましたと答えておいた。
そして明日と言われたのが、今日な訳だが。
今はお母様と優雅にティータイムだ。
蘇芳はこちらの家にわざわざ来てくれるそうで、蘇芳を待っている間、大好きなお母様とお話をしている。
櫻子お母様は、豊かで艶のある黒い髪を綺麗に編み込んで後ろに纏めている。
theお嬢様と言われる程、お淑やか。
少しほわほわしているが、私にとって最高の癒しなので、
紫苑の事も相まって、終始ニコニコしながら、玲の淹れてくれた美味しい紅茶を楽しんでいた。
そんなほわほわお母様がとんでもない爆弾を投下するとはまさかのまさか思いもよらなかった。
「ねえ、愛良ちゃん。」
「何ですか、お母様?」
「愛良ちゃんって、紫苑の事好きなの?」
ぶはっ!!!!!!
飲んでいた紅茶を盛大に吹いた。
「まぁ、愛良ちゃん、お行儀悪いわよ?」
「ごっふ、ごめ、ごめんなさ、い。おっほ、お母様。」
気管支に入った紅茶が中々出てこない。
危うく咳をし過ぎて、オエエエ!ってなりかけた。
アブナイアブナイ。
それにしても、お母様。
いきなり、何を言い出すのだ!
「お母様、いきなり何を「それは僕も聞きたかった事なんですよ、櫻子様。」
背筋が凍る程の冷気を感じて、ホラー映画で次に殺される役の人みたいにゆっくりと後ろを振り返る。
そこには・・・。
案の定・・・。
殺人鬼の様な顔だが、美しい笑顔で私を凝視している蘇芳が、壁に凭れかかる様に立っていた。
私は、目を閉じゆっくりと深呼吸して、
「ぎゃあああああああ!!!」
ホラー映画の被害者役を熱演出来るであろう、
持てんばかりの悲鳴を上げた。
地に足が付いていない程に。
実際数センチ浮いていただろう。
蘇芳に実際には嫌われておらず、婚約破棄をしなくてよくなった事・・・・・ではない。
紫苑の折檻フラグを回避出来た事に、だ!!
ゲームのシナリオでは紫苑が来て、数か月後の冬の出来事だった。
お母様と紫苑の自動車事故。
紫苑がこの家に来てからお母様にべったりくっついていた私は、
お母様が紫苑を連れて出掛ける際、必ず付いて行った。
そして、車を使わずに公共機関を使いましょうと半ば強制的にお母様を電車に乗せた。
今まで電車を使った事が無かったお母様は、電車に興味津々でお父様の心配を余所に、
ほいほい私の策にハマった。
自動改札機を大変気に入り、出掛ける時は電車が良いと言うほど電車が好きになった。
そうして季節が巡り、今は夏だ。
もう心配はない。でも用心に越したことは無いから、相変わらず電車を利用する。
でも、恐らく紫苑の安寧は保たれた筈!!
私はゆっくり紫苑をストー・・・・鑑賞する事が出来るのだ!!!
もう、そこからはウキウキのウッキウキのウッハウハだ。
玲にも、
「最近、とてもご機嫌ですね。蘇芳様と何かあったのですか?」
と聞かれた。
蘇芳とは、一週間に3、4回会うという約束を結び付けられたが、
お母様の用事を優先させていたので、それが守られた事は数回しかない。
なので、その度に鬼の様に何十件、何百件もメールが蘇芳から届く。
私がポチポチとメールの返信文を打っている間にまた次のメールが届き、
それを確認していると、またメールが届くという、
無間地獄に落とされたかのような所業に、
お願いだから、受信送信のセットで連絡し合おう。
いつまで経っても返信出来ないと、
蘇芳に電話で懇願した。
メールでそれを打っていると、またメールが来るので、ずっと地獄から抜け出せない。
なので電話をしたら、蘇芳がすごーく渋々了承。
気持ち程度、メールの受信数が減った。
お母様とお出掛けしている時にはメールを見ることが出来ないから、家に着いた後に確認する様にしている。
この前は受信数が限界を超えていた。
思わずヒエッ!と言う声が出た私は何も悪くないはず。
本当に蘇芳なのかな?このメールを送ってるの?
『貴方は本当に蘇芳君ですか?』
と実際にメールを送ったら、数秒後に電話がかかってきて、
何かすごい怒られた。
すごい剣幕ですごい早口だったので9割何を言っているのか分からなかったが、
ごめんなさいと謝ったら、
「明日会ってくれたら許してあげる。」
と言われたので、分かりましたと答えておいた。
そして明日と言われたのが、今日な訳だが。
今はお母様と優雅にティータイムだ。
蘇芳はこちらの家にわざわざ来てくれるそうで、蘇芳を待っている間、大好きなお母様とお話をしている。
櫻子お母様は、豊かで艶のある黒い髪を綺麗に編み込んで後ろに纏めている。
theお嬢様と言われる程、お淑やか。
少しほわほわしているが、私にとって最高の癒しなので、
紫苑の事も相まって、終始ニコニコしながら、玲の淹れてくれた美味しい紅茶を楽しんでいた。
そんなほわほわお母様がとんでもない爆弾を投下するとはまさかのまさか思いもよらなかった。
「ねえ、愛良ちゃん。」
「何ですか、お母様?」
「愛良ちゃんって、紫苑の事好きなの?」
ぶはっ!!!!!!
飲んでいた紅茶を盛大に吹いた。
「まぁ、愛良ちゃん、お行儀悪いわよ?」
「ごっふ、ごめ、ごめんなさ、い。おっほ、お母様。」
気管支に入った紅茶が中々出てこない。
危うく咳をし過ぎて、オエエエ!ってなりかけた。
アブナイアブナイ。
それにしても、お母様。
いきなり、何を言い出すのだ!
「お母様、いきなり何を「それは僕も聞きたかった事なんですよ、櫻子様。」
背筋が凍る程の冷気を感じて、ホラー映画で次に殺される役の人みたいにゆっくりと後ろを振り返る。
そこには・・・。
案の定・・・。
殺人鬼の様な顔だが、美しい笑顔で私を凝視している蘇芳が、壁に凭れかかる様に立っていた。
私は、目を閉じゆっくりと深呼吸して、
「ぎゃあああああああ!!!」
ホラー映画の被害者役を熱演出来るであろう、
持てんばかりの悲鳴を上げた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです
白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。
「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」
ある日、アリシアは見てしまう。
夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを!
「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」
「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」
夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。
自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。
ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。
※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
氷のメイドが辞職を伝えたらご主人様が何度も一緒にお出かけするようになりました
まさかの
恋愛
「結婚しようかと思います」
あまり表情に出ない氷のメイドとして噂されるサラサの一言が家族団欒としていた空気をぶち壊した。
ただそれは田舎に戻って結婚相手を探すというだけのことだった。
それに安心した伯爵の奥様が伯爵家の一人息子のオックスが成人するまでの一年間は残ってほしいという頼みを受け、いつものようにオックスのお世話をするサラサ。
するとどうしてかオックスは真面目に勉強を始め、社会勉強と評してサラサと一緒に何度もお出かけをするようになった。
好みの宝石を聞かれたり、ドレスを着せられたり、さらには何度も自分の好きな料理を食べさせてもらったりしながらも、あくまでも社会勉強と言い続けるオックス。
二人の甘酸っぱい日々と夫婦になるまでの物語。
図書館でうたた寝してたらいつの間にか王子と結婚することになりました
鳥花風星
恋愛
限られた人間しか入ることのできない王立図書館中枢部で司書として働く公爵令嬢ベル・シュパルツがお気に入りの場所で昼寝をしていると、目の前に見知らぬ男性がいた。
素性のわからないその男性は、たびたびベルの元を訪れてベルとたわいもない話をしていく。本を貸したりお茶を飲んだり、ありきたりな日々を何度か共に過ごしていたとある日、その男性から期間限定の婚約者になってほしいと懇願される。
とりあえず婚約を受けてはみたものの、その相手は実はこの国の第二王子、アーロンだった。
「俺は欲しいと思ったら何としてでも絶対に手に入れる人間なんだ」
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる