念願の悪役令嬢に!!

コロンパン

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恋のライバル??

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「ねえ、愛良。」

「何かしら?も、萌香。」

何か慣れない。
玲や紫苑はともかく、他人を呼び捨てで呼んだ事がないから、少し違和感がある。
私のぎこちなさが分かったのか、萌香は嬉しそうな顔をしている。

「さっきの、愛良と一緒に居た人って、愛良の彼氏?」

「ぶふぉっ!!」

あ、しまった。変な声が出た。
萌香が驚いて固まっている。

「あ、あの、彼氏というか、何というか・・・。
こ、婚約者・・・なの・・・、一応・・・。」

萌香に言う事は牽制になってしまうかもしれない。
だが、彼氏や婚約者ではないと言って、もし蘇芳にそれが知られたら・・・・。

ああ、恐ろしい。恐ろしい事になる。
ガクガクブルブル。

断罪される、確実に。

「ぷっ・・・。」

ぷっ?
萌香は俯き肩を震わせてる。

もしや、傷口からばい菌が入って破傷風になったんじゃないの!?

「も、萌香、だいじ」

「あははははは!!ぶふぉ!って!
お人形さんみたいに可愛いのにぶふぉ!って!」

どうやら萌香のツボに嵌まったようだ。

「ちょっとびっくりして。」

少し恥ずかしい。

「それに一応って!可哀想だよ!
はっきり言い切らないと!」

ケラケラ笑いながら、私に言う。

「でも、親同士が決めた婚約者だから、
お互いが想い合ってという訳でもないし。
はっきり言って良いのかなと・・・。」

「そうなの?
そんな風に見えなかったけどなぁ。
あの人、凄く愛良の事、」

萌香が独り言の様に呟く。

「それにもし好きな人が出来たら、婚約を解消出来ると話をしているの。
だから蘇芳君に好きな人が出来たら、私は・・・・。」

邪魔をせずに身を引く。

「ええ!そんな婚約アリなの?」

萌香は大袈裟に驚く。
だから萌香が好きになっても、私は邪魔をしないよ。

コクリと頷く。

萌香は何故か首を傾げる。

「うーん、でも、あの人絶対なぁ・・・。
愛良は好きじゃないの?」

好き・・・、好きなのだろうか。
分からない・・・。

「どう、なんだろう・・・。」

蘇芳は優しい。
ゲームではこの時点でもう嫌われていたから、ゲームとは違う蘇芳の優しさに戸惑っている。
でも、萌香を好きになれば、きっと私には見向きもしなくなる。

そうなってしまったら、苦しいのは分かっているから無意識に好きになる事を止めているのかもしれない。

「まぁ、気持ちって分からないよね!
・・・でも、凄いなぁ。この歳で婚約者なんてさ。
やっぱり、お金持ちの人達の世界って感じだな。」

「萌香は?好きな人は?それか気になっている人は?一目惚れとかは?」

矢継ぎ早に聞いてしまった。

「え、え?いきなりの質問攻め?」

萌香がどのルートなのか、まだ攻略対象全員に会ってもいないのに、気が急いてしまった。
どうしても気になって。

萌香は少しだけ顔を赤くする。
ま、まさか・・・、もうルートが確定してしまったの?


「ええとね、幼馴染の子なんだけど。」

「え?」

「?」

幼馴染?そんな子ゲームには出てこなかった。
どういう事だろう。

「ごめん。続けて?幼馴染の子だよね。」

「うん、たっくんって言うんだけど。凄くカッコよくて、優しいんだ。
大好きなの。でも、まだ告白はしてないんだ。
勇気が中々でなくて・・・。」

そう言って萌香は俯く。
たっくん?誰!?

ゲームと違う展開にもう混乱するしかない。
私にぶつかった時点でもうゲーム通りではない。

そもそも、蘇芳が優しい時点で違う。

もしかしたら、萌香の周りもゲームと違う環境になっているのだろうか。

「そうなんだ。萌香みたいに可愛い女の子なら断られる事無いと思うな。」

そうだ、ヒロインだ。
何も心配する事はない。

萌香は顔を更に顔を赤くした。


「か、か、可愛いって!愛良みたいな可愛い子に言われたら、照れるっていうか・・・。」

ん?私より確実に萌香の方が可愛いのに。
私は首を傾げる。

萌香は突然私に抱き着いてきた。

「うえ?え?」

「うわあああ!可愛い!何、この可愛い生き物!?」

ぎゅうぎゅう抱き締められる。
ちょ、ちょっと苦しい。

「も、萌香。苦しい。」

「あ!ごめん。私、可愛い物を見るとつい・・・。大丈夫だった?」

「うん、ちょっと苦しかったけど、平気。」

「貴女達、此処が保健室だって事、忘れてなぁい?」

先生に注意され、

「「ごめんなさ~い。」」

二人して謝る。そして、顔を見合わせて笑い合った。
うわぁ・・・。友達とこうやって話すのって、何年ぶりかな。

凄く、懐かしく感じる。


「あ~、私愛良と同じクラスだといいなぁ。」

「そうね、私も萌香と同じクラスが良いわ。」


勿論、同じクラスだ。
そして、蘇芳もだ。

だけど、ゲームとは関係なく萌香と同じクラスが良いと心から思う。

こうして仲良くなった友達と過ごしたい。
これがヒロインであっても、私はこんなに友達という存在に飢えていたのだと感じた。




萌香、もしゲーム通りの展開になっても、私は貴女と友達でいてもいい?



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