転生?乙女ゲーム?悪役令嬢?そんなの知るか!私は前世の夫を探しに行く。

コロンパン

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何だかんだで

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特にダンジョンの依頼も無いまま一週間が過ぎた。

普通にご飯を食べて、普通に学園に行って、普通に授業を受けて、
普通にアリスと遊び、普通にご飯を食べて、普通に寝る。

全然問題ない。
何も問題ない。

行かなければ行かないで良いのだ。


今はアリスとお昼。
それぞれのお弁当を分け合いっこ。


「へぇー、アリスはあの芸能人が好きだったんだ。」

「うん、だってTHE王子様みたいじゃない?凄くカッコよかった。
ミリアムは?誰が好きだったの?」

「うーん、うーん・・・・。うん?うーん・・・・。ええと、あの、あれ、あれ。」

「全く分からん。」

「ああ、あの~。映画の度に体型作りをストイックに行う俳優さん。
名前は・・・何だっけか・・・。」

「それ、本当に好きの部類に入るの?」

半眼で私を見るアリス。

「好きというか、作品に真摯に向き合っていて素晴らしい俳優さんだなぁ、という。」

「どこ目線よ。」

アリスのツッコミ。

「私はもう腐ったオタクだったので、2.5次元と3次元には本当に興味が・・・・。」

「徹底してるわね。」

アリスは感心した様に呟く。
感心するような事は何一つ無いのにね。

「可愛い女の子は好きだけどね~。」

「本当に徹底してるわね。」

「ありがとう。」

「いや、褒めてないし。」

敬語を止めてなのか、アリスとグッと仲が良くなった気がする。
前世含めてこんなに仲良くなった女性は居ない。
知り合っての時間が短いが、関係は濃密な筈。

夫よ、私にも親友が出来たんだよ。

しみじみとアリスのお弁当を噛み締める。
肉巻きおにぎり最高・・・。

一つ悩みと言えば、そろそろ来るであろう・・・。




「見ぃつけたぁ。」


「「・・・・・。」」

「二人してそんな嫌そうな顔しないでよぉ。
僕達も一緒にご飯食べたいのに、君達すぐ二人で何処かに行っちゃうんだから。」

「その蔑みの目が素敵です、ミリアム嬢!
あ、アリス嬢も中々捨てたものではありませんよ?
ミリアム嬢には及びませんが。」

「ミリアム、ごめんね・・・。
どうにかして引き止めようとしたんだけど。」

「お兄様、良いんです。気にしないで下さい。
この人達は止めようとしても、止めれないでしょうから。」

そう、色々場所を変えてご飯を食べているのに、何処から嗅ぎ付けて来るのか、
攻略対象のいずれかが、私とアリスの一時を邪魔しに来るのだ。

あれかな?発信機でも付けられてるのかな?

自分の体を見回す。

「何してんの?ミリアム嬢。」

「いいえ、何でも。」

今日はドM眼鏡とヤンデレショタ男か。
シュタイナーが凄くシュンしている。
そんなに責任を感じなくても良いのに。

「ねぇねぇ、僕と一緒に住む事をちゃんとお兄さんに言ってないの?
彼、『ミリアムは貴方とは結婚しません!』って、言うばかりなんだよ?」

いつ、お前と結婚する話になったのか、ショタを通り越してボケてきてるのか?

「・・・再三言っていると思いますけど、いつ私が貴方と結婚すると言ったのでしょうか?」

「ええー!王子と婚約破棄をしたら、次の候補は僕になるんだよ?」

いや、婚約自体していないのに、その気になられても困る。

「では、この場を借りて貴方と結婚する事を再度お断りします。」

「・・・・・・・嫌だ。」

は?

「嫌だったら、嫌だ!!僕と絶対結婚するの!!」

「結婚しません。絶対に。」

「パパに言えば、ミリアムだって断れないんだからね?」


おお、ほう。
パパ出してくる?そう来る?

ニヤニヤ笑っているクリスには悪いが、親に泣きつく奴はどうあっても好きにはなれない。

「自分の力で何も出来ない男と誰が結婚したいと思います?
私ね、嫌いな男沢山居るんです。
その中でも親に言いつけて、言う事を聞かせる男がトップ5に入る程、嫌いなんです。
ええ、もう虫唾が走るくらいに。」

クリスの顔から笑顔が消える。

「パパに言うならどうぞご自由に。ですが、私の全力を持ってそれを阻止しますので、覚悟しておいてください。」

血管が浮き出るくらい拳を握り、その辺に落ちてた石目掛けて振り下ろす。
此処であの効果音を付けてしまえば色々と引っかかるので自粛するが、
石だけ粉々に砕けて砂になった。

私も人の事は言えないが、脳筋なのだ。
クリスの父親を策略とか練らずに純粋な力で捩じ伏せようと考えている。

罪に問われようとも、そこは引かずに実力行使。
それで国外追放されても、勘当されても構わない。
寧ろ大歓迎。

冒険者になって、夫とセイさんと三人でパーティーを作って荒稼ぎしてやる。
そして、アリスを迎えに行く。

決意を固め、クリスの顔を睨むと、完全に怯えきっているようで、ガタガタ震えていた。


おっしゃ!脅しが効いたようだ。

「は、はああああ!!」







興奮してんなよ!!眼鏡男!
どんだけドMなんだよ!


取り敢えず、ヤンデレショタは脱落した模様。


良かった良かった。






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