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恋のライバル
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校舎内は静かだ。
皆、講堂に居るから当たり前なのだけれど。
二人で横並びで歩きながら、草薙に話しかける。
「草薙さん、ごめんなさい。私とぶつからなければ、式にも出れたのに。」
入園式のムービーで挨拶をする蘇芳を見て、
朝にぶつかった人だと気が付く。
挨拶をする様な凄い人だったんだ、と草薙は蘇芳に見惚れる。
蘇芳も壇上から草薙を見つけて、
お互いが見つめ合う形に。
うーん。
式のイベントも破壊してしまった。
本当に申し訳ない気持ちで謝罪すると、草薙は顔をぶんぶん横に振る。
「全然、全然!私、こんな立派な学校で、緊張していたし、知り合いも居ないから心細くて。
別に式に出れなくても構わないよ!
あ・・・、です。」
慌てた様に早口で話す草薙。
そうだよな、慣れないよな。
一般家庭から、いきなり此処へ通うってなったら。
私も未だに慣れない。
だからだろうか、学園でも浮いている気がする。
蘇芳や冷泉達が構ってくれているから、
どうにかぼっちを免れている。
これで皆が草薙の方へ行けば、
ぼっち確定になるなぁ。
ううむ、寂しい学園生活かぁ。
草薙をいじめなければ、もしかしたら違う誰かとは友達になれるかも?
いじめるのは良くないよな!
よし!ヒロインに当たり障りなくが一番。
「ええと、草薙さんはこの学園には、高等部から?」
同学年なのは知っているが、一応。
「そうです!高等部から。1学年。えっと、西園寺さんは?」
「私も1学年。」
それを聞いて、ぱあああ!と顔が明るくなる草薙。
「同い年なんだね!!」
「ええ。」
保健室に着いた。
中へ入る。
保健医の先生が私の惨状を見て、目を丸くした後、
直ぐに席へ促す。
「血は止まったと思うのですが。」
私はハンカチを取り、先生に見せる。
ハンカチは真っ赤に染まっていた。
草薙が横に座り、
「本当にごめんなさい・・・。」
今にも泣きそうな顔で謝ってくる。
「先程も言いましたが、本当に気にしないで下さい。
ボーっとしていた私が悪いのですから。」
「でも・・・。」
「それに鼻血なんて、血が大袈裟に出るだけでそんなに大した事ないですよ。」
「そうね、血も止まっているわ。顔を拭いたら、もう大丈夫よ。
念の為、式の間は此処で休んでらっしゃい。」
先生が私の汚れた顔をガーゼで優しく拭き取る。
「ありがとうございます。
先生、こちらの草薙さんも手の平に怪我をされているので、消毒をお願いします。」
草薙の手の平を先生に見せる。
先生は頷く。
草薙は見るからに嫌そうな顔をして、力なく呟く。
「あんまり・・・痛いのは・・・。」
先生はニンマリ笑い、
「ちょっと沁みるだけよ~。」
あ、これ絶対痛いやつだわ。
「せ、先生・・・。草薙さんを虐めないでくださいね・・・?」
「分かっているわよ。はい、手を出して。」
お優しい先生の消毒が無事に?済み、私と草薙は式が終わるまで、保健室で時間を潰す事に。
蘇芳が迎えに来ると言っていたな。
蘇芳は草薙の事どう思ったのかな?
・・・一目惚れしたのかな・・・。
他の二人はどうなんだろう。
ああ、鷺宮のハンカチを駄目にしてしまったから、新しいハンカチを弁償しないと。
つらつら考えていると、横からの視線を感じてそちらへ向く。
草薙が爛々とした目で私を見つめていた。
「私の顔に何か付いてます?
もしかして、また鼻血が出ていますか?」
私の言葉に、両手を前に出して横にぶんぶん振る草薙。
「ううん!!何も付いてないよ!!
ただ、西園寺さんってお人形さんみたいだなあって思って。」
お人形・・・。
それは、
「呪いの市松人形とかそういう怨念めいた類の・・・?」
「えええ!どうしてそうなるの!?
違うよ!!えっと、お金持ちの家にあるような凄く高そうな感じの綺麗なお人形さんだよ!」
凄く高そうな綺麗なお人形さん・・・。
言いたいことは何となく分かるけど、
「そ、れは、ありがとうございます?」
「ふふっ!何で疑問形なの?」
小さく吹き出して草薙は笑った。
そうだった、ゲームでもこんな感じに天真爛漫だったな。
それに攻略対象の人達が好意を持ち始めたんだ。
この子はどうやら転生者ではない。
だったら、尚の事皆が彼女を好きになるだろう。
ああ、私はもう少しで一人になってしまうのか・・・・。
私も彼女の様に笑えれば違うのだろうか。
黙り込んでしまった私を不思議に思ったのか、草薙は少し心配そうな声を出す。
「どうしたの?気分でも悪いの?」
「いいえ、ちょっと考え事をしていただけです。心配してくれてありがとうございます。」
そう言うと草薙はもじもじし始める。
どうしたのかなと私は首を傾げると、意を決したように私の手を握る。
んえええ?どうしたの?
私は手と草薙を交互に見る。
草薙は私を見つめたままこう言った。
「あ、あのね、西園寺さん。初対面でいきなりこんな事言うのもあれなんだけど・・・。」
「は、はい・・・。」
「わ、私と、友達になってくれないかな?」
「と、友達・・・・?」
いいのかな?ヒロインと悪役令嬢が友達になっても。
「だ、めかな?」
瞳をうるるとさせて私を見る。
それ、悪役令嬢の私に見せていいの?
「駄目では無いですが・・・。」
いいのかな?という気持ちが巡る。
ヒロインと友達になったら、目の前で婚約者が心を奪われるのをどうしたらいいのだろう?
「私、いきなりこの学園に通えって言われて、
放り出されて、心細くて。
西園寺さんはぶつかった私に怒ることもしないで、
逆に私の事を心配してくれたのが嬉しかったの。
だから、西園寺さんと友達になりたいの。」
これから、沢山友達が出来ると思うよ。
だって、貴女はヒロインだもの。
その明るい性格に皆は癒される。
私と友達にならなくても、すぐに。
ああ、駄目だ。
暗い考えばかりが頭を占める。
草薙が友達になりたいと言ってくれている。
いずれ離れていってしまおうとも、
寂しい学園生活を送らずに済む。
打算的だが了承すればいい。
後の事はなるようになれだ!
「・・・私なんかで宜しければ、喜んで。」
草薙の顔が綻ぶ。
「嬉しい!!よろしくね!西園寺さん!」
「よろしくお願いいたします。草薙さん。」
何故か草薙は頬を膨らませる。
「同い年なんだから、敬語は止めてよぅ!ね?
もう私達友達なんだし。」
「でも、私、周りの人達にもこんな話し方ですし・・・。」
草薙は上目遣いで私を見る。
だから、それ私に使って良いの?
「お願い!!」
「・・・わ、分かったわ・・・。何だか変な感じがするけれど・・・。」
押し切られた。
流石ヒロインだ。
勝てる気がしない。
「ね、ね!西園寺さんじゃなくて、愛良って呼んでもいい?」
もう好きにしてくれぃ。
「ええ、どうぞ。」
「やった!じゃあ、私の事は萌香って呼んで!!」
「分かったわ、萌香さん。」
「も・え・か!」
「・・・・萌香ちゃん。」
「も・え・か!」
「・・・・もえか。」
何だろう、この流れ。
前にもあったような・・・。
満足したのかニンマリ顔の萌香に私は、
彼女と恋のライバルになる可能性を考えて、ズンと気が重くなった。
皆、講堂に居るから当たり前なのだけれど。
二人で横並びで歩きながら、草薙に話しかける。
「草薙さん、ごめんなさい。私とぶつからなければ、式にも出れたのに。」
入園式のムービーで挨拶をする蘇芳を見て、
朝にぶつかった人だと気が付く。
挨拶をする様な凄い人だったんだ、と草薙は蘇芳に見惚れる。
蘇芳も壇上から草薙を見つけて、
お互いが見つめ合う形に。
うーん。
式のイベントも破壊してしまった。
本当に申し訳ない気持ちで謝罪すると、草薙は顔をぶんぶん横に振る。
「全然、全然!私、こんな立派な学校で、緊張していたし、知り合いも居ないから心細くて。
別に式に出れなくても構わないよ!
あ・・・、です。」
慌てた様に早口で話す草薙。
そうだよな、慣れないよな。
一般家庭から、いきなり此処へ通うってなったら。
私も未だに慣れない。
だからだろうか、学園でも浮いている気がする。
蘇芳や冷泉達が構ってくれているから、
どうにかぼっちを免れている。
これで皆が草薙の方へ行けば、
ぼっち確定になるなぁ。
ううむ、寂しい学園生活かぁ。
草薙をいじめなければ、もしかしたら違う誰かとは友達になれるかも?
いじめるのは良くないよな!
よし!ヒロインに当たり障りなくが一番。
「ええと、草薙さんはこの学園には、高等部から?」
同学年なのは知っているが、一応。
「そうです!高等部から。1学年。えっと、西園寺さんは?」
「私も1学年。」
それを聞いて、ぱあああ!と顔が明るくなる草薙。
「同い年なんだね!!」
「ええ。」
保健室に着いた。
中へ入る。
保健医の先生が私の惨状を見て、目を丸くした後、
直ぐに席へ促す。
「血は止まったと思うのですが。」
私はハンカチを取り、先生に見せる。
ハンカチは真っ赤に染まっていた。
草薙が横に座り、
「本当にごめんなさい・・・。」
今にも泣きそうな顔で謝ってくる。
「先程も言いましたが、本当に気にしないで下さい。
ボーっとしていた私が悪いのですから。」
「でも・・・。」
「それに鼻血なんて、血が大袈裟に出るだけでそんなに大した事ないですよ。」
「そうね、血も止まっているわ。顔を拭いたら、もう大丈夫よ。
念の為、式の間は此処で休んでらっしゃい。」
先生が私の汚れた顔をガーゼで優しく拭き取る。
「ありがとうございます。
先生、こちらの草薙さんも手の平に怪我をされているので、消毒をお願いします。」
草薙の手の平を先生に見せる。
先生は頷く。
草薙は見るからに嫌そうな顔をして、力なく呟く。
「あんまり・・・痛いのは・・・。」
先生はニンマリ笑い、
「ちょっと沁みるだけよ~。」
あ、これ絶対痛いやつだわ。
「せ、先生・・・。草薙さんを虐めないでくださいね・・・?」
「分かっているわよ。はい、手を出して。」
お優しい先生の消毒が無事に?済み、私と草薙は式が終わるまで、保健室で時間を潰す事に。
蘇芳が迎えに来ると言っていたな。
蘇芳は草薙の事どう思ったのかな?
・・・一目惚れしたのかな・・・。
他の二人はどうなんだろう。
ああ、鷺宮のハンカチを駄目にしてしまったから、新しいハンカチを弁償しないと。
つらつら考えていると、横からの視線を感じてそちらへ向く。
草薙が爛々とした目で私を見つめていた。
「私の顔に何か付いてます?
もしかして、また鼻血が出ていますか?」
私の言葉に、両手を前に出して横にぶんぶん振る草薙。
「ううん!!何も付いてないよ!!
ただ、西園寺さんってお人形さんみたいだなあって思って。」
お人形・・・。
それは、
「呪いの市松人形とかそういう怨念めいた類の・・・?」
「えええ!どうしてそうなるの!?
違うよ!!えっと、お金持ちの家にあるような凄く高そうな感じの綺麗なお人形さんだよ!」
凄く高そうな綺麗なお人形さん・・・。
言いたいことは何となく分かるけど、
「そ、れは、ありがとうございます?」
「ふふっ!何で疑問形なの?」
小さく吹き出して草薙は笑った。
そうだった、ゲームでもこんな感じに天真爛漫だったな。
それに攻略対象の人達が好意を持ち始めたんだ。
この子はどうやら転生者ではない。
だったら、尚の事皆が彼女を好きになるだろう。
ああ、私はもう少しで一人になってしまうのか・・・・。
私も彼女の様に笑えれば違うのだろうか。
黙り込んでしまった私を不思議に思ったのか、草薙は少し心配そうな声を出す。
「どうしたの?気分でも悪いの?」
「いいえ、ちょっと考え事をしていただけです。心配してくれてありがとうございます。」
そう言うと草薙はもじもじし始める。
どうしたのかなと私は首を傾げると、意を決したように私の手を握る。
んえええ?どうしたの?
私は手と草薙を交互に見る。
草薙は私を見つめたままこう言った。
「あ、あのね、西園寺さん。初対面でいきなりこんな事言うのもあれなんだけど・・・。」
「は、はい・・・。」
「わ、私と、友達になってくれないかな?」
「と、友達・・・・?」
いいのかな?ヒロインと悪役令嬢が友達になっても。
「だ、めかな?」
瞳をうるるとさせて私を見る。
それ、悪役令嬢の私に見せていいの?
「駄目では無いですが・・・。」
いいのかな?という気持ちが巡る。
ヒロインと友達になったら、目の前で婚約者が心を奪われるのをどうしたらいいのだろう?
「私、いきなりこの学園に通えって言われて、
放り出されて、心細くて。
西園寺さんはぶつかった私に怒ることもしないで、
逆に私の事を心配してくれたのが嬉しかったの。
だから、西園寺さんと友達になりたいの。」
これから、沢山友達が出来ると思うよ。
だって、貴女はヒロインだもの。
その明るい性格に皆は癒される。
私と友達にならなくても、すぐに。
ああ、駄目だ。
暗い考えばかりが頭を占める。
草薙が友達になりたいと言ってくれている。
いずれ離れていってしまおうとも、
寂しい学園生活を送らずに済む。
打算的だが了承すればいい。
後の事はなるようになれだ!
「・・・私なんかで宜しければ、喜んで。」
草薙の顔が綻ぶ。
「嬉しい!!よろしくね!西園寺さん!」
「よろしくお願いいたします。草薙さん。」
何故か草薙は頬を膨らませる。
「同い年なんだから、敬語は止めてよぅ!ね?
もう私達友達なんだし。」
「でも、私、周りの人達にもこんな話し方ですし・・・。」
草薙は上目遣いで私を見る。
だから、それ私に使って良いの?
「お願い!!」
「・・・わ、分かったわ・・・。何だか変な感じがするけれど・・・。」
押し切られた。
流石ヒロインだ。
勝てる気がしない。
「ね、ね!西園寺さんじゃなくて、愛良って呼んでもいい?」
もう好きにしてくれぃ。
「ええ、どうぞ。」
「やった!じゃあ、私の事は萌香って呼んで!!」
「分かったわ、萌香さん。」
「も・え・か!」
「・・・・萌香ちゃん。」
「も・え・か!」
「・・・・もえか。」
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