転生?乙女ゲーム?悪役令嬢?そんなの知るか!私は前世の夫を探しに行く。

コロンパン

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挨拶

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ヒロインちゃんと二人。
先生の後に付いて教室へ。

教室に入ると、皆の視線が一斉にこちらへ向く。

「何て可愛らしい子なんだ!」
「あんな可愛い子貴族に居たか?」

ヒロインちゃんが先に入って行ったので、男達は色めき立つ。

そうだ!ヒロインちゃんを皆見るんだ!

これで、自分は目立た無いだろうと踏んで、
ヒロインちゃんの後に続く。

何故か静まり返る教室。

え?

「氷の令嬢だ・・・。」

「学園に通う噂は本当だったんだ・・・。」

ざわざわし始める。

一気にヒロインちゃんへの注目を奪ってしまった。

その中に何処かで見たような顔の人間が、
ギラギラした目で私を見ていたが、
取り敢えず無視をする。

「悪役令嬢の癖に何でノエル王子にあんな目で見られてんのよ。」

ヒロインちゃんが小声で呟いてます。

う~ん。
これは不味い。
どうにかして私は敵ではないと伝えるにはどうすれば良いか。


転生者であると分かる様な発言で、注意を引き話し合いの土俵に持って行く。
さて、どうしたものか。

ううむ。

「・・・壁ドン、顎クイ、床ドン、股ドン、蝉ドン・・・。」

私の呟きにヒロインちゃんが鬼の様な形相で私を見る。

しまった、逆効果か!
ヒロインちゃんの眼光の鋭さに、周りが一気に引き始める。

我に帰ったヒロインちゃんは、

「きゃあ!窓に虫が!」

かなり苦しい誤魔化しをする。
この世界の皆さんは優しいのか、一斉に窓を見る。

「何処だ?」

「居ないぞ。」

その隙に、そっと私はヒロインちゃんに耳打ちをする。

「安心してください。私は貴女の敵ではありません。
後でお話がしたいのですが、時間を頂けますか?」

ヒロインちゃんは私を睨み付けたまま頷く。
可愛いお顔が台無しだよ!

「ごめんなさい!見間違いだったみたいです!」

生てへぺろ!初めて見た!

ヒロインちゃんの顔が一変。
花が飛んでると錯覚するほど、可愛らしいてへぺろ!からの頭コツン。

それに男子達が顔を赤くする。
女子達の反応よ・・・。

温度差。

どこの異世界も同じなのだなと染々思う。

「今日から2名新しく皆と学ぶ事になりました。
色々教えてあげて下さい。
では、自己紹介を、ミリアムさんから。」

先生に促され、一歩前に出る。

自己紹介とか、本当に学生以来だよ。

「初めまして皆様。
ミリアム・アッカーマンと申します。
皆様と共に学べる事を嬉しく思います。
どうぞ宜しくお願い致します。」

貴族の礼を取り、出来る限りの笑顔を浮かべる。

前世では上手に笑う事が出来なかったから、笑えてるか不安だったが、
女子達の反応が好意的に感じ取れたので、
ひとまず成功したのだろう。

ああ、良かった。

「では、アリスさん、どうぞ。」

ふむ、アリスちゃんと言うのか。
アリスちゃんは、ずずいと前に出る。

「初めまして!アリス・ロズウェルと言います!
何もかも初めてで、ドキドキしていますが、
皆さん仲良くしてくださいね!!」

後ろ姿しか見えないが、首を傾げてるのだけは分かった。

男子達は鼻息が荒く、

「こちらこそ!」

「かわいいいいい!」

口々に騒いでいる。
女子達は・・・・。
さて、私は何も見ていない。

女子達の般若の様な目なんて何も見えていない。


これ、ちゃんと話出来るのかね・・・・。










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