転生?乙女ゲーム?悪役令嬢?そんなの知るか!私は前世の夫を探しに行く。

コロンパン

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お家に帰らせてください。

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脳筋を退け、校門へ向かう。
馬車通学かとワクワクしていたけど、
まさかの徒歩通学。

アリスとなら全然楽しいので、徒歩も悪くない。




ん?校門に何か人影が見える。

「あ、王子だ。」

アリスが呟く。
げ。
良く見ると、校門の柱に凭れて額に手を当てている。
何してんの?あれ。何してんの?

私はすっと校門のそれを指差す。

「アリス、見てください。あれがナルシストという生態です。」

「ふごっ!!やめて!」

「ちゃんと見てください。あんな姿、自分に自信がなければ出来ないでしょう。」

「ふふふふ。やめ、」

私達を視認し、満面の笑みを浮かべ近寄ってくるナルシスト。

「随分遅かったな、待っていたぞ。」

「(あの恰好でスタンバイしてたのか)はぁ。」

「(ちょっと聞こえてるわよ!!)第二王子殿下ごきげんよう。」

「ああ、君はアリス嬢だったかな?ミリアムともう仲良くなったみたいだな。」

私の心の声が漏れ出していたみたいで、アリスに注意される。
王子には聞こえていないようだった。
呑気に話しかけてくる。

「ミリアム様とは気が合いましたの。高位の貴族の方ですのにとても気さくで素敵な方です。」

「ア、アリスぅ・・・。」

(だから、そんな眼で見ないでって・・・。)

(だって嬉しいんですもん。)

アリスと私、目で会話をする。

「・・・いきなりこうも仲が深まる物なのか?」

王子が疑わし気に見てくる。

「で、ノエル王子は何の御用でしょうか。」

「ん、ああ。ミリアムと一緒に帰ろうと思ってな。」

コイツもかよ!
勘弁してくれよ!!

「折角のお誘いですが、私はアリスと一緒に帰ります。
女の子同士でお話したい事がありますので、
男性の方はご遠慮いただきたいのです。」

不敬をも恐れぬ発言。
アリスはまた驚愕の瞳で私を見る。
大きい瞳が落ちてしまいますよ。

「む、むう。どうしても駄目なのか?」

あれ?
何か前と違うような・・・。

「はい。私はアリスと帰りたいのです。」

「・・・いつなら、一緒に帰れる?」

「・・・・・いつ、というのは無いですけど。」

うん、そうだよ。
婚約破棄したのに何故一緒に帰る必要があるのだ。
何か、前と違うアプローチなもんで、少し戸惑ったがきっちりと断る。


「私は、あれから考えたのだ。」

これ長くなりますか?

「ミリアムが私への気持ちが消えてしまったと告げられて、
その時に気付かされた。
噂だけでミリアムを判断していた自分に。」

ああ、長くなりますね。
自分の言葉に酔いながら話し続ける王子。
自分を自分で抱き締めながら、震えるナルシスト。

私はアリスの腕を引く。

「君は噂の様な人間ではなく、王子である私に媚びる事無く、
感情をぶつけてくれた。
初めてだった。
王子というだけで、近寄って来た人間を辟易していたのに、
私自身も氷の令嬢というだけで、君を避けていた。
最低な人間だよ。
だが、君は私の目を覚まさせてくれた。
婚約破棄をしてしまったが、もう一度チャンスをくれないだろうか?
今度こそはミリアム、君を大切にすると誓う。
だから・・・・・・・って、居ない!!!!
何処だ!ミリアム!!」








「ねぇ、何か話してたけど。」

「え?ああ。」

「ああって!」

早歩きで歩く私。
一刻も早くこの場を去りたい。

脳筋もだし、ナルシストも来たという事は、だ。

後の奴も何処かで待ち伏せていやがる可能性が高い。
ともすれば、サッサと此処から去るに限る。

じゃないと、アリスとお話出来る時間が短くなる!!!



そんなの嫌だ!!!


お願いします!!私達を家に帰らせて下さい!!







って言ったら、フラグと言う物は建つんだよね。

分かってるさ!!!
こん畜生!!!!!


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