転生?乙女ゲーム?悪役令嬢?そんなの知るか!私は前世の夫を探しに行く。

コロンパン

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私の評価とは

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ある程度の話を終え、お茶を飲みながら一息つく。
隣に座るアリスに話しかける。

「ねぇ、オネェ様にも話しても大丈夫かな?」

「シュタイナー様に?」

私は頷き、先程の悲し気なシュタイナーの顔を思い出した。

「疎外感を感じて、闇落ちしたら不味いのではと。ていうか、あんな顔してるのを放っておくのが・・・。」

「ミリアムさんにも良心ってあったんだな。」

軽く口を挟んできたセイさんを優しく見つめる。
飛び上がって、デイヴィッドに縋りついた。
おお、なんだ?
それは私への挑戦かね?
カタカタ震えているセイさんを見て、デイヴィッドが咎める。

「ミリアム、威嚇しない。セイも殺されたくなかったらあんな事言わない方が良い。」

隣のアリスも私の額をピシッと突いてきた。
美少女のデコピンありがとうございます!

「さっきの話だけど、そうね、今のシュタイナー様なら大丈夫なんじゃないかな?
ゲームの時とは性格も違うし。」

よし。
そうと決まれば、シュタイナーを呼び戻すか。



ドゴッ!!
急に応接室の扉が、クラッシュした。
破片がセイさんの顔面にヒットした。
何故だか、胸がスッとした。


「おい!!妾抜きで話を進めるでないわ!!」

あ!そうだった。銀華さんに紹介するんだった。
機嫌を損ねた銀華さんがどすどすと荒々しい音で此方に近づいてくる。
銀華さんの通った床が、激しく凹んでいる。

銀華さんは一直線にデイヴィッドの元へ。目の前に立ち、睨み付けている。

「お主がミリアムの番か?」

デイヴィッドは銀華さんに睨まれているのに、ただただ笑顔で返す。

「はい。デイヴィッドと言います。貴女は?」

迷いなく言うデイヴィッドに気恥ずかしい思いを抱く。
その間も銀華さんは視線を外す事無く、デイヴィッドを見据えたまま。
全く恐れる様子が無いデイヴィッドに目を細めて銀華さんは不敵に笑う。

「妾はエンシャント種ぞ。ミリアムからは銀華と呼ばれておる。」

ドラゴンだと告げられても、驚く様子もないデイヴィッド。

「へぇ~、ドラゴンなんですか。人に変身できるのは初めて見ました。」

抑揚のないデイヴィッドの声。私が言うのもなんだけど、この人感情何処に置いてきたんだろな。
幾らハンターだからとは言え、目の前にドラゴンが居たら警戒するのではと思うのだが。

「こ、こやつ・・・。妾を見て何の感情の変化も無いとは。
ミリアムですら、妾に会うた時は目に見えて興奮しておったのに。」

銀華さんが逆に驚いているな。

「済みません。これでも驚いてるんですけどね。」

デイヴィッドは後頭部をガシガシ掻く。
銀華さんは更にデイヴィッドに顔を近づける。
あ!あ!距離が近いですぞ!

私の心の動揺に気付いてか、こちらを見てクスリと笑う。

「前にも言うたであろう。心配せずとも手を出さぬわ。珍しい光の強い魔力での。」

「光属性なんですか?」

銀華さんの説明にアリスが尋ねる。
頷いた銀華さんが更に続ける。

「うむ。じゃが、少量の魔も感じる。相反する力は中々持ちえないのでな。」

「私もありますよ。」

何を隠そう、私は全属性持ちなのですよ、ふふふ。

「お主は例外じゃ。」

軽くあしらわれた。
まぁ、いいか。

「ああ、だから、白髪に黒いのが混じってるのか。」

デイヴィッドの髪の毛を引っ張る。
デイヴィッドは物凄い勢いで頭を手でブロックする。

「やめろ!!1本100万だぞ!!」

髪の毛への執着は顕在か。
ドラゴンに会った時より、髪の毛を引っ張られる時の方が感情的になるとかよっぽどだよ。
だけど、デイヴィッドの髪の毛はそんな心配がない位、毛量が多い。

「いや、そんだけふさふさだったら、大丈夫でしょうよ。」

「何言ってんだ!油断したら直ぐなんだからな!」

「そ、そうですね。」

これ以上は止めておこう。
殿方の髪の毛事情はデリケートな問題だからな。
ただ、私も私でそうなるのは恐ろしいので、早くシュタイナーに聞いておかなくては。

「お主ら・・・。」

はっ!?
いかん、いかん。直ぐ横道に逸れてしまう。
銀華さんが溜息を吐いている。

「まぁ、何と言うか、よう似た二人じゃ。」

「ええ!?ミリアムと似てるとか止めて下さいよ。」

心外だと言わんばかりにデイヴィッドが反論する。

「こんな頭のおかしい人と似てないです。」

「おい。」

「ミリアムの頭がおかしいのは認めるけど、デイヴィッドさんとは似てない気がしますよ。
だって、デイヴィッドさんミリアムと違って、こう性格歪んで無さそうですし。」

「おい。」

「そうだな。デイヴィッドは穏やかな性格だが、ミリアムさんは一歩間違えたら犯罪者だ。」

「おい。」

何、この三人。
何故こんなに息が合ってるの?
銀華さんは銀華さんでフグフグ言って笑ってるし。
おかしいな?
結構、善行積んでる筈なのに、この評価は一体。

解せぬ気持ちの私の頭にポンと手を置いて、とても良い笑顔を見せるのはデイヴィッドだ。
完全に面白がっておる。

「ほら、俺以外でもミリアムの異常性に気付いている人が居るじゃないか。」

ギロリと睨む。
貴様、私の今の力を知らないな?
厨二っぽく言っても、ちゃんと実力が備わったモン持ってるんだぞ、私は。

「わあ、怖い。物騒な目をしてる。」

頭に置いていた手をサッと引っ込めた。
惜しかった。
そのまま手を掴んで、投げ飛ばしてやろうと思ったのに。

「ふっ、くくくく。見ていて飽きぬわ。やはりミリアムに付いて来て正解だったの。」

ううむ、素直に喜べない。
微妙な気持ちの私を余所に、他の4名は和やかに笑みを交わしていた。
なんだかなぁ!!??


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