転生?乙女ゲーム?悪役令嬢?そんなの知るか!私は前世の夫を探しに行く。

コロンパン

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5体揃ってゴレン・・・。

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「玉ちゃん5号までいます。」

「5号て・・・。」

私の周りを楽しそうに回る玉ちゃんズ。

「はい、皆さん、ご挨拶を。」

『こんにちはー!!』

聞こえてくる様な感じで、玉ちゃんズは空中を跳ねている。

「こ、こんにちは。」

アリスは玉ちゃんズに気圧され挨拶をする。
私の細胞が入っているからなのか、玉ちゃんズはアリスに一斉に纏わりつく。

「ちょ、ちょっと!何!?何!?」

『アリス!アリス!好きぃいいい!!』

『ふ・・・。お前等、アリスが嫌がっているだろう?その辺にしておけ。』

『アリスぅ~。好きな食べ物何~?』

『・・・アリス・・・好きだ・・・。』

「ひいいい!何か言ってるように感じる!
何で!?何で!?ミリアム!
ちょっと、どうにかしてよ!」

うん、私も聞こえる。

「これこれ、玉ちゃんズ。
アリスが困ってるでしょうが。」

私がそう言うと、スンと静になり、
私の側へ戻る。

「ミリアム・・・。これは一体。」

驚きっぱなしのシュタイナーはもう、目が落ちるんじゃないかという位に見開いて私に聞いてくる。

そうは言われても。

「う~ん、私には分からないんですよねぇ。
微妙に皆性格が違うし。」

「性格?」

私はセイさんが行った方向を指差して、

「セイさんと行った玉ちゃんはツンデレタイプで。」

「つ、つんでれ?」

シュタイナーは首を傾げる。

「ああ、ごめんなさい。
こう意地を張っているけど、ちょっとした事で甘えてくる感じですね。」

「う、うん?」

分からないか。

「まぁ、取り敢えずそういう性格で、この子は熱血タイプ。
この子はクール系、この子は食いしん坊タイプ。
この子は一匹狼タイプ。」

「ちょっと、ミリアム。こっちに来なさい。」

わぁい!アリスからお呼びがかかった。
なにカナー。

パコン!!

「あた。」

頭を叩かれた。
ふむ、効かん!

全く動じない私の耳を思い切り引っ張る。

「あたた。」

耳!耳は流石に痛い。

「アンタ!ちょっとワザとやったわね!?
何よ、その性格。まんまじゃない!」

「はて、何のことやら。」

「白を切ろうっての?」

「白を切るも何も、本当に予期せぬ出来事なのに。
・・・まぁ、5人揃ったらどうなるかなぁとは思ったけど。」

いや、本当に。
2、3体作った後、純然たる興味で5体まで作ったら、本当にそうなるんだもん。
世の中とは分からないものだ。


「いやぁ、こうまでゴレン「言わせないわよ!!」になるとはねぇ。」

「玉ちゃんズじゃあ、可哀想だから、名前付けようかな。」

「・・・・まさかとは思うけど。」

私はニンマリと笑って言う。

「とびきりの名前を考えてあげるわ、とびきりの、ね。うふふふふ。」

というか大体考えていた。
あの子達がああいう性格だから、余計にね。

任せたまえ。
拗らせている私にかかれば、名前など朝飯前だよ。


「うわぁ・・・。嫌な予感しかしない。」

アリスの顔がヒクついている。
そんなに心配しなくても、大丈夫なのにねぇ。

「はいはーい。玉ちゃんズ。
集まって~。名前を付けてあげましょうね。」

わーい!と跳ねながら、私の元へ集まる玉ちゃんズ。

「ええと、君は熱血君だね。
君はイメージカラーは赤。なので名前は紅炎。」

紅炎と名付けられた玉ちゃんは、炎の色が真っ赤に変化する。

お?

「はい、君はクール系。
イメージカラーは青。名前は蒼氷。」

蒼氷と名付けられた玉ちゃんは、炎の色が真っ青に。

ああ。

「はい、君は食いしん坊系ね。
イメージカラーは黄。名前は黄雷。」

黄雷と名付けられた玉ちゃんは、炎の色が真っ黄に。

はいはい。

「んで!君は一匹狼系。
イメージカラーは黒。名前は黒羽。」

黒羽と名付けられた玉ちゃんは、炎の色が真っ黒に。

やっぱりね。

「後はセイさんと行ったあの子は、ツンデレ系で、
イメージカラーは桃。名前はア「殴るわよ。」・・・・桜花。」

ちっ。アリスがヒロインらしからぬドスの効いた声で脅してきた。

恐らくは桜花と名付けられた玉ちゃんは。炎が真っピンクになった事だろう。

「す、凄い。炎の色が変化するなんて!」

シュタイナーが興奮している。
やっぱり男の子は好きなのよね、戦隊モノ。

「違うからね。」

「え?」

「アンタ、見当違いの事を考えていると思うから。」

アリス、凄いなぁ、本当に。

「・・・・・・。」

何故にそんなジト目で見て来るんだよっ。アリスぅ!

名前を付けられた玉ちゃんズはとても嬉しそうに跳ね回る。

うーん。可愛い。

「で、この子達はどうすんの?」

「え?」

「え?」

「いや、別に・・・、何も考えていないです。」

「はぁ!?」

アリス、怖いよ?

「アリスを驚かせようと思って・・・。」

アリスは口が開いたままだ。

「ま、まぁ、灯りが無くても大丈夫になったから、ね?」

シュタイナーが何故かフォローしてくれた。
私はうんうんと頷く。

ふうと息を吐き、アリスは目を瞑る。

「うん・・・。まぁ、驚いたわ。」

だろう?
私も驚いたんだ。

「兎に角、ペットみたいな感じで、家で飼います。」

結構癒しになるしね。

玉ちゃんズは私の周りをルンタルンタと回っている。

「じゃあ、ちょっとだけさ、ダンジョンに行ってみない?」

ちょっと興味あったのね。
アリスの提案で、私達三人は少しだけダンジョンに入る事にした。


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