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気持ちが通じた気がします
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「アイリーン。」
私の瞳に溜まる涙を優しく掬い、殿下は私を抱き寄せます。
ああ、また殿下とこんなに近くに。
驚き、嬉しさ、気恥ずかしさから、現金だと思われるでしょうが、流れていた涙がピタリと止まってしまいました。
「済まない。俺が貴女に拒絶されるのが怖くて、踏み出せなかった。
貴女を苦しめていた噂を晴らす事が出来たのに、俺は貴女の周りを牽制して誰も近づく事を許さなかった。
アイリーンがずっと孤独だった事に安心して、貴女に近寄ろうともせず・・・。
最低だよ。
貴女の家に押しかけてでも、何故俺を避けるのか聞き出せばよかったのに。」
私の肩越しに殿下が言い募りました。
先程、コーデリア様が仰っていた言葉を思い出し、あれは私の事だったのか、漸く理解したのです。
ああ、何て愚かで鈍い私。
一人で思い違いをして、勝手に思い詰めて、勝手に想いを諦めようとした。
こんなに殿下を苦しめて、思い悩ませて。
殿下がそのような事をさせたのは私なのに。
私は恐る恐る殿下の背中に手を回します。
殿下はビクリと体が震わせましたが、私を解く気配はなく、そのまま私が触れる事をお許しになって下さいました。
私は息を大きく吸い込み、
「殿下、謝るのは私の方でございます。
私が殿下とちゃんとお話をしていれば良かったのです。
噂を鵜呑みにして、事実を確認しなかった私が悪いのです。」
そう言うと、殿下は私から勢い良く離れ、大きく瞳を見開かれます。
「な、何を言うのだ!!俺が全て悪いに決まっている!!」
「いいえ、私が悪いのです。」
「いいや!俺が!」
「私が!」
お互いが引かず、自分が悪いと言い合って。
何だか可笑しくなって、自然と殿下と私、二人とも笑い出してしまいました。
一頻り笑った後、ポツリ。
殿下が零されます。
「俺達は、お互い臆病者だったな。
お互いの想いを知るのが怖い余りに、こんな回り道を。」
私も頷き、ぎこちなく笑います。
「そうですね。殿下にお尋ねすれば良かったのに、一人で完結してしまって。」
私の頭を撫で、殿下は優しく微笑まれます。
「俺達はもっと話し合う時間が必要だな。こんな気持ちはもう、二度と味わいたくない。」
「はい。」
あれほど痛かった胸が嘘の様です。
今も誤解したままだったらと思うと、背筋が凍りそうです。
それもこれも、
「リア様のおかげですね。」
本当にそう思いました。
私は殿下も同意して下さると、言葉を待っていましたが、殿下は無言のまま。
お顔も何故か曇らせていらっしゃいます。
「・・・・納得がいかない。」
「え?」
殿下は不貞腐れた様にそう仰いました。
「アイリーンがアイツを愛称で呼ぶのが、・・・・納得がいかない。」
「駄目なのでしょうか・・?」
コーデリア様は是非呼んで欲しいと仰いました。
私もコーデリア様をリア様とお呼びしたいのです。
殿下にお許しいただきたいと請います。
殿下は困った表情をなさって、私を見つめます。
「っ本当に貴女は、罪深い。そんな顔をされては、駄目だと言える訳が無いじゃないか。」
私、どんな顔をしていたのかしら?
初めて出来たお友達をどうしても失くしたくない、必死だったのかもしれません。
「無意識、か。ああ、もう・・・。」
殿下は項垂れて大きく息を吐かれました。
そうして、また私に瞳を合わせて、優しく微笑まれます。
「甚だ不本意だが、仕方が無い。
但し、これからアイリーンが俺の言うお願いを聞いてくれたら。アイツを愛称で呼ぶ事を黙認しよう。」
「お願い、ですか?」
笑みを深めて、殿下は頷かれます。
「ああ。明日から、学園では俺とずっと過ごす事。」
「!?」
「朝も家まで俺が迎えに行く。
昼も俺と食事をして、帰りも俺が送る。」
「!!??」
「俺は貴女ともっと一緒に時間を過ごしたい。
アイリーンを一番知っている人間は俺でありたいんだ。」
「あ、あの、でも・・・。」
「アイリーンは知らないだろうが、コーデリア、アイツからアイリーンの事を聞く度に俺は嫉妬で気が狂いそうになった。」
「そ、そんな・・・。」
コーデリア様に嫉妬?
何故殿下が嫉妬なさるの?
殿下と仲の良いコーデリア様に私が嫉妬する方が筋が通っている様な気がします。
「何故、殿下がリア様に嫉妬なさるのですか?」
心で思ったまま殿下に問いました。
殿下は少し言葉に詰ったようです。
「っそれは・・・。」
言い淀んだまま殿下は口を閉ざしてしまいます。
少しの沈黙の後、殿下は大きく息を吐き、仰いました。
「・・・明日、コーデリアを交えて話したいが、構わないか?」
私は頷きます。
お断りする理由もありません。
ですが、一体どんなお話なのでしょう。
私が頷くと安心した様に殿下はまた私が恋した微笑みを浮かべられたのです。
私の瞳に溜まる涙を優しく掬い、殿下は私を抱き寄せます。
ああ、また殿下とこんなに近くに。
驚き、嬉しさ、気恥ずかしさから、現金だと思われるでしょうが、流れていた涙がピタリと止まってしまいました。
「済まない。俺が貴女に拒絶されるのが怖くて、踏み出せなかった。
貴女を苦しめていた噂を晴らす事が出来たのに、俺は貴女の周りを牽制して誰も近づく事を許さなかった。
アイリーンがずっと孤独だった事に安心して、貴女に近寄ろうともせず・・・。
最低だよ。
貴女の家に押しかけてでも、何故俺を避けるのか聞き出せばよかったのに。」
私の肩越しに殿下が言い募りました。
先程、コーデリア様が仰っていた言葉を思い出し、あれは私の事だったのか、漸く理解したのです。
ああ、何て愚かで鈍い私。
一人で思い違いをして、勝手に思い詰めて、勝手に想いを諦めようとした。
こんなに殿下を苦しめて、思い悩ませて。
殿下がそのような事をさせたのは私なのに。
私は恐る恐る殿下の背中に手を回します。
殿下はビクリと体が震わせましたが、私を解く気配はなく、そのまま私が触れる事をお許しになって下さいました。
私は息を大きく吸い込み、
「殿下、謝るのは私の方でございます。
私が殿下とちゃんとお話をしていれば良かったのです。
噂を鵜呑みにして、事実を確認しなかった私が悪いのです。」
そう言うと、殿下は私から勢い良く離れ、大きく瞳を見開かれます。
「な、何を言うのだ!!俺が全て悪いに決まっている!!」
「いいえ、私が悪いのです。」
「いいや!俺が!」
「私が!」
お互いが引かず、自分が悪いと言い合って。
何だか可笑しくなって、自然と殿下と私、二人とも笑い出してしまいました。
一頻り笑った後、ポツリ。
殿下が零されます。
「俺達は、お互い臆病者だったな。
お互いの想いを知るのが怖い余りに、こんな回り道を。」
私も頷き、ぎこちなく笑います。
「そうですね。殿下にお尋ねすれば良かったのに、一人で完結してしまって。」
私の頭を撫で、殿下は優しく微笑まれます。
「俺達はもっと話し合う時間が必要だな。こんな気持ちはもう、二度と味わいたくない。」
「はい。」
あれほど痛かった胸が嘘の様です。
今も誤解したままだったらと思うと、背筋が凍りそうです。
それもこれも、
「リア様のおかげですね。」
本当にそう思いました。
私は殿下も同意して下さると、言葉を待っていましたが、殿下は無言のまま。
お顔も何故か曇らせていらっしゃいます。
「・・・・納得がいかない。」
「え?」
殿下は不貞腐れた様にそう仰いました。
「アイリーンがアイツを愛称で呼ぶのが、・・・・納得がいかない。」
「駄目なのでしょうか・・?」
コーデリア様は是非呼んで欲しいと仰いました。
私もコーデリア様をリア様とお呼びしたいのです。
殿下にお許しいただきたいと請います。
殿下は困った表情をなさって、私を見つめます。
「っ本当に貴女は、罪深い。そんな顔をされては、駄目だと言える訳が無いじゃないか。」
私、どんな顔をしていたのかしら?
初めて出来たお友達をどうしても失くしたくない、必死だったのかもしれません。
「無意識、か。ああ、もう・・・。」
殿下は項垂れて大きく息を吐かれました。
そうして、また私に瞳を合わせて、優しく微笑まれます。
「甚だ不本意だが、仕方が無い。
但し、これからアイリーンが俺の言うお願いを聞いてくれたら。アイツを愛称で呼ぶ事を黙認しよう。」
「お願い、ですか?」
笑みを深めて、殿下は頷かれます。
「ああ。明日から、学園では俺とずっと過ごす事。」
「!?」
「朝も家まで俺が迎えに行く。
昼も俺と食事をして、帰りも俺が送る。」
「!!??」
「俺は貴女ともっと一緒に時間を過ごしたい。
アイリーンを一番知っている人間は俺でありたいんだ。」
「あ、あの、でも・・・。」
「アイリーンは知らないだろうが、コーデリア、アイツからアイリーンの事を聞く度に俺は嫉妬で気が狂いそうになった。」
「そ、そんな・・・。」
コーデリア様に嫉妬?
何故殿下が嫉妬なさるの?
殿下と仲の良いコーデリア様に私が嫉妬する方が筋が通っている様な気がします。
「何故、殿下がリア様に嫉妬なさるのですか?」
心で思ったまま殿下に問いました。
殿下は少し言葉に詰ったようです。
「っそれは・・・。」
言い淀んだまま殿下は口を閉ざしてしまいます。
少しの沈黙の後、殿下は大きく息を吐き、仰いました。
「・・・明日、コーデリアを交えて話したいが、構わないか?」
私は頷きます。
お断りする理由もありません。
ですが、一体どんなお話なのでしょう。
私が頷くと安心した様に殿下はまた私が恋した微笑みを浮かべられたのです。
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