転生?乙女ゲーム?悪役令嬢?そんなの知るか!私は前世の夫を探しに行く。

コロンパン

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私のせいなんですかね?私のせいですね。

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「ノエル様がアンタの隣で、泣きそうになってる時から、
何か、変だと思ってたのよ。」

うん、それほぼ最初からですよね。

「ノエル様はゲームでは、俺様キャラで、ミリアムが言う様にナルシストも入ってる自信家。
あんな風に人前で泣いたりなんて絶対にしなかった。」

あ~、確かにこの家に来た時、そんな感じだったような・・・。

「ウルフィン様も爽やかなキャラで正義感の強い騎士という設定よ。
女性にも紳士的だったし、間違ってもあんなぐいぐい来るようなタイプでは無かった筈。」

彼は・・・どうだっけか、覚えてないな。

「リヒト様も、クリス様だって全然違う!!」

お、略したな。
まぁ、どちらでも良いけど。

「マゾヒストでもヤンデレでも無かったと?」

こくりと頷くアリス。
マゾヒストとヤンデレだとは認めているのね。

「・・・おかしいですねぇ。私達みたいな転生者でもなさそうでしたよ。
確かに、私の家に来た時はアリスの言っている様な性格でしたね、言われてみれば。」



・・・自分で言いながら、何となく、いや確実に結論が浮かんでくる。



「・・・・・私のせいですかね?」

アリスに尋ねる。
アリスは何も答えない。

無言の肯定と言うやつだ。

それまでゲーム通りだった性格が、私の家に来た後に変わってしまっているのだ。
火を見るよりも明らかだ。

結論は出たのだが、過程が分からない。
何故、そうなった?
別段、彼等の性格が変わる様な出来事は起こらなかった筈だ。
雷に打たれた訳でもないし、頭を強く打ち付けた訳でもない。




思い当たるとすれば


「私がゲーム通りの悪役令嬢の振る舞いをしなかったから、位ですかね。
考えられるのは。」

「まぁ、それ位よね・・・。」

それでしかないだろう。
こんな段階で婚約破棄もしていないだろうし。
だが、


「それって、何か不味い事あるんですかね?」

虚を突かれた顔のアリス。

「あの人達と恋人になるつもりも無い、
婚約だって早々に破棄して貰いたかった。
なら、別に彼等の性格が変わろうが、何の問題も無いのでは?」


「そう、よね?
あ、でもゲームの強制力とか。」

半ば私に説得されそうな、アリス。
よし、畳み掛けるぞ、へっへっへ。

「そんなもん、押し切ってやりますよ。
今此処で生きているのは私達なのです。
自分の人生は自分の物。ゲームの物ではない。」

「う、うん。
そうよね、そうね!」

「そもそも、バ神が夫を探しなよ~、と言ってる時点で、
ゲーム展開から外れてますよね?」

「バ神・・・。」

「決定的なのは、私がこのゲームを知らないという点。
全くゲームシナリオが分からないですもん。」


私が悪役令嬢に転生した瞬間、このゲームは破綻している。

「そうよね、アンタがミリアムって言う時点で、もうシナリオ通りには行かないわね。」

二コリと頷く。

「・・・ミリアムはそんな風に笑わない。
どちらかと言うと、人を見下した笑い方をしてた。」

ほう、前世の私だな。

「こうですか?」

以前の私の捻くれた笑い方をする。

「それ!何で出来んのよ。」

「前世の私の笑顔のデフォがこれなんで。」

「よく結婚できたわよね・・・。」

「私もそう思います。ホント、何ででしょう?」

アリスは長い溜息を吐き、疲れた様子を見せる。
よし、勝った。何に勝ったか知らんが、勝った。

「あ、あと一つだけいいですか?」

「何?」

「私は因みに何の得意魔法があるのですか?」

まぁ、念の為聞いておこう。
バ(もう神を省略する事にする。)がチートを付けているから、
何でもいいですがね。


アリスは事も無げに言う。

「ミリアムは、全属性が得意属性よ。」





パードゥン?




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