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今後の方針
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「ねぇ、ミリアム。」
「ん?」
「この後、どうするの?」
「この後とは?」
アリスが作ってきてくれたクッキーを、頬張りながら私はキョトンとなる。
「デイヴィッドさんと再会した後の事。」
「え?結婚する。」
即答した。
アリスの顔が引き攣っている。
何か不味い事言った?
「そ、それは良い事なんだけど・・・。」
「ミリアムさん、貴族だろ?デイヴィッドは平民だぞ。そう簡単に結婚出来るのか?」
セイさんはデイヴィッドを親指で指す。
デイヴィッドと私はお互いを見て首を傾げる。
「「何か問題が?」」
全く同じトーンで発した私達にアリスとセイさんが固まる。
「ミリアム・・・。私でも分かるのに、アンタが分からない筈が無いでしょう?
デイヴィッドさんなら兎も角。」
何の事やら。
私がヲタクだから、こういう西洋系の話も読み耽ってるだろうとか、知った上ですっ呆けてるとか、そんな事は無いんですよと、ニコニコしたまま無言でいた。
デイヴィッドはというと、本当に分かっていないので、
「え?何で結婚できないの?」
私に聞いてくる。
私は無言のままなんです。
察して下さい。
そのままでいると、デイヴィッドは分かったぞと、きっと見当違いだろう、答えを導き出した。
「もしかして未成年だから、まだ結婚できないのか。」
はい、やっぱりそうでした!
セイさんは頭を抱えだす。
「セイさん、デイヴィッドに何も教えてないんですか?」
「いや、まず俺達は貴族とほぼ無縁で生活してたし、俺がそういう貴族の女達からデイヴィッドから引き剥がしてたから・・・。」
私は大袈裟に肩を竦める。
「引き剥がしてたのは褒めてあげましょう。ただこの世界の事をちゃんと教えてあげないと。
デイヴィッドはボケらとしてるから、自分が興味ないのは一生疑問に持たないんですからね。」
私はこれ幸いとセイさんを責め立ててみる。
お得意の責任転嫁だ!
「いやいや!デイヴィッドがこういう事情だとか知らなかったし!
デイヴィッドと組んだのだって4年前で、その位の年齢だったら普通に知ってると思うだろ!」
私の非難の目にセイさんが狼狽する。
「え?どういう事?」
デイヴィッドが私を見る。
彼は何故だか私に聞けば何でも答えてくれると思っているらしく(主に二次元の話)、今回も例に漏れず私に答えを求めてきた。
私は観念した。
説明嫌いなのになー!
「大体、こういう世界では身分が物を言うんだよ。
貴族は言うなれば、武家とか公家みたいな感じで、平民、ええと一般人が気軽に接する事が難しい。
結婚とか論外じゃないのかな?
私も漫画とかで読んだ位の知識しかないけど、大体そんな感じ。」
「へぇ~。面倒臭いのに転生したんだな、ミリアムって。」
とても他人事の様に言う。
いや、他人事だけど、それと結婚しようとするんだから、君にも関係あるんだよ。
「結婚する前に他にやる事ある思うんだけど。」とアリス。
「ん?」
「ん?って・・・。ノエル王子とかウルフィン様とかどうすんのよ。
あと学園も。」
「う~ん。」
王子とかはどうでもいい。
学園は当初は止めようかなと思ったけど、何だかんだでアリスと一緒に居たい気持ちが強くなった。
銀華さんも居る。
卒業はしておこうと考え始めた。
王子とかは心底どうでもいいけど。
「王子様って、あの銀髪の人?ミリアムと何か・・・。ああ!そうか、アニメとかでは、悪役令嬢って攻略対象?だっけ?婚約者になってるんだよね?婚約してる?それって無くす事出来るの?」
デイヴィッドは不安気な顔をしているけど、私は首を横に振る。
「あ、もうそれは無くなってるから、大丈夫。
ただ、周りをウロチョロして目障りなんだよな。」
ふんと鼻息を漏らす。
全く相手にしていないのに、本当に煩わしい。
「王子に対して目障りって、ミリアムしか言わないわよね。」
アリスが呆れた顔で言う。
「いやぁ~。えへへ。」
「褒めてない。」
あれ?そうですか?
「好きでもない人に言い寄られれるのは苦痛でしかない。」
本当に嫌だ。気持ち悪い。触られるのだけでも嫌だ。
好きな人以外に触れられたくない。
アリスの腕に抱き着く。
いきなりの行動でアリスは少し動揺していたが、ポンと頭を撫でてくれた。
デイヴィッドが私達を優しい笑顔で見ている。
「何か俺以外でこんな風に引っ付いてるミリアムを見るのは新鮮だな。」
更にアリスにくっつく。
アリスは慌てている。
「ははは。羨ましいだろ~。」
「ちょ、こら!ミリアム!」
くつくつと笑い出すデイヴィッド。
「いや、良かったなぁと思って。ミリアム、俺にばかり引っ付いてたから、こうやって心を開ける人が出来て、本当に良かった。」
くっ!!
イケメンになってるから、笑顔の破壊力が抜群だ!
さっきまで気にしてなかったのに、私を思う気持ちを感じて、顔が熱くなった。
「ぐうううう!!」
私はアリスの体にしがみつく。
「照れてるミリアムとか、初めてかも!」
少し上擦った声のアリスが私の顔を覗き込む。
上目遣いのヒロイン。眼福ぅうううう!!
嬉しいけど、私に使っていいんですかい!?
「アンタは何処まで行ってもアンタなのね・・・。」
悶絶物の上目遣いが、スンと冷めた瞳に変わる。
そんな目をしても可愛いね、アリス!
冷めた瞳は変わらず、私を見据えてアリスは言う。
「で、結局の所どうすんの?」
「別に何も。」
「はっ!?」
「なる様になれでいきます。学園に通いながらハンターをしてお金を貯めて、誰にも文句を言わせない様な地位まで登り詰める。
その上でデイヴィッドと一緒になる。そしてアリスと三人で仲良く暮らす。」
「えっ!?何故私も!!??」
「だってアリスと離れたくない・・・・。」
これ見よがしにアリスを見つめる。
「っうぐ!」
アリスは胸を押さえている。
「きっと大丈夫だよ。」
「何か・・・、ミリアムが言うと大丈夫な気がするのは何でだろ?」
「人徳?」
「「絶対違う!!」」
「はははははっ!!」
全力で否定するアリスとセイさん、爆笑するデイヴィッド、飽きたのかソファで寝ている銀華さん。
何だかんだで大丈夫!
「ん?」
「この後、どうするの?」
「この後とは?」
アリスが作ってきてくれたクッキーを、頬張りながら私はキョトンとなる。
「デイヴィッドさんと再会した後の事。」
「え?結婚する。」
即答した。
アリスの顔が引き攣っている。
何か不味い事言った?
「そ、それは良い事なんだけど・・・。」
「ミリアムさん、貴族だろ?デイヴィッドは平民だぞ。そう簡単に結婚出来るのか?」
セイさんはデイヴィッドを親指で指す。
デイヴィッドと私はお互いを見て首を傾げる。
「「何か問題が?」」
全く同じトーンで発した私達にアリスとセイさんが固まる。
「ミリアム・・・。私でも分かるのに、アンタが分からない筈が無いでしょう?
デイヴィッドさんなら兎も角。」
何の事やら。
私がヲタクだから、こういう西洋系の話も読み耽ってるだろうとか、知った上ですっ呆けてるとか、そんな事は無いんですよと、ニコニコしたまま無言でいた。
デイヴィッドはというと、本当に分かっていないので、
「え?何で結婚できないの?」
私に聞いてくる。
私は無言のままなんです。
察して下さい。
そのままでいると、デイヴィッドは分かったぞと、きっと見当違いだろう、答えを導き出した。
「もしかして未成年だから、まだ結婚できないのか。」
はい、やっぱりそうでした!
セイさんは頭を抱えだす。
「セイさん、デイヴィッドに何も教えてないんですか?」
「いや、まず俺達は貴族とほぼ無縁で生活してたし、俺がそういう貴族の女達からデイヴィッドから引き剥がしてたから・・・。」
私は大袈裟に肩を竦める。
「引き剥がしてたのは褒めてあげましょう。ただこの世界の事をちゃんと教えてあげないと。
デイヴィッドはボケらとしてるから、自分が興味ないのは一生疑問に持たないんですからね。」
私はこれ幸いとセイさんを責め立ててみる。
お得意の責任転嫁だ!
「いやいや!デイヴィッドがこういう事情だとか知らなかったし!
デイヴィッドと組んだのだって4年前で、その位の年齢だったら普通に知ってると思うだろ!」
私の非難の目にセイさんが狼狽する。
「え?どういう事?」
デイヴィッドが私を見る。
彼は何故だか私に聞けば何でも答えてくれると思っているらしく(主に二次元の話)、今回も例に漏れず私に答えを求めてきた。
私は観念した。
説明嫌いなのになー!
「大体、こういう世界では身分が物を言うんだよ。
貴族は言うなれば、武家とか公家みたいな感じで、平民、ええと一般人が気軽に接する事が難しい。
結婚とか論外じゃないのかな?
私も漫画とかで読んだ位の知識しかないけど、大体そんな感じ。」
「へぇ~。面倒臭いのに転生したんだな、ミリアムって。」
とても他人事の様に言う。
いや、他人事だけど、それと結婚しようとするんだから、君にも関係あるんだよ。
「結婚する前に他にやる事ある思うんだけど。」とアリス。
「ん?」
「ん?って・・・。ノエル王子とかウルフィン様とかどうすんのよ。
あと学園も。」
「う~ん。」
王子とかはどうでもいい。
学園は当初は止めようかなと思ったけど、何だかんだでアリスと一緒に居たい気持ちが強くなった。
銀華さんも居る。
卒業はしておこうと考え始めた。
王子とかは心底どうでもいいけど。
「王子様って、あの銀髪の人?ミリアムと何か・・・。ああ!そうか、アニメとかでは、悪役令嬢って攻略対象?だっけ?婚約者になってるんだよね?婚約してる?それって無くす事出来るの?」
デイヴィッドは不安気な顔をしているけど、私は首を横に振る。
「あ、もうそれは無くなってるから、大丈夫。
ただ、周りをウロチョロして目障りなんだよな。」
ふんと鼻息を漏らす。
全く相手にしていないのに、本当に煩わしい。
「王子に対して目障りって、ミリアムしか言わないわよね。」
アリスが呆れた顔で言う。
「いやぁ~。えへへ。」
「褒めてない。」
あれ?そうですか?
「好きでもない人に言い寄られれるのは苦痛でしかない。」
本当に嫌だ。気持ち悪い。触られるのだけでも嫌だ。
好きな人以外に触れられたくない。
アリスの腕に抱き着く。
いきなりの行動でアリスは少し動揺していたが、ポンと頭を撫でてくれた。
デイヴィッドが私達を優しい笑顔で見ている。
「何か俺以外でこんな風に引っ付いてるミリアムを見るのは新鮮だな。」
更にアリスにくっつく。
アリスは慌てている。
「ははは。羨ましいだろ~。」
「ちょ、こら!ミリアム!」
くつくつと笑い出すデイヴィッド。
「いや、良かったなぁと思って。ミリアム、俺にばかり引っ付いてたから、こうやって心を開ける人が出来て、本当に良かった。」
くっ!!
イケメンになってるから、笑顔の破壊力が抜群だ!
さっきまで気にしてなかったのに、私を思う気持ちを感じて、顔が熱くなった。
「ぐうううう!!」
私はアリスの体にしがみつく。
「照れてるミリアムとか、初めてかも!」
少し上擦った声のアリスが私の顔を覗き込む。
上目遣いのヒロイン。眼福ぅうううう!!
嬉しいけど、私に使っていいんですかい!?
「アンタは何処まで行ってもアンタなのね・・・。」
悶絶物の上目遣いが、スンと冷めた瞳に変わる。
そんな目をしても可愛いね、アリス!
冷めた瞳は変わらず、私を見据えてアリスは言う。
「で、結局の所どうすんの?」
「別に何も。」
「はっ!?」
「なる様になれでいきます。学園に通いながらハンターをしてお金を貯めて、誰にも文句を言わせない様な地位まで登り詰める。
その上でデイヴィッドと一緒になる。そしてアリスと三人で仲良く暮らす。」
「えっ!?何故私も!!??」
「だってアリスと離れたくない・・・・。」
これ見よがしにアリスを見つめる。
「っうぐ!」
アリスは胸を押さえている。
「きっと大丈夫だよ。」
「何か・・・、ミリアムが言うと大丈夫な気がするのは何でだろ?」
「人徳?」
「「絶対違う!!」」
「はははははっ!!」
全力で否定するアリスとセイさん、爆笑するデイヴィッド、飽きたのかソファで寝ている銀華さん。
何だかんだで大丈夫!
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