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そう来たか。
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人は脳内の情報処理が追い付かないと無言になるものだ。
かく言う私もど・・・ゲフンゲフン。
違う。
混乱してまた要らぬ事を言いそうになった。
無表情で良かった。
脳内はもうエマージェンシーランプが点滅しており、今にもオーバーヒートしそうなのだ。
目の前に居るこの人間はシュタイナーだよな?
顔はまんまシュタイナーだし、さっきの声もシュタイナーのままだ。
だが、明らか昨日までのシュタイナーと出で立ちが違う。
違うというか、もう性別が違う。
ちょっと、待ってくれ。
情報を整理させてくれ。
何で、髪の毛が一日でこんなに伸びるの?
凄い育毛剤でも発明したの?
それなら、世の困っている方々に教えてあげて欲しい。
皆泣いて喜ぶよ、ほんと。
何で、化粧しているの?
元々綺麗な顔してるのに、別にする必要なくね?
貴族の男も化粧しているという歴史を前世で読んだ事はあるが、シュタイナーはそんな素振り全く無かったよね?
何?心境の変化?
そもそもどっちなの?
本当は女だったとか?
流石だよ!お話の中の世界は唐突過ぎて付いてけねぇよ!!
なんなんだよ!
分かんねぇよ!
誰か教えてくれ!
あああああああ。
アリスぅ・・・・。
このゲームを知っているアリスに会いたい。
アリスの体に抱き着いて一旦気持ちを落ち着かせたい。
と、私が思考散歩に出掛けて何も返事をしなかったので、シュタイナーだった者に声を掛けられる。
「ミリアム?どうしたの?体調でも悪いの?」
眉を寄せて心配そうな表情で私を見てくる。
体調というより精神の具合が悪いよね。
しかも心配してくれてる本人によって引き起こされてますよ。
「・・・・ええと、あなたはどちら様ですかね。」
漸く絞り出せた言葉がこれだ。
何の面白味も無い言葉で悪いが、混乱したら捻りも何も無いんだよ!!
そう言うとかつてシュタイナーであった者がクスリと笑う。
「いやぁね。私、シュタイナーよ?お兄様の顔忘れた?」
んんんん~!!
分かってますよ~?
あなたがシュタイナーである事位分かってますよ!
問題は何故そんな変貌を遂げたのかといいう事なんですよねぇ~。
皮肉を込めてみたんですが、イマイチ響かなかったかぁ。
「あ~、まぁ、お兄様な事は知っていますけど、私が聞きたいのはそうではなくて」
キョトンと首を傾げるシュタイナーモドキ。
分かってやってるよね?それ。
「何故、そんな恰好をしているのかという事です。
お兄様はお姉様だったのですか?」
私の質問に銀華さんはぶはっと口に含んでいた葡萄を吐き出した。
銀華さん、お行儀悪いですよ?
しかも滅茶苦茶笑ってるじゃないか。
セイさんもまた後ろ向いて肩を震わせやがって。
こっちに参戦して来いよ!!
ツッコミ役が居ないと収拾がつかなくなるんだよ。
「いやぁだ!お兄様に変わりはないわよ!!
ああ、でもミリアムの為にお兄様でもお母様でもあるわね?」
は?は?お母様?
どういう事だ?
父、まさか・・・・。
「・・・・お父様、お兄様と結婚したんですか?」
私の言葉に今度は父が飲んでいた紅茶を盛大に噴き出す。
おいおい、父まで一体どうしたんだ。
「ミ、ミミミミミリアム!?一体何を言ってるんだい!!」
慌てている父を蔑む様に見据える。
「まさか、そんな趣味があったとは、何て美味し・・・んんっ。何て嘆かわしい。」
危ない、危ない。
本音が出る所だった。八割方出てたけど。
「な、なに、何を言っているんだい!!シュタイナーは私の息子だよ!
妻な訳無いじゃないか!!
私の妻はサラ一人だけだよ!」
サラと言うのか、ミリアムのお母さんは。
「女性の奥さんはお母様一人だけど、男性なら大丈夫なのかと思いましたよ。」
「大丈夫?何が、大丈夫なの?ミリアム?何、その生暖かい目は!?」
「いえ、どう転ぼうと私はお父様の味方ですよ?私は理解していますから。」
「ミリアムの言葉が嬉しいのに、嬉しくない!!違うからね!?
シュタイナーは私の息子!それ以外の何者でもないよ!
私だって、此処で初めて今のシュタイナーの姿を見て驚いてるんだから。」
父が必死に弁明する。涙目になってるので、流石に可哀想になって来たのでやめておこう。
「そうよ、ジョセフ様は関係ないわ。私が勝手にした事よ?」
「う、はい。取り敢えず、理由を聞かせて貰えますかね?」
ものの数分しか経っていないから、適応するまでに時間がかかる。
もう少し待ってくれい。
そうしたら慣れてくるから。
シュタイナーである様な者は少し俯きながら、語り出す。
「ミリアムが、お母様を恋しがっているのが耐えられなかったの。」
「へ?」
全く予想していなかった回答が返ってきたので、私は間抜けな声が出た。シュタイナー(仮)は続ける。
「昨日、私の事をお母さんって呼び間違えたでしょう?
あの時、ミリアムは強がっていたけど、悲しそうなミリアムの顔が私にはどうしても耐えられなくて、どうにかしてあげたいって思ったの。」
「は、はぁ。」
「ジョセフ様は後妻を娶るつもりは無いって仰ってたし、どうしようと悩んだわ。」
「・・・・・。」
もう私は相槌を打つことが出来なくなってきた。
嫌な汗がダラダラと背中を流れている。
「そうして、思いついたの。私がお母様になればいいんじゃないかって!!」
ああ、何と言う着地の仕方をしてるんだ、シュタイナー。
最早、着地失敗して骨折してるよね?
これも私が悪いという事になるの?
純粋に間違えてお母さん呼びしただけで、お母さんになるとか、想定しないから!
しかも、別にお母さんを恋しがってないし。
勘違いもいいところだし。
そして、最重要事項なのが、
「お兄様は身も心も女性になられたのですか?」
「え!?」
「性的指向はどちらなのですか?というか、まず確認したい事があります。
セイさん、ちょっと。」
後ろを向いて笑っていたセイさんを呼びつける。
凄く嫌そうな顔で、私の元へやって来るセイさんに私は顎で指示をする。
『行け。』
『マジで?』
『マジで。』
アイコンタクトで会話をする私達。
私の拒否させない眼力でセイさんは渋々シュタイナーというかシュタイナー子さんに近寄る。
「最初に謝っておきますけど、俺はミリアムさんに言われてやるので、そこだけは理解して下さいよ。」
セイさんは念を押すようにシュタ子さんに告げて、シュタ子さんのある所を鷲掴む。
「なぁ!?」
シュタ子さんは真っ赤な顔をして、セイさんを殺意を込めた目で睨みつける。
「だから、俺じゃなくてあなたの妹さんからの指示なんですって・・・。」
シュタ子さんから一目散に逃げ、私の背中へ回り込む。
私は動じる事無く、セイさんを見る。
「で?どうだった?」
セイさんはコクリと頷く。
ふむ。
という事は、お兄様であり、オネェ様という訳だな。
「おネ・・。お兄様。性的指向はどちらでしょうか。」
再度確認する。
「え・・・。女の子・・・だけど・・・?」
素に戻るシュタ子さん。
「そうですか。では私の為にオネェ様になって下さったという事ですか。」
凄く気まずそうな顔をするシュタイナー。
まさか私のあの一言でオネェになってしまうとは。
攻略対象の性格が変わってしまったのは、ナル王子達で分かっていたが、
シュタイナーがまさかのオネェ枠にジョブチェンジするとは流石の私でも予想できなかった。
責任の一端は、いや、ミリ単位程の責任は私にある。
ちゃんと軌道修正せねば。
「理解しました。
お母様と呼ぶには無理があります。」
「そ、そうよね・・・。やっぱり、私じゃあ。お母様の代わりにはならないわよね。」
そうじゃないんだけどなぁ。
「お兄様をお母様の代わりにしたくありませんよ。
お兄様はお兄様ですから。」
「え・・・?」
悲し気に眉を寄せたまま私を見るシュタイナー。
ほんと、ここの人達ぶっ飛んでるよなぁ、私を含めて。
ふぅ、と息を吐いて諦念と言ってもいいだろう、そんな気持ちでシュタイナーを見て笑う。
「私が言いましたかね?お母様の代わりになって欲しいと。」
シュタイナーは首を横に振る。
「でしょう?もう、先走って違う所に向かって行くなんて、ほんと仕方が無いですね。
だから、いつものお兄様に戻って下さいよ。」
しょんぼりと効果音が付く位俯いているが、何故かモジモジしている。
「あ、あのね?やってみたら、何か案外、しっくりくるというか、こういうのも悪くないというか、
ミリアムはこんなお兄様は嫌?」
あらら、何か目覚めてしまったのか。
「いえ、特に問題はありません。
私の了解を得ずにお兄様のやりたい様にやればいいんですよ。」
「気持ち悪くない?
さっき固まってたから。」
それは気持ち悪い訳では無く。
「余りにも突然の出来事で脳の処理が追い付かなかっただけですから、気持ち悪いとかではないです。」
「そっか・・・。」
嬉しそうな顔をしている。
さて、色々話は聞きたいが、学園に遅刻してしまう。
「取り敢えず学園に行きましょうか、・・・・ええと?お兄様ですか、オネェ様とお呼びすれば?」
「何か、お姉様の呼び方が違う様に聞こえるのは俺だけか?」
「何言ってるんですか、セイさん。耳がおかしくなったんですか?」
「・・・・何でも無いです。」
分かれば良い。
「ミリアムの呼びたい様に呼んで?」
「分かりました。」
私とシュタイナーは微笑み合いながら家を出た。
絶対に色々ツッコまれるであろう事は確信している。
まずは、学園長に銀華さんの事を話して、それからアリスに・・・。
アリスに呼び出されるだろうなぁ・・・・。
あとはクラスメイト達にも一応説明しないと。
夫に会う前に私、禿げ上がるんじゃないかな。
シュタイナーの育毛剤を分けて貰おう。
かく言う私もど・・・ゲフンゲフン。
違う。
混乱してまた要らぬ事を言いそうになった。
無表情で良かった。
脳内はもうエマージェンシーランプが点滅しており、今にもオーバーヒートしそうなのだ。
目の前に居るこの人間はシュタイナーだよな?
顔はまんまシュタイナーだし、さっきの声もシュタイナーのままだ。
だが、明らか昨日までのシュタイナーと出で立ちが違う。
違うというか、もう性別が違う。
ちょっと、待ってくれ。
情報を整理させてくれ。
何で、髪の毛が一日でこんなに伸びるの?
凄い育毛剤でも発明したの?
それなら、世の困っている方々に教えてあげて欲しい。
皆泣いて喜ぶよ、ほんと。
何で、化粧しているの?
元々綺麗な顔してるのに、別にする必要なくね?
貴族の男も化粧しているという歴史を前世で読んだ事はあるが、シュタイナーはそんな素振り全く無かったよね?
何?心境の変化?
そもそもどっちなの?
本当は女だったとか?
流石だよ!お話の中の世界は唐突過ぎて付いてけねぇよ!!
なんなんだよ!
分かんねぇよ!
誰か教えてくれ!
あああああああ。
アリスぅ・・・・。
このゲームを知っているアリスに会いたい。
アリスの体に抱き着いて一旦気持ちを落ち着かせたい。
と、私が思考散歩に出掛けて何も返事をしなかったので、シュタイナーだった者に声を掛けられる。
「ミリアム?どうしたの?体調でも悪いの?」
眉を寄せて心配そうな表情で私を見てくる。
体調というより精神の具合が悪いよね。
しかも心配してくれてる本人によって引き起こされてますよ。
「・・・・ええと、あなたはどちら様ですかね。」
漸く絞り出せた言葉がこれだ。
何の面白味も無い言葉で悪いが、混乱したら捻りも何も無いんだよ!!
そう言うとかつてシュタイナーであった者がクスリと笑う。
「いやぁね。私、シュタイナーよ?お兄様の顔忘れた?」
んんんん~!!
分かってますよ~?
あなたがシュタイナーである事位分かってますよ!
問題は何故そんな変貌を遂げたのかといいう事なんですよねぇ~。
皮肉を込めてみたんですが、イマイチ響かなかったかぁ。
「あ~、まぁ、お兄様な事は知っていますけど、私が聞きたいのはそうではなくて」
キョトンと首を傾げるシュタイナーモドキ。
分かってやってるよね?それ。
「何故、そんな恰好をしているのかという事です。
お兄様はお姉様だったのですか?」
私の質問に銀華さんはぶはっと口に含んでいた葡萄を吐き出した。
銀華さん、お行儀悪いですよ?
しかも滅茶苦茶笑ってるじゃないか。
セイさんもまた後ろ向いて肩を震わせやがって。
こっちに参戦して来いよ!!
ツッコミ役が居ないと収拾がつかなくなるんだよ。
「いやぁだ!お兄様に変わりはないわよ!!
ああ、でもミリアムの為にお兄様でもお母様でもあるわね?」
は?は?お母様?
どういう事だ?
父、まさか・・・・。
「・・・・お父様、お兄様と結婚したんですか?」
私の言葉に今度は父が飲んでいた紅茶を盛大に噴き出す。
おいおい、父まで一体どうしたんだ。
「ミ、ミミミミミリアム!?一体何を言ってるんだい!!」
慌てている父を蔑む様に見据える。
「まさか、そんな趣味があったとは、何て美味し・・・んんっ。何て嘆かわしい。」
危ない、危ない。
本音が出る所だった。八割方出てたけど。
「な、なに、何を言っているんだい!!シュタイナーは私の息子だよ!
妻な訳無いじゃないか!!
私の妻はサラ一人だけだよ!」
サラと言うのか、ミリアムのお母さんは。
「女性の奥さんはお母様一人だけど、男性なら大丈夫なのかと思いましたよ。」
「大丈夫?何が、大丈夫なの?ミリアム?何、その生暖かい目は!?」
「いえ、どう転ぼうと私はお父様の味方ですよ?私は理解していますから。」
「ミリアムの言葉が嬉しいのに、嬉しくない!!違うからね!?
シュタイナーは私の息子!それ以外の何者でもないよ!
私だって、此処で初めて今のシュタイナーの姿を見て驚いてるんだから。」
父が必死に弁明する。涙目になってるので、流石に可哀想になって来たのでやめておこう。
「そうよ、ジョセフ様は関係ないわ。私が勝手にした事よ?」
「う、はい。取り敢えず、理由を聞かせて貰えますかね?」
ものの数分しか経っていないから、適応するまでに時間がかかる。
もう少し待ってくれい。
そうしたら慣れてくるから。
シュタイナーである様な者は少し俯きながら、語り出す。
「ミリアムが、お母様を恋しがっているのが耐えられなかったの。」
「へ?」
全く予想していなかった回答が返ってきたので、私は間抜けな声が出た。シュタイナー(仮)は続ける。
「昨日、私の事をお母さんって呼び間違えたでしょう?
あの時、ミリアムは強がっていたけど、悲しそうなミリアムの顔が私にはどうしても耐えられなくて、どうにかしてあげたいって思ったの。」
「は、はぁ。」
「ジョセフ様は後妻を娶るつもりは無いって仰ってたし、どうしようと悩んだわ。」
「・・・・・。」
もう私は相槌を打つことが出来なくなってきた。
嫌な汗がダラダラと背中を流れている。
「そうして、思いついたの。私がお母様になればいいんじゃないかって!!」
ああ、何と言う着地の仕方をしてるんだ、シュタイナー。
最早、着地失敗して骨折してるよね?
これも私が悪いという事になるの?
純粋に間違えてお母さん呼びしただけで、お母さんになるとか、想定しないから!
しかも、別にお母さんを恋しがってないし。
勘違いもいいところだし。
そして、最重要事項なのが、
「お兄様は身も心も女性になられたのですか?」
「え!?」
「性的指向はどちらなのですか?というか、まず確認したい事があります。
セイさん、ちょっと。」
後ろを向いて笑っていたセイさんを呼びつける。
凄く嫌そうな顔で、私の元へやって来るセイさんに私は顎で指示をする。
『行け。』
『マジで?』
『マジで。』
アイコンタクトで会話をする私達。
私の拒否させない眼力でセイさんは渋々シュタイナーというかシュタイナー子さんに近寄る。
「最初に謝っておきますけど、俺はミリアムさんに言われてやるので、そこだけは理解して下さいよ。」
セイさんは念を押すようにシュタ子さんに告げて、シュタ子さんのある所を鷲掴む。
「なぁ!?」
シュタ子さんは真っ赤な顔をして、セイさんを殺意を込めた目で睨みつける。
「だから、俺じゃなくてあなたの妹さんからの指示なんですって・・・。」
シュタ子さんから一目散に逃げ、私の背中へ回り込む。
私は動じる事無く、セイさんを見る。
「で?どうだった?」
セイさんはコクリと頷く。
ふむ。
という事は、お兄様であり、オネェ様という訳だな。
「おネ・・。お兄様。性的指向はどちらでしょうか。」
再度確認する。
「え・・・。女の子・・・だけど・・・?」
素に戻るシュタ子さん。
「そうですか。では私の為にオネェ様になって下さったという事ですか。」
凄く気まずそうな顔をするシュタイナー。
まさか私のあの一言でオネェになってしまうとは。
攻略対象の性格が変わってしまったのは、ナル王子達で分かっていたが、
シュタイナーがまさかのオネェ枠にジョブチェンジするとは流石の私でも予想できなかった。
責任の一端は、いや、ミリ単位程の責任は私にある。
ちゃんと軌道修正せねば。
「理解しました。
お母様と呼ぶには無理があります。」
「そ、そうよね・・・。やっぱり、私じゃあ。お母様の代わりにはならないわよね。」
そうじゃないんだけどなぁ。
「お兄様をお母様の代わりにしたくありませんよ。
お兄様はお兄様ですから。」
「え・・・?」
悲し気に眉を寄せたまま私を見るシュタイナー。
ほんと、ここの人達ぶっ飛んでるよなぁ、私を含めて。
ふぅ、と息を吐いて諦念と言ってもいいだろう、そんな気持ちでシュタイナーを見て笑う。
「私が言いましたかね?お母様の代わりになって欲しいと。」
シュタイナーは首を横に振る。
「でしょう?もう、先走って違う所に向かって行くなんて、ほんと仕方が無いですね。
だから、いつものお兄様に戻って下さいよ。」
しょんぼりと効果音が付く位俯いているが、何故かモジモジしている。
「あ、あのね?やってみたら、何か案外、しっくりくるというか、こういうのも悪くないというか、
ミリアムはこんなお兄様は嫌?」
あらら、何か目覚めてしまったのか。
「いえ、特に問題はありません。
私の了解を得ずにお兄様のやりたい様にやればいいんですよ。」
「気持ち悪くない?
さっき固まってたから。」
それは気持ち悪い訳では無く。
「余りにも突然の出来事で脳の処理が追い付かなかっただけですから、気持ち悪いとかではないです。」
「そっか・・・。」
嬉しそうな顔をしている。
さて、色々話は聞きたいが、学園に遅刻してしまう。
「取り敢えず学園に行きましょうか、・・・・ええと?お兄様ですか、オネェ様とお呼びすれば?」
「何か、お姉様の呼び方が違う様に聞こえるのは俺だけか?」
「何言ってるんですか、セイさん。耳がおかしくなったんですか?」
「・・・・何でも無いです。」
分かれば良い。
「ミリアムの呼びたい様に呼んで?」
「分かりました。」
私とシュタイナーは微笑み合いながら家を出た。
絶対に色々ツッコまれるであろう事は確信している。
まずは、学園長に銀華さんの事を話して、それからアリスに・・・。
アリスに呼び出されるだろうなぁ・・・・。
あとはクラスメイト達にも一応説明しないと。
夫に会う前に私、禿げ上がるんじゃないかな。
シュタイナーの育毛剤を分けて貰おう。
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