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出会い
春の雪
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風に運ばれて、白い桜の花びらがドアを開け放っている玄関へ舞い込んできている。
菫は玄関の横にある金縁の全身鏡で乱れたところは無いか入念にチェックする。
今日は入学式。
夢にまで見た名門○○女子高等学校生活最初の一日目だ。
菫は寮に入っているので敷地内にはもう足を踏み入れているのだが、それでも胸の高鳴りはおさまらない。
これから、私の素敵な高校生活が始まるんだ!
ピカピカのローファーをはいた足を踏み出して、菫は校舎へと向かう。
入学式が終わり、割り振られたクラスの教室へ行く途中の中庭で、同じ寮で顔見知りの三つ編みの女の子が声をかけてきた。
「寮一緒だよね、私まり。お友達にならない?」
菫は入学式で周りのお嬢様具合に友達ができるか少し不安になっていたので、安心して首を縦に振ろうとした。
その時だった。
強い力で肩を押されて、菫はバランスを崩した。
「?!」
振り向くと、菫を押しのけたであろう人物と目が合った。
菫はその少女に目が奪われた。
陶器のように白い肌。サラサラの長い髪をハーフアップにしている。鼻がすっと通っていて、小さな唇は熟したように赤い。整った眉のすぐ下にあるアーモンド型の瞳は冷たい光を宿していて、氷の矢のように菫を射抜いた。
しかし、長いまつ毛をぱちりと閉じた次の瞬間には、その光はきれいさっぱり消えていた。
「ごめんなさい、少し急いでて。あら、頭に花びらが付いてるわよ」
クスリと笑ってその子は菫の頭に手を伸ばした。
菫は、思わず後ずさってしまった。こんな美しい人に触れられるのは恥ずかしい、という気持ちと、なにか違和感、恐怖を感じたのだ。
「じ、自分でとります」
「そう」
その子は一瞬菫の全身をなぞるように見つめ、笑顔に戻ってまたね、と言って去っていった。
これが、菫と咲雪の出会いだった。
咲雪が行ってしまうと、まりが、咲雪の行ってしまった方角を眺めながら、
「私、中学からこの学校なんだけど、今の人はちょっと有名な人よ」
と菫に教えてくれた。
「えっ、まりちゃんエスカレーター組なの?」
菫はまずその事に驚いてまりの顔を見た。
「正真正銘のお嬢様だあ!」
憧れを込めた響きで菫が感嘆の声をあげると、まりが首を横に振って、
「それは今の人、咲雪さんみたいな人を言うのよ」
と諭すように教えてくれた。
菫は玄関の横にある金縁の全身鏡で乱れたところは無いか入念にチェックする。
今日は入学式。
夢にまで見た名門○○女子高等学校生活最初の一日目だ。
菫は寮に入っているので敷地内にはもう足を踏み入れているのだが、それでも胸の高鳴りはおさまらない。
これから、私の素敵な高校生活が始まるんだ!
ピカピカのローファーをはいた足を踏み出して、菫は校舎へと向かう。
入学式が終わり、割り振られたクラスの教室へ行く途中の中庭で、同じ寮で顔見知りの三つ編みの女の子が声をかけてきた。
「寮一緒だよね、私まり。お友達にならない?」
菫は入学式で周りのお嬢様具合に友達ができるか少し不安になっていたので、安心して首を縦に振ろうとした。
その時だった。
強い力で肩を押されて、菫はバランスを崩した。
「?!」
振り向くと、菫を押しのけたであろう人物と目が合った。
菫はその少女に目が奪われた。
陶器のように白い肌。サラサラの長い髪をハーフアップにしている。鼻がすっと通っていて、小さな唇は熟したように赤い。整った眉のすぐ下にあるアーモンド型の瞳は冷たい光を宿していて、氷の矢のように菫を射抜いた。
しかし、長いまつ毛をぱちりと閉じた次の瞬間には、その光はきれいさっぱり消えていた。
「ごめんなさい、少し急いでて。あら、頭に花びらが付いてるわよ」
クスリと笑ってその子は菫の頭に手を伸ばした。
菫は、思わず後ずさってしまった。こんな美しい人に触れられるのは恥ずかしい、という気持ちと、なにか違和感、恐怖を感じたのだ。
「じ、自分でとります」
「そう」
その子は一瞬菫の全身をなぞるように見つめ、笑顔に戻ってまたね、と言って去っていった。
これが、菫と咲雪の出会いだった。
咲雪が行ってしまうと、まりが、咲雪の行ってしまった方角を眺めながら、
「私、中学からこの学校なんだけど、今の人はちょっと有名な人よ」
と菫に教えてくれた。
「えっ、まりちゃんエスカレーター組なの?」
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「正真正銘のお嬢様だあ!」
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