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ヲタクの理解力と一般人の理解力と理解力の乏しい人代表のデイヴィッド
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私達が応接室へ入れたのはそれから三十分後だった。
その理由はレガートがデイヴィッドに絡んできたので、私が問答無用でぶっ飛ばした。
その騒ぎにシュタイナーもやって来て、説明を求められた。
説明と言っても、デイヴィッドは私の恋人だという事しか説明しなかった。
彼には前世云々の話はしていないから、詳しい話は後でと取り敢えず、私、アリス、デイヴィッド、セイさんの四人で話がしたいと半ば強引に外してもらった。
寂しそうな瞳をされたが、一応彼は乙女ゲームの攻略対象だからその事実を言って良いもんかと思ったのだ。
この件はアリスに指示を仰ぐ事にした。
プレイ経験者は彼女しかいないからね。
「で、まずはデイヴィッドにこの世界について説明しよう。」
「?」
私はアリスの背中を押して前へ出す。
「さぁ、説明してくれたまえ。」
「え!なんで私!?」
パニックなアリスを更にぐいぐい推す。
「そりゃ、君が一番この世界を知っているからじゃないか。」
「う・・・・。」
観念したのか、肩を落として話し出した。
「この世界は・・・・乙女ゲームの世界なんです。」
「オトメゲーム?」
「タイトルは『あなたの色に染まりたい~恋と魔法のファンタジア~』っていうタイトルで。」
「アナタノイロニソマリタイ」
「あの、一応私がヒロインで」
「ヒロイン?」
「それで・・・ミリアムが悪役令嬢の」
「悪役令嬢!!」
アリスとデイヴィッドの掛け合い。
9割脳に入っていない事が手に取る様に分かる。
私が悪役令嬢って言うのにしか反応していない。
しかもさぞ愉快であろう、吹き出して笑っているからな。
「ミ、ミリアム・・・。ぶふっ。悪者なんだ。ぶっ・・・・。」
もう普通に笑ってくれよ。
アリスがどうしたら良いか分からない顔してるじゃんか。
「凄く似合ってる!!!」
ちゃんと笑い出した。ちゃんとというのもおかしいけど、ホントこの人は私がおかしな状況になっているのを見るのが好きだよな~。自動ドアのセンサーが感知せずに私がまごついてるのを助けずに腹抱えて笑ってたし。
まぁ、その後で華麗な回し蹴りをお見舞いしたけど。
あ、いいよ。アリス、無視して続けて。
アリスが私を見て来たので、目で続けたまえと促す。
「え!?あ、そうなの?・・・それで、ヒロインの私と攻略対象の男性との仲を邪魔するのが悪役令嬢のミリアムなんですけど。」
「・・・・ああ!!そういやミリアムが昔よく観てたアニメの話に似てるな。」
「そうです。あの頃、色々なざまぁ系の小説とか漫画が流行ってました。この世界はそのベースとなる乙女ゲームの世界なんです。」
「乙女ゲームって、男の主人公が複数の女のキャラクターと恋愛するゲームの逆バージョンの事?」
アリスが説明してくれてたのを聞いていない。
私が悪役令嬢である事で脳が一杯になったんだろうな。
同じ事をさも自分の知識の様に言ってやがる。
アリス、戸惑ってるじゃないか。
「え、ええ。そうです。」
ニコッと笑って、とても得意気に話し出す。
「ミリアムが前世で話してたな。悪役令嬢が主人公になるんだよね?」
「あ、ええと。それはその乙女ゲームを題材にした悪役令嬢が身の破滅を防ぐ為に足掻く場合の話で、私達が居る世界はそうではなくて、元の乙女ゲームの世界であって・・・。」
アリスは優しいな。
もう一回説明してあげてるわ。
「ん?じゃあ、ミリアムはこの世界では悪役令嬢のままなの?」
「役割的にはそうなりますね。」
「じゃあ、ミリアムは破滅するの?」
「いや、ミリアムが乙女ゲームの世界のミリアムじゃないので、それは無いです。」
「じゃあ、ミリアムが観てたアニメと一緒だよね?」
「あ、そ、そうなんですけど・・・。乙女ゲームの世界である事は変わらないので・・・。」
「ん?でもミリアムは悪役令嬢みたいに破滅しないんでしょ?」
「そ、そうなんですけど・・・。」
可哀想に。
アリスが。
私達が普通にストンと理解が出来る転生物の話だが、彼はその基礎が無いから理解するのに時間がかかるのだ。
「デイヴィッド、私達がプレイしてたホラーゲームあったでしょ?」
「うん。」
「言うなれば、自分がその中の登場人物の一人になっちゃったって事だよ。要するに。」
「ふんふん。」
「それで、ここもその前世で実在している乙女ゲームの世界。そこは分かる?」
「うん。」
「君が言ってるのは転生物の中の架空の乙女ゲームに転生した話。」
「ふん?」
「だから!実際にあったゲームの世界に転生してるの、私達は。」
「う~ん?うん。うん・・・。じゃあ、俺もゲームのキャラクターの1人なの?」
「知らん。」
「え!?」
「いや、私このゲームも勿論、乙女ゲームしたことないの知ってるじゃん。」
「デイヴィッドさんはこの乙女ゲームの世界では登場しない人です。」
「うえ?」
「ゲームの世界でも主要人物以外も存在しているもんでしょ。ゲームの世界だとしても、此処は現実の世界で私達は生身の人間。怪我もするし、死ぬし。土台がそういうモンだ位で考えておけばいいんだよ。」
「そうか!分かった!」
滅茶苦茶説明したけど、絶対理解していない。
ていうか私も何を話しているか途中で分からなくなったから、面倒臭くなった。
なんだろう、前世での会社の先輩に話をした時はこんな苦労しなかったのに。
「もう普通に生まれ変わったと思っておけばいいんだよ。」
ふうと息を吐いた。
アリスも何か疲れてる。
すまないね。
「因みにさっきの私の兄は乙女ゲームの中の攻略対象らしいよ。」
「兄?ミリアムに吹っ飛ばされた人?」
「違うよ。」
「え?後一人は女の人じゃなかった?・・・・・・・!!ああ!!」
私はニヤリとゲスい顔で笑う。
「へぇ~。良かったじゃん。オネェの人と友達になりたいって言ってたもんな。」
「まぁな。友達じゃなくて、身内だけどね。」
感情の篭ってないお祝いの言葉のデイヴィッドと無表情で鼻の下を人差し指で擦る私を、アリスとセイさんは大層疲れた表情で眺めていた。
「え?デイヴィッドさんも無感情系なの?普通、兄がオネェだったら、もっと驚かない?」
「デイヴィッドが驚いてるの、そんなに見た事無かったな。」
「ていうか、転生云々の話より、すんなり理解するのは何故なの・・・。」
アリスがげんなりしている。
そんなもん!私の教育の賜物に決まっているでは無いか!
「「「それ、自慢する事じゃないから。」」」
三人仲良いな。
その理由はレガートがデイヴィッドに絡んできたので、私が問答無用でぶっ飛ばした。
その騒ぎにシュタイナーもやって来て、説明を求められた。
説明と言っても、デイヴィッドは私の恋人だという事しか説明しなかった。
彼には前世云々の話はしていないから、詳しい話は後でと取り敢えず、私、アリス、デイヴィッド、セイさんの四人で話がしたいと半ば強引に外してもらった。
寂しそうな瞳をされたが、一応彼は乙女ゲームの攻略対象だからその事実を言って良いもんかと思ったのだ。
この件はアリスに指示を仰ぐ事にした。
プレイ経験者は彼女しかいないからね。
「で、まずはデイヴィッドにこの世界について説明しよう。」
「?」
私はアリスの背中を押して前へ出す。
「さぁ、説明してくれたまえ。」
「え!なんで私!?」
パニックなアリスを更にぐいぐい推す。
「そりゃ、君が一番この世界を知っているからじゃないか。」
「う・・・・。」
観念したのか、肩を落として話し出した。
「この世界は・・・・乙女ゲームの世界なんです。」
「オトメゲーム?」
「タイトルは『あなたの色に染まりたい~恋と魔法のファンタジア~』っていうタイトルで。」
「アナタノイロニソマリタイ」
「あの、一応私がヒロインで」
「ヒロイン?」
「それで・・・ミリアムが悪役令嬢の」
「悪役令嬢!!」
アリスとデイヴィッドの掛け合い。
9割脳に入っていない事が手に取る様に分かる。
私が悪役令嬢って言うのにしか反応していない。
しかもさぞ愉快であろう、吹き出して笑っているからな。
「ミ、ミリアム・・・。ぶふっ。悪者なんだ。ぶっ・・・・。」
もう普通に笑ってくれよ。
アリスがどうしたら良いか分からない顔してるじゃんか。
「凄く似合ってる!!!」
ちゃんと笑い出した。ちゃんとというのもおかしいけど、ホントこの人は私がおかしな状況になっているのを見るのが好きだよな~。自動ドアのセンサーが感知せずに私がまごついてるのを助けずに腹抱えて笑ってたし。
まぁ、その後で華麗な回し蹴りをお見舞いしたけど。
あ、いいよ。アリス、無視して続けて。
アリスが私を見て来たので、目で続けたまえと促す。
「え!?あ、そうなの?・・・それで、ヒロインの私と攻略対象の男性との仲を邪魔するのが悪役令嬢のミリアムなんですけど。」
「・・・・ああ!!そういやミリアムが昔よく観てたアニメの話に似てるな。」
「そうです。あの頃、色々なざまぁ系の小説とか漫画が流行ってました。この世界はそのベースとなる乙女ゲームの世界なんです。」
「乙女ゲームって、男の主人公が複数の女のキャラクターと恋愛するゲームの逆バージョンの事?」
アリスが説明してくれてたのを聞いていない。
私が悪役令嬢である事で脳が一杯になったんだろうな。
同じ事をさも自分の知識の様に言ってやがる。
アリス、戸惑ってるじゃないか。
「え、ええ。そうです。」
ニコッと笑って、とても得意気に話し出す。
「ミリアムが前世で話してたな。悪役令嬢が主人公になるんだよね?」
「あ、ええと。それはその乙女ゲームを題材にした悪役令嬢が身の破滅を防ぐ為に足掻く場合の話で、私達が居る世界はそうではなくて、元の乙女ゲームの世界であって・・・。」
アリスは優しいな。
もう一回説明してあげてるわ。
「ん?じゃあ、ミリアムはこの世界では悪役令嬢のままなの?」
「役割的にはそうなりますね。」
「じゃあ、ミリアムは破滅するの?」
「いや、ミリアムが乙女ゲームの世界のミリアムじゃないので、それは無いです。」
「じゃあ、ミリアムが観てたアニメと一緒だよね?」
「あ、そ、そうなんですけど・・・。乙女ゲームの世界である事は変わらないので・・・。」
「ん?でもミリアムは悪役令嬢みたいに破滅しないんでしょ?」
「そ、そうなんですけど・・・。」
可哀想に。
アリスが。
私達が普通にストンと理解が出来る転生物の話だが、彼はその基礎が無いから理解するのに時間がかかるのだ。
「デイヴィッド、私達がプレイしてたホラーゲームあったでしょ?」
「うん。」
「言うなれば、自分がその中の登場人物の一人になっちゃったって事だよ。要するに。」
「ふんふん。」
「それで、ここもその前世で実在している乙女ゲームの世界。そこは分かる?」
「うん。」
「君が言ってるのは転生物の中の架空の乙女ゲームに転生した話。」
「ふん?」
「だから!実際にあったゲームの世界に転生してるの、私達は。」
「う~ん?うん。うん・・・。じゃあ、俺もゲームのキャラクターの1人なの?」
「知らん。」
「え!?」
「いや、私このゲームも勿論、乙女ゲームしたことないの知ってるじゃん。」
「デイヴィッドさんはこの乙女ゲームの世界では登場しない人です。」
「うえ?」
「ゲームの世界でも主要人物以外も存在しているもんでしょ。ゲームの世界だとしても、此処は現実の世界で私達は生身の人間。怪我もするし、死ぬし。土台がそういうモンだ位で考えておけばいいんだよ。」
「そうか!分かった!」
滅茶苦茶説明したけど、絶対理解していない。
ていうか私も何を話しているか途中で分からなくなったから、面倒臭くなった。
なんだろう、前世での会社の先輩に話をした時はこんな苦労しなかったのに。
「もう普通に生まれ変わったと思っておけばいいんだよ。」
ふうと息を吐いた。
アリスも何か疲れてる。
すまないね。
「因みにさっきの私の兄は乙女ゲームの中の攻略対象らしいよ。」
「兄?ミリアムに吹っ飛ばされた人?」
「違うよ。」
「え?後一人は女の人じゃなかった?・・・・・・・!!ああ!!」
私はニヤリとゲスい顔で笑う。
「へぇ~。良かったじゃん。オネェの人と友達になりたいって言ってたもんな。」
「まぁな。友達じゃなくて、身内だけどね。」
感情の篭ってないお祝いの言葉のデイヴィッドと無表情で鼻の下を人差し指で擦る私を、アリスとセイさんは大層疲れた表情で眺めていた。
「え?デイヴィッドさんも無感情系なの?普通、兄がオネェだったら、もっと驚かない?」
「デイヴィッドが驚いてるの、そんなに見た事無かったな。」
「ていうか、転生云々の話より、すんなり理解するのは何故なの・・・。」
アリスがげんなりしている。
そんなもん!私の教育の賜物に決まっているでは無いか!
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