転生?乙女ゲーム?悪役令嬢?そんなの知るか!私は前世の夫を探しに行く。

コロンパン

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初!

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「それでは、銀華さん。」

「うむ。」

ぐわああああああと翼を広げて、ドラゴンの姿に戻る銀華さん。
周りの木々がへし折れるんじゃないかって言う位の風圧。
まぁ、私には強化魔法があるので、足腰を強化して踏ん張っているのだがね。
それよりも、

「うひょおおおおおおお!!堪んねぇぜ!!!」

銀華さんのしっとりとして艶やかな鱗。
ああ、お腹の部分は本当に柔らかいですね。
翼の翼膜はつるりとして、シルクの様な肌触り。
けしからん!けしからんぞ!!
こんなにドラゴンの体が涎物だなんて!!
転生して良かった!!

「・・・・ミリアムよ・・。」

何か銀華さんが凄く神妙な声で私の名を呼ぶ。

「ふぁ?」

「妾の体を涎まみれにするのは止めよ。」

「ふぁ~?あ、済みません。つい・・・。」

涎物って言いながら、本当に涎出てたわ。
危ない、危ない。
私は袖で口元を拭い、持っていたハンカチで銀華さんの体を拭く。

「頬ずりしてたら、涎出ちゃいました。一旦体洗います?」

「これ位構わんが、ほんにお主は妾の体が好きなのだな。」

しみじみといった感じで銀華さんは言う。


何を当たり前の事を。

「え?だって好きな生物種の頂点の方ですよ?好きに決まってるじゃないですか。」

爬虫類に分類されるのか分からないけど、この麗しの鱗・・・・。
どさくさに紛れて、銀華さんの後脚を撫でる。

あ、銀華さん。
尻尾ビタン、ビタンしたら、家の庭陥没しちゃう。

「んふふふ・・・。」

まぁ、嬉しそうだからいいか!

「妾以外の龍種にもかえ?」

少しピリつく感じ。
銀華さんが私を射抜くように見つめる。

私は目を瞑り、呟く。

「う~ん、どうなんでしょ?こないだ会ったエンペラードラゴンは確かに迫力ありましたけど、銀華さんに比べたら神聖な印象を受けなかったし、こう鳥肌が立つ感じも無かったです。
他に出会った事が無いから、分からないですが。」

私は目を開け、銀華さんを見て笑う。

「これから出会ったとしても、銀華さんが一番きれいだと私は思います。」

銀華さんは大きく目を見開いたかと思うと、バフンという音と共に人型に戻り、あろうことか私に抱き着いた。

「お主は、もう!妾を魅了してどうするつもりなのじゃ!!」

とか言いながら、私を胸に抱き込む。
ありがとうございます。
本当に良いふかふか感です。
これは、手を添えて良いんですよね?
ほら、かのスポーツ漫画でも言ってたじゃないですか。

左手は・・・・。

私、女ですもん。
触ったって通報されないもん、タイーホされないもん。
女同士ですもんねえ?
罪じゃない。これは罪じゃ無いんだ!!

私は恐る恐る手を、銀華さんの至宝へと伸ばす。




「ミリアムお嬢様。そろそろ学園へ向かうお時間です。銀華様も一緒に参られるのでしょう?」

「お、そうであったな。行くぞ、ミリアム。」

銀華さんがパッと私から離れ、歩き出す。


「・・・・・・・・・。」

私は・・・・・声の主、レガートを見る。

「!!!!???ミリアムお嬢様?な、何故私にそんな目を・・・!!」


いけない、いけない。
八つ当たりしては、駄目だね。
あともう少しで、前世からの悲願であった『女性の胸を触る!!』を叶える事が出来たのに、この目の前の男に邪魔をされたからと言って、怒っては私が只の変態じゃないか。

私は、紳士。
触って良いよ。と許可を得てから触るのが紳士なのです。

私はレガートに向けて微笑む。

「レガートさん、気のせいです。私が貴方に殺意なんて向けて無いですから、ね?」

レガートが一瞬で背筋が伸びる。

「私はまたミリアムお嬢様の不興を買ったのですか!?
ああ!!何て愚かな私!
ミリアムお嬢様!この醜い豚めに鉄槌を!!」

最近、レガートをポコポコ殴り過ぎて、頭のネジが飛んでしまったらしく、どこぞのキャラと被った性格になってしまったのだ。
ううむ。私にはそんな趣味は無いのだけどね。


「おい!ミリアム!何をしとるか。早う行かねば!!」

「あ、は~い。」

ま、ほっといたら治るでしょう。
私はレガートを庭に放置して、スキップしながら銀華さんと学園へ向かった。

今日は銀華さんの学園デビューの日だ。
銀華さんは見るからにウキウキしている。
尻尾がブンブン大きく上下している。
余程嬉しいのだろうな。

・・・尻尾・・・?

「銀華さん、銀華さん。」

「何じゃ?」

私は銀華さんの魅惑的なおしりを指差し、

 「美しい尻尾が出てます。」

銀華さんは私の指差す方向へ視線を移し、とてもゆったりとした口調で。

「おお、これはとんだ失態じゃ。
柄にもなく浮かれてしもうたみたいよの。」

流石だ。
慌てる様子もなく尻尾を消した。
私としては大歓迎なのだが、如何せん学園の人間には畏怖されるかもしれない。
最初は大人しくしておいた方が良いだろう。

「初めて学園に行きますもんね。」

「うむ。永く生きて初めてじゃ。」

ふんっと鼻息が荒い銀華さん。
子供達の学園を銀華さんが楽しめるのかは疑問だが、本人の嬉しそうな気持ちを水を差す様な野暮な真似はしない。

「学園に着いたら、私の親友を紹介しますね。」

アリスにも銀華さんを紹介すると言ってあったし、二人仲良くなったら良いと思う。

「お主の親友とやらもさぞ面妖な者であろうな?」

銀華さんがニヤリとする。

「面妖?では無いとは思いますが、超絶に可愛いと思います。」

私は胸を張って答える。
私のアリスは可愛いのだ。

可愛いアリスと美しい銀華さんに囲まれる、何て言うハーレムか!?


「お主の顔が面妖じゃのう・・・。」

「私の顔が面妖なのはいつもの事です。取り敢えず学園に着いたらセラフィナさんに会いに行きましょうか。」

「うむ。」

二人仲良く学園へ向かう。
勿論、徒歩で。

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