22 / 35
お礼
しおりを挟む
結論から申し上げますと、蘇芳とのダンスは素晴らしかった。
リードがスマートで優雅。
私を気遣ってくれる紳士的な優しさ。
本当に王子様なのかと思った。
周りから感嘆の声が漏れているのも聞こえたし、
女生徒たちの瞳がハートになっているのも分かった。
流石、学園一の色男は違うな。
そんな訳で、私は難なくダンスを終える事が出来た。
一応、オリエンテーションの成績は優だろう。
このオリエンテーションは鷺宮が言っていた様に成績が付く。
一般教養とは別の、良家の社交術と言ったら良いのか、
この場でパートナーを見つけて踊るも良し、
予めパートナーが居ればその人と踊るも良し。
最低一人と踊る事、それが成績に加点される。
鷺宮は硬派とも言えるのか、ほとんど女性と話さない。
というか、私以外の女性と話しているのを見た事無い。
なので、今回のオリエンテーションが凄く億劫なのが態度に現れている。
唯一話す事の出来る手頃な私でパパっと終わらせようと思っているのだろう。
ゲームでも嫌々ながら愛良の相手をしていた。
蘇芳に相手にされない哀れな婚約者に同情してダンスに誘うのだ。
愛良も嫌々なのが分かって、鷺宮に強く当たる。
愛良とのダンスを終えて、鷺宮は萌香と出会う。
萌香は誰もダンスの相手が居ないから、非常に困っていて、
優しい鷺宮はダンスに誘うのだ。
萌香とダンスを踊る事で先程踊った愛良とは全然違う感情を抱く。
萌香の天真爛漫さがとても新鮮で、少しずつ鷺宮は萌香に惹かれていく。
というのが鷺宮ルートだ。
「西園寺、一曲お願いしたい。」
今回に至っては、私は蘇芳と踊れたので鷺宮は私に同情しなくても、大丈夫なのだが、
鷺宮自身が私以外に躍る人が居ないと、
私の同情を誘う発言をした。
これには蘇芳も容認した。
私は差し出された鷺宮の手を取り断りを入れる。
「鷺宮君の足を踏んでしまったら、ごめんなさい。」
「心配ない。俺は踏まれた位では大したダメージにはならない。」
真面目な顔で言われた。
言いたい事はそうでは無いのだが、本人が大丈夫だと言うのだから良しとしよう。
鷺宮のエスコートで中央へ。
お手本通りのステップを正確に踏む。
鷺宮の性格が如実に物語るダンスだ。
流石体育会系であるので、体幹がしっかりしていて私も安心して踊れた。
「あ!」
「どうした、西園寺。」
忘れてた。鷺宮にハンカチのお礼を持って来たのだった。
私は鷺宮を見る。
「鷺宮君、後でお時間を頂けますか?」
鷺宮も私を見据える。
「いきなり、どうした?」
「この前のハンカチのお礼をお渡ししたくて。」
鷺宮は少し苦笑しながら言う。
「西園寺は真面目だな。本当に気にしなくて良かったのに。」
真面目な鷺宮に言われた。
鷺宮の方が真面目だと思うけど。
私は少しだけ首を横に振る。
「真面目というか私の気持ちの問題です。自己満足なのでしょうが、どうか受け取ってください。」
「分かった。」
「では、このオリエンテーションが終わったら、教室でお待ちしています。」
鷺宮は無言で頷く。
そして、曲が終わり鷺宮とのダンスが終わった。
これで鷺宮の成績も大丈夫だろう。
ホッと一安心したのも束の間。
私は重大な事を思い出した。
萌香だ。
萌香は誰とも踊れていないのではないか?
鷺宮はこれ以上踊るつもりは無いと言っていた。
鷺宮ルートに入らないとなると、
やはり、蘇芳なのだろうか。
辺りを見渡す。
「西園寺、どうした?」
鷺宮が挙動不審になった私に声を掛ける。
「あ、あの萌香は何処に居るのかと思いまして。」
居ない。
何処だろう。
蘇芳と踊っているのだろうか。
胸の鼓動が少しだけ早くなる。
西園寺が私の肩を叩く。
そして私達が数刻まで踊っていた場所を指差す。
「草薙萌香なら、あそこで踊っているぞ。」
ドクリ。
心臓が鷲掴まれたようだ。
ゆっくりと後ろを振り向く。
そこにはにこやかに笑い合いながら踊っている
萌香と東矢の姿があった。
リードがスマートで優雅。
私を気遣ってくれる紳士的な優しさ。
本当に王子様なのかと思った。
周りから感嘆の声が漏れているのも聞こえたし、
女生徒たちの瞳がハートになっているのも分かった。
流石、学園一の色男は違うな。
そんな訳で、私は難なくダンスを終える事が出来た。
一応、オリエンテーションの成績は優だろう。
このオリエンテーションは鷺宮が言っていた様に成績が付く。
一般教養とは別の、良家の社交術と言ったら良いのか、
この場でパートナーを見つけて踊るも良し、
予めパートナーが居ればその人と踊るも良し。
最低一人と踊る事、それが成績に加点される。
鷺宮は硬派とも言えるのか、ほとんど女性と話さない。
というか、私以外の女性と話しているのを見た事無い。
なので、今回のオリエンテーションが凄く億劫なのが態度に現れている。
唯一話す事の出来る手頃な私でパパっと終わらせようと思っているのだろう。
ゲームでも嫌々ながら愛良の相手をしていた。
蘇芳に相手にされない哀れな婚約者に同情してダンスに誘うのだ。
愛良も嫌々なのが分かって、鷺宮に強く当たる。
愛良とのダンスを終えて、鷺宮は萌香と出会う。
萌香は誰もダンスの相手が居ないから、非常に困っていて、
優しい鷺宮はダンスに誘うのだ。
萌香とダンスを踊る事で先程踊った愛良とは全然違う感情を抱く。
萌香の天真爛漫さがとても新鮮で、少しずつ鷺宮は萌香に惹かれていく。
というのが鷺宮ルートだ。
「西園寺、一曲お願いしたい。」
今回に至っては、私は蘇芳と踊れたので鷺宮は私に同情しなくても、大丈夫なのだが、
鷺宮自身が私以外に躍る人が居ないと、
私の同情を誘う発言をした。
これには蘇芳も容認した。
私は差し出された鷺宮の手を取り断りを入れる。
「鷺宮君の足を踏んでしまったら、ごめんなさい。」
「心配ない。俺は踏まれた位では大したダメージにはならない。」
真面目な顔で言われた。
言いたい事はそうでは無いのだが、本人が大丈夫だと言うのだから良しとしよう。
鷺宮のエスコートで中央へ。
お手本通りのステップを正確に踏む。
鷺宮の性格が如実に物語るダンスだ。
流石体育会系であるので、体幹がしっかりしていて私も安心して踊れた。
「あ!」
「どうした、西園寺。」
忘れてた。鷺宮にハンカチのお礼を持って来たのだった。
私は鷺宮を見る。
「鷺宮君、後でお時間を頂けますか?」
鷺宮も私を見据える。
「いきなり、どうした?」
「この前のハンカチのお礼をお渡ししたくて。」
鷺宮は少し苦笑しながら言う。
「西園寺は真面目だな。本当に気にしなくて良かったのに。」
真面目な鷺宮に言われた。
鷺宮の方が真面目だと思うけど。
私は少しだけ首を横に振る。
「真面目というか私の気持ちの問題です。自己満足なのでしょうが、どうか受け取ってください。」
「分かった。」
「では、このオリエンテーションが終わったら、教室でお待ちしています。」
鷺宮は無言で頷く。
そして、曲が終わり鷺宮とのダンスが終わった。
これで鷺宮の成績も大丈夫だろう。
ホッと一安心したのも束の間。
私は重大な事を思い出した。
萌香だ。
萌香は誰とも踊れていないのではないか?
鷺宮はこれ以上踊るつもりは無いと言っていた。
鷺宮ルートに入らないとなると、
やはり、蘇芳なのだろうか。
辺りを見渡す。
「西園寺、どうした?」
鷺宮が挙動不審になった私に声を掛ける。
「あ、あの萌香は何処に居るのかと思いまして。」
居ない。
何処だろう。
蘇芳と踊っているのだろうか。
胸の鼓動が少しだけ早くなる。
西園寺が私の肩を叩く。
そして私達が数刻まで踊っていた場所を指差す。
「草薙萌香なら、あそこで踊っているぞ。」
ドクリ。
心臓が鷲掴まれたようだ。
ゆっくりと後ろを振り向く。
そこにはにこやかに笑い合いながら踊っている
萌香と東矢の姿があった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる