【R18】この愛は甘く私を蝕む

京佳

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2人だけの時間

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父の様子見の為に年に数回母は10日間ほど父の単身赴任先に泊まりに行く。今日から大型連休に入るので母は大きな荷物を持って父の所に旅立った。

『一応予定は10日間だけど早めに帰るかもしれないからその時には連絡するわね!ホントにうちはお兄ちゃんがシッカリしてるから安心して家を空けられるわ!じゃあお土産買ってくるわね~』

母はルンルンで出かけていった。

「……お兄ちゃんってホントお母さんに信頼されてるよねぇ。まるでお兄ちゃんの信者だもん。」

「まーね、優等生で居たら何かと便利だしな。ククッ、俺にユイを任せてくれて本当に嬉しいよ。」

「ねぇお兄ちゃん。今回の2人きりの留守番…恋人になってから初めて過ごすよね?時間気にせずお兄ちゃんと居られて朝まで一緒に寝られるのが私すごく嬉しい!」

「俺もユイとずっとこうしてイチャイチャ出来るのほんと幸せ。毎日風呂も寝るのも一緒な?今までも母さんが父さんの所に泊まりに行ってた間お前と2人で過ごした時あったけど…俺自分でもホントよく我慢したと思ってる。やろうと思えばいつでもお前を襲えたし!」

「っっ!…お兄ちゃん」

母が出掛けて早々に私は兄の部屋に引っ張りこまれた。兄の膝の上に抱っこされて背中に腕をまわす。顎を上げられ唇をゆっくりと重ねる。啄むように口付けて隙間から舌を入れられて歯列や上顎や口内をねっとりと舐め回される。

兄の舌が私の舌を絡め取りクチュクチュ合わさる。唾液を啜られ舌を吸われてゾクゾクする程に気持ちが良くて身体を預けてされるがままトロンとした目で兄を見つめる。

「…ンッ、やば、、可愛すぎるんだけど!」

「お兄ちゃんのキス気持ちいい。もっとずっとして欲しい。初めてされた時はあんなにイヤだったのに何でだろ…」

「そんなのユイが俺に惚れてるからでしょ?好きな男にキスされるから気持ちいいって感じるんだよ?」

兄は私の後頭部を引き寄せ唇をくっ付けて喋る。

「……そだね。じゃあ、お兄ちゃんも?」

「うん。ユイとキスしてる時めちゃくちゃ気持ち良くて気ぃ抜いたらイキそうだもん」

「嬉しいっ!」

両手で兄の頬を挟み、おでこ、瞼、鼻、唇にキスをする。舌を絡ませキスをしながら兄の首にしがみつくと私の背中にも兄の腕が回された。チュッチュッと粘りを含むリップ音が私の耳を甘く犯す。

「今日は…ずっとキスしてよっか?」

唇をくっ付けたまま瞳を潤ませ兄が囁く。コクコクと頷いて私は兄の唇に吸い付いた。兄の唇の柔らかさと舌の温度と感触と唾液の味、歯列や粘膜、触れる全てが気持ち良くて愛おしくてキスするのが止められない。

「んっ!ちょ、ちょっとユイ!」

チュパッ!と兄がいきなり唇を離した。何焦ってるんだろう?と不思議に思っていたら

「何かすげー慣れてないか?無いとは思うけど…まさか他の男とキスしてねぇだろうな?ユイ!どうなの?!」

馬鹿なの?私は呆れながら兄に言った。

「私お兄ちゃんと初めてキスしてえっちしてからずっとお兄ちゃんだけだよ!馬鹿じゃないの?毎日毎日毎日毎日キスしてたらそりゃ慣れるし上手くもなるよっ!お兄ちゃんが好きでっ、お兄ちゃんの全てが欲しいって思いながら私はいつも本気でキスしてるのよ!」

疑われた事にムカついて兄の胸に顔を押し付け背中に腕をまわしてめちゃくちゃギューッて力を入れてやった。骨が軋めばいいんだ!

伺うように背中を撫でられて平謝りされたけど腹の虫がおさまらず私はしばらく兄を無視した。でも今日はずっとキスする約束したし…私も兄といっぱいキスしたくて堪らない。


「………お兄ちゃん次は無いからね?」

思ったより低い声が出て兄の身体がビクッとした。ふん!ざまみろ。

「うん。分かったホントにごめん。もう絶対に有り得ない事で疑ったりしない。俺にはユイしか居ない。ユイを失ったら俺生きてる意味ない死ぬ。」

「重すぎでしょお兄ちゃん気持ち悪い。でも私も同じ気持ち。さて、じゃあ今日はずっとキスしようね?」

「っっ!ユイ!んっ…」

また余計な事を言わないように私は憎たらしくて愛おしい兄の唇を塞いだ。舌をねじ込み兄のそれに絡ませ擦り付けてちゅうちゅう吸い上げた。

兄の口の中ぜんぶ吸いつくしたい。日が落ちるまで時間も忘れずっと兄とキスに耽った。
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