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二人が出て行ってから。
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「いや、本当にシュタイナー様には吃驚させられたよ・・・。」
遠ざかる二人を眺めながらセイが呟く。
「そうかえ?」
自分の独り言に答える声に大きく肩を震わせる。
振り向くと、大量の葡萄の房を右腕に抱えた人型のドラゴンが一粒の葡萄を頬張りながら近づいてきた。
「・・・・あ、貴女は・・・。」
「ふん。銀華でよい。お主もミリアムに魅せられた者であろう?妾と同じにの。」
目を細めて銀華はセイを見遣る。
銀華の言葉に思わず声を荒げる。
「お、俺は魅せられてなんか!」
おや?と銀華は首を傾ぐ。
だが、銀華の瞳は玩具を見つけた子供の様に光る。
「妾はミリアムの人となりに魅せられたと言うたつもりだがの?
誰も恋慕の情を抱いたなんて言っておらぬが?」
「・・・・・!!!」
羞恥でセイの顔がボッと赤く染まる。
自分で勝手に勘違いをし、否定した。
銀華は口元を押さえながら笑う。
「ほ、ほほほ。お主も面白い。
ミリアムの周りにはあの魔の者も然り、珍妙な輩が多いのぅ。」
顔の熱が冷めぬ内に、今聞いた言葉が引っ掛かり銀華に問い尋ねる。
「魔の者?」
銀華は意外そうな顔でセイを見る。
「おや、お主はあの者の気に気付かなんだか?
ふむ、まぁ、そうか。
妾が彼奴と気が近しいから感じる事が出来たかの?」
この屋敷で銀華が指している人物。
一人しかいない。
「シュタイナー様、の事ですか?」
「他に誰が居る。」
銀華は片方の口の端を引き上げ、不敵に笑う。
「シュタイナー様が、魔の者?・・・一体、どういう事ですか?」
赤い顔が一転、青くなる。
銀華はふん、と鼻を鳴らし、また葡萄を一粒口に放り込む。
「妾が知る筈無かろう。妾とて昨日ミリアムが兄じゃと対峙して目を疑うたわ。
人の身であれ程濃い魔を有しておる者は、過去に一人。」
「一人・・・。」
にいいいと今度は両端の口角を上げ、不気味に笑う。
「そう、魔王じゃ。」
遠ざかる二人を眺めながらセイが呟く。
「そうかえ?」
自分の独り言に答える声に大きく肩を震わせる。
振り向くと、大量の葡萄の房を右腕に抱えた人型のドラゴンが一粒の葡萄を頬張りながら近づいてきた。
「・・・・あ、貴女は・・・。」
「ふん。銀華でよい。お主もミリアムに魅せられた者であろう?妾と同じにの。」
目を細めて銀華はセイを見遣る。
銀華の言葉に思わず声を荒げる。
「お、俺は魅せられてなんか!」
おや?と銀華は首を傾ぐ。
だが、銀華の瞳は玩具を見つけた子供の様に光る。
「妾はミリアムの人となりに魅せられたと言うたつもりだがの?
誰も恋慕の情を抱いたなんて言っておらぬが?」
「・・・・・!!!」
羞恥でセイの顔がボッと赤く染まる。
自分で勝手に勘違いをし、否定した。
銀華は口元を押さえながら笑う。
「ほ、ほほほ。お主も面白い。
ミリアムの周りにはあの魔の者も然り、珍妙な輩が多いのぅ。」
顔の熱が冷めぬ内に、今聞いた言葉が引っ掛かり銀華に問い尋ねる。
「魔の者?」
銀華は意外そうな顔でセイを見る。
「おや、お主はあの者の気に気付かなんだか?
ふむ、まぁ、そうか。
妾が彼奴と気が近しいから感じる事が出来たかの?」
この屋敷で銀華が指している人物。
一人しかいない。
「シュタイナー様、の事ですか?」
「他に誰が居る。」
銀華は片方の口の端を引き上げ、不敵に笑う。
「シュタイナー様が、魔の者?・・・一体、どういう事ですか?」
赤い顔が一転、青くなる。
銀華はふん、と鼻を鳴らし、また葡萄を一粒口に放り込む。
「妾が知る筈無かろう。妾とて昨日ミリアムが兄じゃと対峙して目を疑うたわ。
人の身であれ程濃い魔を有しておる者は、過去に一人。」
「一人・・・。」
にいいいと今度は両端の口角を上げ、不気味に笑う。
「そう、魔王じゃ。」
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