転生?乙女ゲーム?悪役令嬢?そんなの知るか!私は前世の夫を探しに行く。

コロンパン

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ヒロインちゃん

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「その子ちょっと遅れているようなのよ。
少し待っててくれる?」

「はぁ・・・。」

ふぅむ。
私のような中途半端な時期に新入生とは。

はっ!
まさか!
旦那では?



・・・無いか。



数分後、バタバタと廊下を走る音と共に、
ばたんと、ノックも無しに学園長室の扉を開ける音がした。

セラフィナさんの眉がピクリと上がる。

うわあ、やべえよ。
絶対零度の微笑み。こえええええ!



「ごめんなさぁい!遅れましたぁ。」

すんごい猫なで声で、入ってきたのは女の子。

旦那じゃなかったな、期待していなかったけど、
少し気落ちして、女の子を見る。


ピンクブロンドのふわふわした髪の、
ピンクの大きい瞳を潤ませて、
THEヒロインと言う姿。

いや、もうこれはヒロインでしかない。

ピンクブロンドとかヒロインしか似合わん。

ほう、このゲームは悪役令嬢とヒロインが同じ新入生スタートなのか。

そう、ボケーと考えていると、
セラフィナさんが私の時とは全然違う低めの声でヒロインちゃんに言う。

「貴女、時間に遅れているのにその態度は何?」

「ええー?謝ってるじゃないですかあ。」

こええええ!
こええ!
セラフィナさんの顔見れない!

冷気漂ってるよ!

「・・・もういいわ、授業に遅れるし。
二人共、行って頂戴。」

「二人?・・・!!!」

ヒロインちゃんが首を傾げながら、周りを見渡して私を見つけ、ハッとした顔になる。

私はにこりと笑顔でヒロインちゃんに笑いかける。
だが、ヒロインちゃんは私を睨み付ける。

お?これは?

そして、ボソリと呟く。

「出たわね・・・。悪役令嬢。」

前世で読み耽っていた転生物からの経験上、
悪役令嬢と宣う彼女は確実に、私と同じ転生者。
そして、ざまぁ系の悪役令嬢を警戒してそうなヒロインと見た。
で、あの猫被りの様子を見るに、推しとのハッピーエンドか逆ハーレムエンドを狙っている。
故に私を敵と見なしているな。

これは困ったな。
ハッピーエンド、逆ハーレムエンド大いに結構だが、私を巻き込むのはごめん被る。
そっちはそっちで好きにしてくれ。

ただ万が一攻略対象に旦那が居たのなら、それはどうしても諦めて貰いたい。
本当にそれだけ、土下座でも何でもする。



よし、挨拶が済んだら、ヒロインちゃんと話を付けよう、そうしよう。


私は決意を胸に教室へ向かう。

話の分かるヒロインちゃんでありますように!!
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