念願の悪役令嬢に!!

コロンパン

文字の大きさ
11 / 35

あっという間に

しおりを挟む
学園に入学して3年が経ち、とうとうゲーム開始の16歳になった。

この3年、濃い3年だった。
攻略対象の人達が無茶苦茶絡んでくるんだもの。
おかげで、蘇芳の顔がずっと般若顔で怖い事、怖い事。

攻略対象の人達がイケメンなのは知っていたけど、お母様の言う通り、
周りの人もイケメンと美少女だらけでして、私としては眼福物だった。

流石お金持ちの学園。

中高一貫の私立神明学園。

名だたるお家のご息女様達が通う由緒正しき学園。

その中でも皇財閥の蘇芳や、西園寺財閥の私は上位生徒に位置する様で、
生徒会の様な役割の新明会の会員に強制的に割り振られる。

まぁ、学業優秀が前提なのだが。
私は元から勉強が好きだったので、苦では無い。
なので、成績は良い方だ。

昨年まで中等部の神明会副会長の任期を終えて、
高等部へ上がり高等部の神明会員に入る。

皆エスカレーター式なので、面子は変わらないから、のほほんとしている。
が、私は違う。

今年はヒロインが高等部から入園してくるのだ。
気を引き締めなければ。


ふんす!と気合いを入れる。

「愛良ちゃーん!そんなに可愛い顔してどうしたのー?」

私を愛良ちゃん呼びするこの男の子は、大手ホテルチェーンの御令息、冷泉東矢。

ポジション的にチャラ男。
日替わりで違う女の子とデートをしている。
私の苦手なタイプ。

「冷泉君。おはようございます。
可愛い顔はしていませんが、高等部に上がったので気を引き締めて行動しようと思っていました。」

「もー、相変わらず堅いななぁ。東矢って呼んでっていつも言ってるじゃん。」

そう言いながら、私の髪の毛の一房を手に取り、自分の口唇に持って行こうとする。
ぎゃあ!やめて!

心の中で叫び、身を引こうとしたら、冷泉の手を叩き落とす手。
その手で私を引き寄せ、東矢から守る様に自らの背で庇う。

「お前は何回言っても懲りないな、東矢。
愛良は僕の婚約者だ。お前が相手している女性の様に気軽に触れないでくれるかな?」

流れる様な王子様行動に、顔が熱くなった。
蘇芳は冷泉を笑ってない笑顔で牽制している。

「蘇芳君、おはようございます。そして、ありがとうございます。」

私が背中越しに挨拶をする。
蘇芳は冷泉に向ける笑顔ではなく、優しい笑顔で私に笑いかける。

「おはよう、愛良。
今朝はごめんね、一緒に登校できなくて。
おかげで、変なのに捕まってしまったね。」

「あ、大丈夫です。冷泉君はいつもの事なので特に気にしていません。」

冷泉は何かというと私に触れようとしてくる。
私はどうにかこうにか、寸前で避ける。
蘇芳が居合わせたら、先程みたいに助けてくれる。

「蘇芳、酷いなー。変なのって!
愛良ちゃんも、気にしていないってなにー?
ちょっと位意識してよー!」

頬を膨らませて拗ねた真似をする冷泉の頭をペチンと叩く男性。

「東矢、西園寺は蘇芳の大事な婚約者だ。
そんなに馴れ馴れしくしてはいけない。」

私は冷泉の後ろにいる長身の男性に挨拶をする。

「おはようございます、鷺宮君。」

「おはよう、西園寺。朝から災難だな。」

「い、いいえ、災難という程では。」

「いっ、たいなー!宗近ぁ!!人の頭をポンポン叩かないでよ!」

冷泉の頭をぺしぺし叩いている彼は鷺宮宗近。
老舗デパートの息子さんで、16歳なのに既に180cm超えの長身で、
文武両道の超真面目なイケメンさんだ。

冷泉の恨みがましい声にも気にする事も無く、

「お前が品位を損なう様な行為をしているのが悪い。
西園寺が嫌がっているのが、分からないのか?」

代弁ありがとうございます!
鷺宮はとても紳士だ。
困っている人が居たら、スマートに助けてくれる。
男女問わずだ。

校門の前で攻略対象の人達が揃った。
あと何人かは居るが、3人もイケメンが揃うと圧巻だな。

よし、取り敢えず拝んでおこう。
これから起こる様々な断罪フラグが回避できますように。



「愛良?何しているの?」

「見目麗しい人達を拝んで、ご利益を得ようと思いまして。」

「・・・はぁ・・・。愛良、相変わらずだね。」

「ははははは!!愛良ちゃん!ホントに面白い子だね!!
最高だよ!!
ねー、蘇芳~。婚約者の座譲ってよ~。
俺、愛良ちゃんと結婚したい~!!」

「謹んでお断りするよ。誰が何と言おうとも譲るつもりは無いね。」

「西園寺、俺達は仏や神では無いから、拝んでも何もご利益は無いぞ。」

「いえ、こんなに見目麗しい方々です。
絶対にご利益は有る筈です。」

鷺宮が至極まともな意見を言うが、
私も負けじと(私の中では)まともな意見で返す。

「むう・・・。」

考え込んでしまう鷺宮。

「愛良。宗近に冗談は通じないんだから。」

「・・・冗談なのか・・・!?」

蘇芳が私を窘める。
愕然とした表情の鷺宮が私を見る。

「冗談ではないです。私は至って真剣です。」

「愛良・・・・。」

御利益がある!私には分かる!
自信を持って言ったが、蘇芳は残念な子を見る目で私を見て、
冷泉は笑い転げている。
鷺宮だけは事態を飲み込めず、?マークが頭に浮かんでいる。




和やかな雰囲気の私達だが、これからはどうなるか分からない。

願わくば、このままの関係のままでいられたら良いと思う。









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜

百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。 「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」 ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!? ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……? サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います! ※他サイト様にも掲載

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

【完結】番としか子供が産まれない世界で

さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。 何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。 そんなニーナが番に出会うまで 4話完結 出会えたところで話は終わってます。

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない

朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

追放された悪役令嬢はシングルマザー

ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。 断罪回避に奮闘するも失敗。 国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。 この子は私の子よ!守ってみせるわ。 1人、子を育てる決心をする。 そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。 さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥ ーーーー 完結確約 9話完結です。 短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

処理中です...