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父に何と説明すべきか
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「すみません。もう一度言って貰えますか?」
聞き間違いではないのだが、確認の為、ドラゴンさんに問う。
ドラゴンさんはフンッ(まぁまぁ大きめの樽が吹き飛んだ)と鼻息を出して言う。
「じゃから、お主の住処に住まわせろと言うたのじゃ。」
あ、やっぱり。聞き間違いではなかった。
ドラゴンさんが私の家に住み着く気だ。
う~ん。私は別に構わないんだけど、父親然り屋敷の人達が何と言うか・・・。
ていうか、根本的な事を忘れてた。
「あ~、私の家、確かに広いには広いんですけど、ドラゴンさんが入れる程居住スペースは大きくないんですよ。
庭だと、何分外聞が悪いと言いますか。
いや、私は全然良いんですよ。寧ろ毎日体を触らせて頂けるのであれば、全く。」
「触るんかい!」
セイさんがとうとう手まで付けてツッコんできた。
何処でそんな動作覚えてきた?
私がそう言うと、またフンッ(今度は重そうな木材が吹き飛んで、壁を突き破った)と鼻息を出す。
「妾を何と心得ておる。人間達がエンシャントドラゴンと言うておる種族じゃぞ?
お主の杞憂など、・・・・ほれっ!」
そう言いながら、ドラゴンさんが光に包まれたと思ったら、みるみるうちに体が縮んでいく。
と思ったら、あれ?何か人型・・・になってる!!
「どうじゃ?上手く化けれておるじゃろう?」
ふふんと得意気な顔で笑うドラゴンさん。
漫画で読んだことがあるシチュエーションだ!
アメージング!!
ファンタスティック!!
話し振りで分かっていたが、やはり・・・。
「女性だったのですねぇ。」
「め、雌では何か不都合でもあるのかえ?」
凄く不安気な表情になるドラゴンさん。
銀色の長いながーいストレートヘア。
体が銀色だからであろう。
瞳は切れ長でやはり金色。
切れ長なのに細くないって、此処が二次元だからなのか。
鼻筋もすらりと通り、薄い唇。
美ドラゴンから、美女に変わった。
「いえ、とんでもない。寧ろ好みの・・・。女性の方の方が良いです。
男は嫌いなんで。」
「好みって言ったよな?」
さっきからツッコミしか入れてないセイさん。
例によって無視。
「お主、雄が嫌いなのか?」
「夫以外の男が嫌いなんです。嫌い?うーん、興味が無いとも言いますか。」
「お主、その若い美空で番がおるのか!?」
目を真ん丸にして驚くドラゴンさん。
美女の驚いた顔も美しいな。
「いやあ、夫というか、まぁ、ドラゴンさんならお話ししても良いかな?」
セイさんの時の様にドラゴンさんに経緯を話した。
ドラゴンさんは顎に手を当て、天井を眺める。
「・・・よもやそのような奇天烈な話があるとはな。」
「まぁ、すぐには理解できないと思います。」
「悠久の時を生きてきた妾でも初めて聞く話じゃ。
だが、お主が嘘を言う人間ではない事は妾の経験上分かる。
お主が妾を見ても恐れなかったのも、説明が付くのでな。」
私を見てニイと笑う。
流石ドラゴン。間口が広い。
「それにしてもの、」
笑顔から真顔になるドラゴンさん。
「お主、番とはまだ会えておらぬのだな。」
「はい。」
「辛くは無いのか?」
私の頭に手を乗せ優しく撫でてくれる。
「とても辛いです。でも、前世で私が先に死んでしまって、彼はとても深く悲しんだと思います。
その辛さを考えたら、耐えられます。
彼は飄々としいている様に見えて結構寂しがり屋な所があったので。」
上手く笑えているだろうか。
よく『置いて行かれるのも辛いが、置いて行く方も辛い』と言われるが、どっちが辛いなんか測れない。
どちらも辛いもん。
はっきり言って死ぬほど辛い。
でも、彼もきっと私が死んだ後、辛かったのだ。
自分だけが辛いだなんて烏滸がましい。
「だから、私は彼に会えたら一番最初に謝ろうと思うんです。
遺して逝ってごめんなさいって。」
「そんな泣きそうな顔で笑いおってからに。」
ドラゴンさんは私を抱き締める。
美女に抱き締められている!
涙が引っ込んだ。
うえへへへ。
柔らかい。良い匂い。
「んん?お主不埒な顔をしとる・・・。」
「え?気のせいですよ。」
「・・・・・。」
怪訝な顔で私を見るが、何でもない風で誤魔化す。
何も言わないがセイさんが無言で私を見ている。
「ああ、そう言えば。」
話を逸らす。
「ずっとドラゴンさんって、変な感じですし。
お名前を教えて貰っていいですか?
私は、」
「ミリアムじゃろう?先程その男がそう言っておった。」
「あ、はい。そうです。ミリアムです。で、貴女は・・・。」
「無い。」
「はい?」
私は聞き返す。
「じゃから、無いのじゃ。当たり前であろう?
妾の事を呼ぶ人間なんて今まで居らなんだからの。
ドラゴンと一括りじゃ。」
何と、そうだったのか。
スライムをスライムと言うのと同じか。
「じゃあ、どうすれば・・・。」
「お主が付けてくれ。」
「はい!?」
「お主が呼ぶのだから、お主が付けてくれ。」
ええ~。いきなり言われても・・・。
う~ん。
う~ん。
私のイタイネーミングセンスだからな~。
銀のドラゴンさんだしな。
「・・・銀華はどうでしょうか?」
沈黙。
「うむ!銀華。気に入った!!」
良かった。
「では、ミリアム。お主の住処を案内せい。」
「分かりました。」
私の後をドラゴンさん、銀華さんが付いて来る。
入り口で村長さんが様子を窺っていた。
私達の姿を確認すると、
「ど、どうでした?出て行って貰えますかね?」
心配そうに尋ねてくる。
私は頷く。
「はい、此処から出て行って貰えます。」
「あ、あああ。良かった・・・!」
村長さんはほっと胸を撫で下ろす。
私の肩口からヒョイと顔を覗かせて銀華さんが笑う。
「ミリアムに感謝せい。ミリアムを気に入ったから、妾は出て行くのじゃ。」
村長さんは銀華さんの顔を凝視する。
「あ、あなたは・・・?」
「妾は先程まで此処におったドラゴンじゃ。」
村長さんは腰を抜かす。
「ひ、ひいいい。」
「安心せい。妾はミリアムに付いて行く。此処には用は無い。」
「だそうです。なので依頼は成功という事で、報告しても大丈夫ですね?」
声にならない村長さんはコクコク頷くだけ。
そりゃ、さっきまでドラゴンだったのに、人間になってたら驚くよな。
「ほれ、早う行くぞ。ミリアム!」
「はいはい。」
ニコニコ顔で私を急かす銀華さん。
「取り敢えずギルドに行って報告しないと。」
ギルドへ向かう。
受付のお嬢さん信じてくれるかなぁ。
不安しかない。
あと、父親にもどう言えばいいのか。
もうなるようになれ!!
聞き間違いではないのだが、確認の為、ドラゴンさんに問う。
ドラゴンさんはフンッ(まぁまぁ大きめの樽が吹き飛んだ)と鼻息を出して言う。
「じゃから、お主の住処に住まわせろと言うたのじゃ。」
あ、やっぱり。聞き間違いではなかった。
ドラゴンさんが私の家に住み着く気だ。
う~ん。私は別に構わないんだけど、父親然り屋敷の人達が何と言うか・・・。
ていうか、根本的な事を忘れてた。
「あ~、私の家、確かに広いには広いんですけど、ドラゴンさんが入れる程居住スペースは大きくないんですよ。
庭だと、何分外聞が悪いと言いますか。
いや、私は全然良いんですよ。寧ろ毎日体を触らせて頂けるのであれば、全く。」
「触るんかい!」
セイさんがとうとう手まで付けてツッコんできた。
何処でそんな動作覚えてきた?
私がそう言うと、またフンッ(今度は重そうな木材が吹き飛んで、壁を突き破った)と鼻息を出す。
「妾を何と心得ておる。人間達がエンシャントドラゴンと言うておる種族じゃぞ?
お主の杞憂など、・・・・ほれっ!」
そう言いながら、ドラゴンさんが光に包まれたと思ったら、みるみるうちに体が縮んでいく。
と思ったら、あれ?何か人型・・・になってる!!
「どうじゃ?上手く化けれておるじゃろう?」
ふふんと得意気な顔で笑うドラゴンさん。
漫画で読んだことがあるシチュエーションだ!
アメージング!!
ファンタスティック!!
話し振りで分かっていたが、やはり・・・。
「女性だったのですねぇ。」
「め、雌では何か不都合でもあるのかえ?」
凄く不安気な表情になるドラゴンさん。
銀色の長いながーいストレートヘア。
体が銀色だからであろう。
瞳は切れ長でやはり金色。
切れ長なのに細くないって、此処が二次元だからなのか。
鼻筋もすらりと通り、薄い唇。
美ドラゴンから、美女に変わった。
「いえ、とんでもない。寧ろ好みの・・・。女性の方の方が良いです。
男は嫌いなんで。」
「好みって言ったよな?」
さっきからツッコミしか入れてないセイさん。
例によって無視。
「お主、雄が嫌いなのか?」
「夫以外の男が嫌いなんです。嫌い?うーん、興味が無いとも言いますか。」
「お主、その若い美空で番がおるのか!?」
目を真ん丸にして驚くドラゴンさん。
美女の驚いた顔も美しいな。
「いやあ、夫というか、まぁ、ドラゴンさんならお話ししても良いかな?」
セイさんの時の様にドラゴンさんに経緯を話した。
ドラゴンさんは顎に手を当て、天井を眺める。
「・・・よもやそのような奇天烈な話があるとはな。」
「まぁ、すぐには理解できないと思います。」
「悠久の時を生きてきた妾でも初めて聞く話じゃ。
だが、お主が嘘を言う人間ではない事は妾の経験上分かる。
お主が妾を見ても恐れなかったのも、説明が付くのでな。」
私を見てニイと笑う。
流石ドラゴン。間口が広い。
「それにしてもの、」
笑顔から真顔になるドラゴンさん。
「お主、番とはまだ会えておらぬのだな。」
「はい。」
「辛くは無いのか?」
私の頭に手を乗せ優しく撫でてくれる。
「とても辛いです。でも、前世で私が先に死んでしまって、彼はとても深く悲しんだと思います。
その辛さを考えたら、耐えられます。
彼は飄々としいている様に見えて結構寂しがり屋な所があったので。」
上手く笑えているだろうか。
よく『置いて行かれるのも辛いが、置いて行く方も辛い』と言われるが、どっちが辛いなんか測れない。
どちらも辛いもん。
はっきり言って死ぬほど辛い。
でも、彼もきっと私が死んだ後、辛かったのだ。
自分だけが辛いだなんて烏滸がましい。
「だから、私は彼に会えたら一番最初に謝ろうと思うんです。
遺して逝ってごめんなさいって。」
「そんな泣きそうな顔で笑いおってからに。」
ドラゴンさんは私を抱き締める。
美女に抱き締められている!
涙が引っ込んだ。
うえへへへ。
柔らかい。良い匂い。
「んん?お主不埒な顔をしとる・・・。」
「え?気のせいですよ。」
「・・・・・。」
怪訝な顔で私を見るが、何でもない風で誤魔化す。
何も言わないがセイさんが無言で私を見ている。
「ああ、そう言えば。」
話を逸らす。
「ずっとドラゴンさんって、変な感じですし。
お名前を教えて貰っていいですか?
私は、」
「ミリアムじゃろう?先程その男がそう言っておった。」
「あ、はい。そうです。ミリアムです。で、貴女は・・・。」
「無い。」
「はい?」
私は聞き返す。
「じゃから、無いのじゃ。当たり前であろう?
妾の事を呼ぶ人間なんて今まで居らなんだからの。
ドラゴンと一括りじゃ。」
何と、そうだったのか。
スライムをスライムと言うのと同じか。
「じゃあ、どうすれば・・・。」
「お主が付けてくれ。」
「はい!?」
「お主が呼ぶのだから、お主が付けてくれ。」
ええ~。いきなり言われても・・・。
う~ん。
う~ん。
私のイタイネーミングセンスだからな~。
銀のドラゴンさんだしな。
「・・・銀華はどうでしょうか?」
沈黙。
「うむ!銀華。気に入った!!」
良かった。
「では、ミリアム。お主の住処を案内せい。」
「分かりました。」
私の後をドラゴンさん、銀華さんが付いて来る。
入り口で村長さんが様子を窺っていた。
私達の姿を確認すると、
「ど、どうでした?出て行って貰えますかね?」
心配そうに尋ねてくる。
私は頷く。
「はい、此処から出て行って貰えます。」
「あ、あああ。良かった・・・!」
村長さんはほっと胸を撫で下ろす。
私の肩口からヒョイと顔を覗かせて銀華さんが笑う。
「ミリアムに感謝せい。ミリアムを気に入ったから、妾は出て行くのじゃ。」
村長さんは銀華さんの顔を凝視する。
「あ、あなたは・・・?」
「妾は先程まで此処におったドラゴンじゃ。」
村長さんは腰を抜かす。
「ひ、ひいいい。」
「安心せい。妾はミリアムに付いて行く。此処には用は無い。」
「だそうです。なので依頼は成功という事で、報告しても大丈夫ですね?」
声にならない村長さんはコクコク頷くだけ。
そりゃ、さっきまでドラゴンだったのに、人間になってたら驚くよな。
「ほれ、早う行くぞ。ミリアム!」
「はいはい。」
ニコニコ顔で私を急かす銀華さん。
「取り敢えずギルドに行って報告しないと。」
ギルドへ向かう。
受付のお嬢さん信じてくれるかなぁ。
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