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合掌
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『ギルド』
そのまんまの看板。
直ぐに見つかったから、良かった。
「着いたけど、ギルドに何の用があるの?
人探しの依頼でもするの?」
アリスが一緒に付いてきてくれた。
「そんな事しませんよ。」
そう言って、中へ入る。
ムワア。
中はこう、汗と埃と熱気と臭いと男と男と男と男と男と男で、もう視界が揺らぐ。
「ミリヒャム。」
横を見るとアリスが鼻を摘まんで涙目だ。
「なんれすか?アリフ。」
まあ、私もだけど。
「ほんとに、こんにゃとほろに、にゃにかありにょ?(ホントに、こんな所に、何かあるの?)」
鼻摘み過ぎて、言葉が聞き取れないアリスが不憫なので、
多くのマッチョな男性達がわちゃわちゃしている一階を突っ切って、
足早に二階のある部屋に向かう。
空気が一変。
爽やかな柑橘系の匂い。
私達はやっと鼻を解放した。
「ぶはっ!死ぬかと思った!!」
アリスが大きく深呼吸する。
私も鼻を擦り、鼻の奥にこびりつく残り香を追い出そうとする。
「下は男の人しか居なかったので、仕方無いですね。
幸い此処には女性しか居ないので、安心です。」
「おい?誰が女性だって?」
部屋の中には一人の美しい女性が立っていた。
銀のサラサラヘアーを腰まで伸ばし、
耳が長い、・・・耳が長い。
耳が長いという事は、アレですよね?
あの、ファンタジー小説には必ずと言って良いほど、登場する種族の、
「エルフ・・・。」
アリスが目を輝かせて呟く。
私とアリスはきっと同じ気持ちだろう。
目の前にはそう、エルフが居るのだ。
そして、数多の小説の様に凄く美しい容姿。
銀色の瞳、白く透き通る肌。
感動以外の感情が思い浮かばない。
気がついたら、アリスと私は両手を合わせて、
目の前のエルフさんを拝んでいた。
「ありがたや、ありがたや。」
「まさかリアルに見る事が出来るとは。」
「な、何をしている!?止めろ!拝むな!」
目の前のエルフさんが、怒っている。
レアリティな物を見たら拝まずにはいられないヲタクの性質を分かっていただけないようだ。残念。
私は、気を取り直してエルフさんに挨拶する。
「初めまして、ミリアムと言います。」
「私はアリスと言います。」
「俺は、ロランバルトだ。
・・・違う!何、勝手に此処に入ってきている!」
ロランバルトさんが意外にもノリツッコみをしてくれた。
楽しそうな人だ。
と、その前に。
「俺?」
「え?男性?」
アリスも女性だと思っていたようだ。
ロランバルトさんが口元を引き攣らせて言う。
「さっきも言っていたが、本気で女だと思っていたのか?」
コクリと頷く私達。
「いや、だってこんなに綺麗な人が男だとは思わなくて。」
「はい、確実に女性だと思ってました。臭くないし。」
「ミリアム、臭くないかで性別判断してんの?」
「下の階の人達を見てなんとなく・・・。」
「本気で言っているのか・・・。」
ロランバルトさんはガクリと頭を垂れる。
私とアリスは二人とも首を傾げる。
「この耳をしていて、まさか女に間違われるとは思わなかった。」
「耳?」
ロランバルトさんは自分の長く大きな耳を指して言った。
「この耳が横に大きければ男。縦に大きければ女。
これが常識だ。」
え?そうなの?
私とアリスは後ろを向いてこそこそと話し合う。
「え?そんな話聞いたことある?」
「いえ、全く。話に出てくる女性のエルフさんでも横に長い耳の人居ましたよね?」
「うん、居た。絶対居た。」
「あれですかね?この世界の常識かもしれないですね。」
「ああ、なるほど。そうかもしれないわね。
ていう事は私達かなり失礼な事を言ったみたいよね?」
「ですよね、ここはちゃんと謝りましょうか。」
二人で頷き合い、前へ向き直り、頭を下げる。
「失礼な事を言ってすみませんでした。」
「ごめんなさい。」
「な、何の密談をしたのかは知らないが、素直な姿勢に免じて謝罪を受け入れよう。
だが、一度だけだ。」
私達は元気よくはい!と返事する。
それに満足したのか、ロランバルトさんは頷く。
「で、お前達は何の用で此処に来た。」
私は口を開く。
「ギルドマスターの方に用があって此処に来ました。」
そう、此処はギルドマスターの部屋。
この部屋に居たロランバルトさんが恐らくギルドマスター。
私はロランバルトさんをしっかりと見据えて言う。
「此処に登録しているハンターさんの中に探している人が居るんです。」
そのまんまの看板。
直ぐに見つかったから、良かった。
「着いたけど、ギルドに何の用があるの?
人探しの依頼でもするの?」
アリスが一緒に付いてきてくれた。
「そんな事しませんよ。」
そう言って、中へ入る。
ムワア。
中はこう、汗と埃と熱気と臭いと男と男と男と男と男と男で、もう視界が揺らぐ。
「ミリヒャム。」
横を見るとアリスが鼻を摘まんで涙目だ。
「なんれすか?アリフ。」
まあ、私もだけど。
「ほんとに、こんにゃとほろに、にゃにかありにょ?(ホントに、こんな所に、何かあるの?)」
鼻摘み過ぎて、言葉が聞き取れないアリスが不憫なので、
多くのマッチョな男性達がわちゃわちゃしている一階を突っ切って、
足早に二階のある部屋に向かう。
空気が一変。
爽やかな柑橘系の匂い。
私達はやっと鼻を解放した。
「ぶはっ!死ぬかと思った!!」
アリスが大きく深呼吸する。
私も鼻を擦り、鼻の奥にこびりつく残り香を追い出そうとする。
「下は男の人しか居なかったので、仕方無いですね。
幸い此処には女性しか居ないので、安心です。」
「おい?誰が女性だって?」
部屋の中には一人の美しい女性が立っていた。
銀のサラサラヘアーを腰まで伸ばし、
耳が長い、・・・耳が長い。
耳が長いという事は、アレですよね?
あの、ファンタジー小説には必ずと言って良いほど、登場する種族の、
「エルフ・・・。」
アリスが目を輝かせて呟く。
私とアリスはきっと同じ気持ちだろう。
目の前にはそう、エルフが居るのだ。
そして、数多の小説の様に凄く美しい容姿。
銀色の瞳、白く透き通る肌。
感動以外の感情が思い浮かばない。
気がついたら、アリスと私は両手を合わせて、
目の前のエルフさんを拝んでいた。
「ありがたや、ありがたや。」
「まさかリアルに見る事が出来るとは。」
「な、何をしている!?止めろ!拝むな!」
目の前のエルフさんが、怒っている。
レアリティな物を見たら拝まずにはいられないヲタクの性質を分かっていただけないようだ。残念。
私は、気を取り直してエルフさんに挨拶する。
「初めまして、ミリアムと言います。」
「私はアリスと言います。」
「俺は、ロランバルトだ。
・・・違う!何、勝手に此処に入ってきている!」
ロランバルトさんが意外にもノリツッコみをしてくれた。
楽しそうな人だ。
と、その前に。
「俺?」
「え?男性?」
アリスも女性だと思っていたようだ。
ロランバルトさんが口元を引き攣らせて言う。
「さっきも言っていたが、本気で女だと思っていたのか?」
コクリと頷く私達。
「いや、だってこんなに綺麗な人が男だとは思わなくて。」
「はい、確実に女性だと思ってました。臭くないし。」
「ミリアム、臭くないかで性別判断してんの?」
「下の階の人達を見てなんとなく・・・。」
「本気で言っているのか・・・。」
ロランバルトさんはガクリと頭を垂れる。
私とアリスは二人とも首を傾げる。
「この耳をしていて、まさか女に間違われるとは思わなかった。」
「耳?」
ロランバルトさんは自分の長く大きな耳を指して言った。
「この耳が横に大きければ男。縦に大きければ女。
これが常識だ。」
え?そうなの?
私とアリスは後ろを向いてこそこそと話し合う。
「え?そんな話聞いたことある?」
「いえ、全く。話に出てくる女性のエルフさんでも横に長い耳の人居ましたよね?」
「うん、居た。絶対居た。」
「あれですかね?この世界の常識かもしれないですね。」
「ああ、なるほど。そうかもしれないわね。
ていう事は私達かなり失礼な事を言ったみたいよね?」
「ですよね、ここはちゃんと謝りましょうか。」
二人で頷き合い、前へ向き直り、頭を下げる。
「失礼な事を言ってすみませんでした。」
「ごめんなさい。」
「な、何の密談をしたのかは知らないが、素直な姿勢に免じて謝罪を受け入れよう。
だが、一度だけだ。」
私達は元気よくはい!と返事する。
それに満足したのか、ロランバルトさんは頷く。
「で、お前達は何の用で此処に来た。」
私は口を開く。
「ギルドマスターの方に用があって此処に来ました。」
そう、此処はギルドマスターの部屋。
この部屋に居たロランバルトさんが恐らくギルドマスター。
私はロランバルトさんをしっかりと見据えて言う。
「此処に登録しているハンターさんの中に探している人が居るんです。」
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