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15 お休み
しおりを挟むシャボンの華やかな香りに包まれて。
お屋敷のメイドさん達に、全身隙間なくキレイサッパリ洗い上げられた所までは覚えている。
でもそれ以降の記憶が全然無くて、気が付いたらフカフカな寝台の上で眠っていた。
きっと疲れが溜まってしまっていたのだろう。
すっきりと爽快な気分でブランシェは寝台から起き上がって、ここはどこなのだろうと見回してみた。
朝日が差す窓とお姫様のような寝台、お高そうな調度品の数々が並ぶ素敵なお部屋だった。
「ここって……アレクセイ様のお屋敷ですよね?」
アレクセイ様のお家で寝落ちしてしまうなんて、やらかしてしまいました。
しかもお風呂の最中に。
これは後でアレクセイ様にお小言を頂けそう。
でも久し振りによく眠れました。
最近は働き詰めでしたし、婚約破棄のショックから眠れぬ日々を過ごしていましたし。
ブランシェが部屋を見回していると。
扉が軽快な音を立ててノックされる。
「はい、どうぞ」
そして扉を開けて笑顔で部屋に入ってきたのは。
昨日ブランシェの事をお風呂でピカピカに磨いてくれた、アレクセイの乳母で。
「おはようございますブランシェ様、お目覚めになられましたか?」
「あ、はい。あと、すいません昨日お風呂の最中に眠ってしまったみたいで……」
「お気になさらなくて大丈夫でございますよ。昨日はずいぶんとお疲れになられていたようでございましたからね……本日はこちらでゆっくりとお過ごし下さいませ」
「え? いえ、魔塔に行かなければいけないので……! あっ、私の服はどこに……」
「ブランシェ様は本日お仕事をお休みなさるようにと、アレクセイ様がおっしゃっておられましたよ」
「えっ……今日お仕事お休みですか?」
あの仕事中毒がお休みをくれる?
魔塔で働き始めて早五年、今まで一度も決められた休みの日しか休ませてくれませんでしたのに!
これはもしや天変地異の前触れでしょうか……?
「それとブランシェ様のお召し物は今お洗濯中でございますので、こちらのドレスをご着用下さいませ」
ばぁやさんに見せられたドレスは、鮮やかブルーのプリンセスラインのドレス。
それに合わせて靴や宝飾品も、そこにはご用意されておりまして。
「うわ、綺麗……」
「アレクセイ様がブランシェ様に是非着て頂きたいと、ドレスや宝飾品など一式を今朝方ご準備されました」
「えっ、アレクセイ様が……」
どうして急にアレクセイ様は私にこんな素敵なドレスを、ご用意されたのでしょう?
謁見用のドレスは絶対に必要だからと、ご準備されていたのは伺っておりましたが。
「はい、ですがブランシェ様はまずは朝食をお召し上がり下さいませ。昨夜は何も召し上がられず眠ってしまわれましたからね、お腹が空かれましたでしょう?」
「あ……はい、ありがとうございます」
「それとブランシェ様、このばぁやには敬語は必要ありません。貴女様はこの公爵家の女主人となる方で、魔法使い様でございます。ですから……ね?」
「う゛……頑張ります」
「ふふっ、ゆっくり慣れていきましょうね」
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