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セカンドコンタクト
一週間後、金曜の夜。
二人は先週と同じホテルの同じ部屋にいた。
「本当に来てくれたんですね」
先に来ていた泉水にそう言われると國実は不思議そうに聞き返した。
「約束しただろ?」
「……あれからメールとかなかったから」
仕事帰りに直接来た様子の國実はスーツの上着をハンガーに掛けると、ネクタイを緩めながらソファーに腰掛けた。
「そっちからだってなかっただろ?」
「なんて連絡したらいいのか分からなくて……」
泉水は國実のいるソファーの前でうつむき加減で戸惑うようにそう呟いた。
「オレのことセフレにするつもりじゃないなら、何でも言ってくれて構わないけど」
さらっと言った國実の言葉に泉水は思わず顔を上げていた。
「セ……セフレなんて、そんなこと思ってません!」
「連絡なかったからヤリ目的かもって少し思った」
「そんな…………」
「ホテルで会う約束しただけで、それ以外ないから。セフレのつもりなら今日は何もせずすぐ帰るつもりだった」
「ちゃんとお付き合いしたいと思ってます! ……3ヵ月後には本当の恋人になりたいです」
後半弱弱しくなる声に國実はようやく笑顔を見せて、ソファーの隣に座るよう泉水を促した。
「オレ結構、束縛屋だけど大丈夫?」
座った途端にそう言われ泉水は反射的に答えた。
「嬉しいです」
その素早さに笑いながらも國実はこれからのことを考えるなら最低限のことは確認しておくべきだと判断していた。
「ついでだから聞いておくけど、自立できてないのも嫌って言うか、完全飼育希望とか言われても困るんだけど」
「ちゃんと仕事してます! あ、名刺渡しますね」
泉水は着たままのジャケットの内ポケットから名刺ケースを取り出し、丁寧に渡した。
「へぇー、ウェブデザイナーなんだ」
「はい、友達が立ち上げた会社なんです。最初から一緒の僕も責任あって、だから簡単に辞めたりしません」
「スゴイんだ。共同経営者ってこと?」
少し考えた泉水だったが結局その質問にはいいえと答えた。
「一応社長は友達の方で、僕は単純に技術担当なんです。でも最初のころは営業とかいろいろやらないと厳しかったですね。今は軌道に乗ったって感じで、僕も本来の仕事に集中できるようになりました」
「スゴイなー、なんだかそんな話聞くとオレの紹介しづらい」
そう言いながらも國実は立ち上がって名刺を取りに行く。
「教えてもらえるんですか?」
「そりゃあね。普通のサラリーマンですけど、これ名刺ね」
そんな謙遜なんかもちろん信じていなかった泉水だがそれでも名刺を見て驚いてしまった。
「わあ、國実さんの方が凄いじゃないですか。ここっていくつもグループ経営してるところですよね?」
「親会社はな、オレが勤めてるのは子会社の一つ。こじんまりしたところだよ」
「でも係長って書いてありますよ」
「30なんだから普通でしょ。そう早いほうではないよ。そういえばイズミは正確にはいくつなんだ?」
「…………」
急に顔を見て固まってしまった泉水の理由がわからず國実は首をかしげた。
二人は先週と同じホテルの同じ部屋にいた。
「本当に来てくれたんですね」
先に来ていた泉水にそう言われると國実は不思議そうに聞き返した。
「約束しただろ?」
「……あれからメールとかなかったから」
仕事帰りに直接来た様子の國実はスーツの上着をハンガーに掛けると、ネクタイを緩めながらソファーに腰掛けた。
「そっちからだってなかっただろ?」
「なんて連絡したらいいのか分からなくて……」
泉水は國実のいるソファーの前でうつむき加減で戸惑うようにそう呟いた。
「オレのことセフレにするつもりじゃないなら、何でも言ってくれて構わないけど」
さらっと言った國実の言葉に泉水は思わず顔を上げていた。
「セ……セフレなんて、そんなこと思ってません!」
「連絡なかったからヤリ目的かもって少し思った」
「そんな…………」
「ホテルで会う約束しただけで、それ以外ないから。セフレのつもりなら今日は何もせずすぐ帰るつもりだった」
「ちゃんとお付き合いしたいと思ってます! ……3ヵ月後には本当の恋人になりたいです」
後半弱弱しくなる声に國実はようやく笑顔を見せて、ソファーの隣に座るよう泉水を促した。
「オレ結構、束縛屋だけど大丈夫?」
座った途端にそう言われ泉水は反射的に答えた。
「嬉しいです」
その素早さに笑いながらも國実はこれからのことを考えるなら最低限のことは確認しておくべきだと判断していた。
「ついでだから聞いておくけど、自立できてないのも嫌って言うか、完全飼育希望とか言われても困るんだけど」
「ちゃんと仕事してます! あ、名刺渡しますね」
泉水は着たままのジャケットの内ポケットから名刺ケースを取り出し、丁寧に渡した。
「へぇー、ウェブデザイナーなんだ」
「はい、友達が立ち上げた会社なんです。最初から一緒の僕も責任あって、だから簡単に辞めたりしません」
「スゴイんだ。共同経営者ってこと?」
少し考えた泉水だったが結局その質問にはいいえと答えた。
「一応社長は友達の方で、僕は単純に技術担当なんです。でも最初のころは営業とかいろいろやらないと厳しかったですね。今は軌道に乗ったって感じで、僕も本来の仕事に集中できるようになりました」
「スゴイなー、なんだかそんな話聞くとオレの紹介しづらい」
そう言いながらも國実は立ち上がって名刺を取りに行く。
「教えてもらえるんですか?」
「そりゃあね。普通のサラリーマンですけど、これ名刺ね」
そんな謙遜なんかもちろん信じていなかった泉水だがそれでも名刺を見て驚いてしまった。
「わあ、國実さんの方が凄いじゃないですか。ここっていくつもグループ経営してるところですよね?」
「親会社はな、オレが勤めてるのは子会社の一つ。こじんまりしたところだよ」
「でも係長って書いてありますよ」
「30なんだから普通でしょ。そう早いほうではないよ。そういえばイズミは正確にはいくつなんだ?」
「…………」
急に顔を見て固まってしまった泉水の理由がわからず國実は首をかしげた。
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