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魔王の噂
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「ねえ?お聞きになった?ミリアム様のお話。」
「聞きましたわ!あのお話でしょう?」
「え?何?何のお話かしら?」
「知らないの?ミリアム様のハンターギルドでのお話よ。」
「とても大きなモンスターをミリアム様が退治なされたそうよ。」
「ええ!?まさか。」
「しかも、その退治の方法が通常では考えられない方法だったというお話よ。」
「それほどミリアム様の魔法が強大なのかしら・・・。」
「そんな事よりももっと重要なお話があるのよ!!」
「どういう事?」
「それはね・・・・・。」
「な、なんですって!?」
「本当なの、それは!!」
「本当よ!!その場所に偶然居合わせた方が仰っていたもの。」
「これは大変な事だわ・・・。」
「そうね、一大事だわ。」
「どうにかしないと・・・。」
私のギルドでの話が学園にも広まっているらしく、周りがざわついている。
私を見ては、さわさわと話し込んでいる。
ううむ。
『ミリアムの野郎、常識はずれの魔法を使ったらしい。』
『ミリアムのあの野郎、 魔王なんじゃないのか?』
『ミリアム、あの糞野郎この国を滅ぼすつもりなのか?』
とか言われてるのかな~?
糞野郎って酷いよなぁ~。
その前にこんなうら若き乙女に野郎は無いよなぁ~。
前世の私に言うのならまだしも、この美少女フェイスで野郎って無いよなぁ~。
そのような事をつらつらと考えていてら、
隣のラナちゃんと目が合った。
ああ、この可愛い子も私の事を怖がってしまうのかなと、少し切なくなった。
せめて、女の子には敵意は無いからね~と精一杯の笑顔を作ると、ラナちゃんはポッと顔が赤くなり、
慌てて目を伏せた。
おん?
周りのさわさわしている女の子達に目を向ける。
ラナちゃんと同様に私と目が合ったら、皆顔がボワンと赤くなり、顔を手で隠している。
・・・どういう事だ?
予想外の反応に首を傾げていると、後ろから声を掛けられる。
「ミ、ミリアム!」
誰だ?人が考えている時に。
振り返ると何故だか切なげに眉を寄せている王子が私を見つめていた。
うわぁ・・・。
どうしよう。話をしたくない。
でも、一応王子だしな。
「・・・・何ですか?」
凄く嫌々返事をした。
王子は気付いていないのか、話始める。
「ギルドでのミリアムの話を聞いた。
凶悪なモンスターを倒したそうだな。」
「ああ・・・。まぁ、そうですね。」
そら、王子の耳にも入るか。
何だろう、学生でギルドとか行くの校則違反だったのかな。
「そ、その、あの、」
モニョモニョと口篭る王子。
以前の俺様な態度は見る影もないな。
「ミリアムは本当に凄いな!!」
「は?」
「ハンターでも無いのに、モンスターを倒せるなんて!
その話を聞いて、私は感動したんだ!!
ミリアムは本当に凄いと!」
「はぁ、どうも。」
王子、語彙力どっかに落としてきたな。
モニョモニョから打って変わって、興奮した様子で私を見つめる王子。
興奮冷めやらぬまま、更に続ける王子。
「私は本当に愚かだった。
ミリアムの様に素晴らしい女性を無下にするなんて、
心の底から後悔している。
だが、婚約破棄は覆らない。
それでももう一度ミリアムと婚約を結びたい!
そう思っていた。」
おう、どうした王子?
何か堰を切ったように話し始めているけども。
王子はナルシストモードが発動したのか、
自分の体を抱き締める様に腕を巻き付ける。
「でも、無駄だと分かったよ。
ミリアムが、遠い存在に感じたよ。」
「はぁ。」
自分に陶酔しているのか、遠い目をしている。
「私は君に相応しい男では無かった。
そう、気付いた。」
「はぁ。」
「私は涙を呑んで身を引く事にする。
影ながら君の事を応援している。」
「はぁ。」
涙まで流し始めた王子。
お気づきだろうか、私は「はぁ。」しか言っていない。
はぁしか言う事が無いからだ。
「済まない。こんな私を許してくれっ!!」
仕舞いには泣きながら走り去って行った。
「何だアレ。」
言うだけ言って満足したのかな。
ていうか、何か私、振られたみたいになってないか?
「まぁ、諦めてくれたのなら良いか。」
「良いの!?」
ん?切れの良いツッコミ。
「お。アリス。おはよう。」
「おはよう。王子また何か変な暴走してたわね。」
アリスも呆れ顔で言う。
「ね。何を言っているのか、半分も分からなかったわ。」
「全然話を聞いていないのは端から見ても分かったわよ。」
二人で笑い合う。
そこへ
「ミリアム様!」
思い詰めた顔のご令嬢さん達が数人、私達の前に立つ。
「どうされました?」
私は尋ねる。
よく見ればアリスと仲良くお話していたお嬢さんも居た。
それに気付いたアリスは、咄嗟に小さくファイティングポーズを取っていた。
うわ、可愛い。何その構え。
さながらハムスターが前足でヒマワリの種を持っている様だ。
デレっと鼻の下が延びていたのか、アリスが何故か私を殴る。
「また変な事考えてたでしょ!!」
「そんな事無いよぉ~。」
「あ、あの!!」
あ、しまった。アリスとじゃれ合って、お嬢さん達を無視してしまった。
「ごめんなさい。何でしょうか?」
謝罪を込めて微笑むと、お嬢さん達はボボボボと顔が赤く色付いていく。
そして、意を決した一人のお嬢さんが前に出て、私を見据える。
「あの、ミリアム様。モンスターを倒されたと噂で聞きました。
その話は本当だと言う事が、殿下とのお話で分かったのですが・・・。」
「はい、本当に倒しましたよ。」
物騒な女は来ないでくれという話なのかな。
アリスは私の服の裾をぎゅっと握り締める。
アリスも同じ事を思って、心配してくれているのだろう。
エエ子や・・・。
「じゃ、じゃあ・・・・。」
お嬢さんもモジモジし始めた。
ん?
「ジュリアン様、頑張って!!」
「ええ、分かっているわ!!」
周りのお嬢さん、(あ、ハンナちゃんだわ。)に発破を掛けられているお嬢さん。
ジュリアンちゃんと言うのか。
「あの!」
凄い圧を感じる。
何?何を言われるんだ。
「男装なさったと言うのは、本当ですか!?」
「・・・・は?」
・・・・・は?
「聞きましたわ!あのお話でしょう?」
「え?何?何のお話かしら?」
「知らないの?ミリアム様のハンターギルドでのお話よ。」
「とても大きなモンスターをミリアム様が退治なされたそうよ。」
「ええ!?まさか。」
「しかも、その退治の方法が通常では考えられない方法だったというお話よ。」
「それほどミリアム様の魔法が強大なのかしら・・・。」
「そんな事よりももっと重要なお話があるのよ!!」
「どういう事?」
「それはね・・・・・。」
「な、なんですって!?」
「本当なの、それは!!」
「本当よ!!その場所に偶然居合わせた方が仰っていたもの。」
「これは大変な事だわ・・・。」
「そうね、一大事だわ。」
「どうにかしないと・・・。」
私のギルドでの話が学園にも広まっているらしく、周りがざわついている。
私を見ては、さわさわと話し込んでいる。
ううむ。
『ミリアムの野郎、常識はずれの魔法を使ったらしい。』
『ミリアムのあの野郎、 魔王なんじゃないのか?』
『ミリアム、あの糞野郎この国を滅ぼすつもりなのか?』
とか言われてるのかな~?
糞野郎って酷いよなぁ~。
その前にこんなうら若き乙女に野郎は無いよなぁ~。
前世の私に言うのならまだしも、この美少女フェイスで野郎って無いよなぁ~。
そのような事をつらつらと考えていてら、
隣のラナちゃんと目が合った。
ああ、この可愛い子も私の事を怖がってしまうのかなと、少し切なくなった。
せめて、女の子には敵意は無いからね~と精一杯の笑顔を作ると、ラナちゃんはポッと顔が赤くなり、
慌てて目を伏せた。
おん?
周りのさわさわしている女の子達に目を向ける。
ラナちゃんと同様に私と目が合ったら、皆顔がボワンと赤くなり、顔を手で隠している。
・・・どういう事だ?
予想外の反応に首を傾げていると、後ろから声を掛けられる。
「ミ、ミリアム!」
誰だ?人が考えている時に。
振り返ると何故だか切なげに眉を寄せている王子が私を見つめていた。
うわぁ・・・。
どうしよう。話をしたくない。
でも、一応王子だしな。
「・・・・何ですか?」
凄く嫌々返事をした。
王子は気付いていないのか、話始める。
「ギルドでのミリアムの話を聞いた。
凶悪なモンスターを倒したそうだな。」
「ああ・・・。まぁ、そうですね。」
そら、王子の耳にも入るか。
何だろう、学生でギルドとか行くの校則違反だったのかな。
「そ、その、あの、」
モニョモニョと口篭る王子。
以前の俺様な態度は見る影もないな。
「ミリアムは本当に凄いな!!」
「は?」
「ハンターでも無いのに、モンスターを倒せるなんて!
その話を聞いて、私は感動したんだ!!
ミリアムは本当に凄いと!」
「はぁ、どうも。」
王子、語彙力どっかに落としてきたな。
モニョモニョから打って変わって、興奮した様子で私を見つめる王子。
興奮冷めやらぬまま、更に続ける王子。
「私は本当に愚かだった。
ミリアムの様に素晴らしい女性を無下にするなんて、
心の底から後悔している。
だが、婚約破棄は覆らない。
それでももう一度ミリアムと婚約を結びたい!
そう思っていた。」
おう、どうした王子?
何か堰を切ったように話し始めているけども。
王子はナルシストモードが発動したのか、
自分の体を抱き締める様に腕を巻き付ける。
「でも、無駄だと分かったよ。
ミリアムが、遠い存在に感じたよ。」
「はぁ。」
自分に陶酔しているのか、遠い目をしている。
「私は君に相応しい男では無かった。
そう、気付いた。」
「はぁ。」
「私は涙を呑んで身を引く事にする。
影ながら君の事を応援している。」
「はぁ。」
涙まで流し始めた王子。
お気づきだろうか、私は「はぁ。」しか言っていない。
はぁしか言う事が無いからだ。
「済まない。こんな私を許してくれっ!!」
仕舞いには泣きながら走り去って行った。
「何だアレ。」
言うだけ言って満足したのかな。
ていうか、何か私、振られたみたいになってないか?
「まぁ、諦めてくれたのなら良いか。」
「良いの!?」
ん?切れの良いツッコミ。
「お。アリス。おはよう。」
「おはよう。王子また何か変な暴走してたわね。」
アリスも呆れ顔で言う。
「ね。何を言っているのか、半分も分からなかったわ。」
「全然話を聞いていないのは端から見ても分かったわよ。」
二人で笑い合う。
そこへ
「ミリアム様!」
思い詰めた顔のご令嬢さん達が数人、私達の前に立つ。
「どうされました?」
私は尋ねる。
よく見ればアリスと仲良くお話していたお嬢さんも居た。
それに気付いたアリスは、咄嗟に小さくファイティングポーズを取っていた。
うわ、可愛い。何その構え。
さながらハムスターが前足でヒマワリの種を持っている様だ。
デレっと鼻の下が延びていたのか、アリスが何故か私を殴る。
「また変な事考えてたでしょ!!」
「そんな事無いよぉ~。」
「あ、あの!!」
あ、しまった。アリスとじゃれ合って、お嬢さん達を無視してしまった。
「ごめんなさい。何でしょうか?」
謝罪を込めて微笑むと、お嬢さん達はボボボボと顔が赤く色付いていく。
そして、意を決した一人のお嬢さんが前に出て、私を見据える。
「あの、ミリアム様。モンスターを倒されたと噂で聞きました。
その話は本当だと言う事が、殿下とのお話で分かったのですが・・・。」
「はい、本当に倒しましたよ。」
物騒な女は来ないでくれという話なのかな。
アリスは私の服の裾をぎゅっと握り締める。
アリスも同じ事を思って、心配してくれているのだろう。
エエ子や・・・。
「じゃ、じゃあ・・・・。」
お嬢さんもモジモジし始めた。
ん?
「ジュリアン様、頑張って!!」
「ええ、分かっているわ!!」
周りのお嬢さん、(あ、ハンナちゃんだわ。)に発破を掛けられているお嬢さん。
ジュリアンちゃんと言うのか。
「あの!」
凄い圧を感じる。
何?何を言われるんだ。
「男装なさったと言うのは、本当ですか!?」
「・・・・は?」
・・・・・は?
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